香港と聞いて、多くの人が思い浮かべるのは、空を突くような高層ビル群、ネオンが煌めく夜の街並み、そして世界有数の金融都市としての喧騒かもしれません。しかし、そのイメージを心地よく裏切ってくれる場所が、香港には存在します。それが、今回ご紹介する離島「長洲島(ちょうしゅうとう、広東語でチュンチャウ)」です。
ヴィクトリア・ハーバーの摩天楼からフェリーに揺られてわずか1時間足らず。そこに広がるのは、時間がゆったりと流れるのどかな漁村の風景です。車の走らない細い路地、軒を連ねる海鮮料理店、カラフルな漁船が浮かぶ港、そしてどこか懐かしい人々の活気。都会の喧騒とはまるで別世界の空気が、訪れる者の心を解きほぐしてくれます。
私、翔太も、大陸を車で駆け巡る旅の途中でこの島に立ち寄り、その魅力にすっかり心を奪われました。車の整備で油にまみれた手を洗い、潮風に吹かれながら過ごした時間は、旅の疲れを癒す最高の休息となりました。この記事では、そんな長洲島の魅力を余すところなくお伝えします。フェリーの乗り方から、おすすめのサイクリングコース、必食のローカルグルメ、さらには万が一のトラブル対処法まで、あなたが長洲島を心ゆくまで楽しむための全てを詰め込みました。この記事を読み終える頃には、きっと次の香港旅行の計画に、長洲島への小旅行を加えたくなっているはずです。
長洲島でのんびりした後は、香港ならではの絶景スポットを訪れてみるのもおすすめです。例えば、西環泳棚の夕日絶景は息をのむ美しさです。
長洲島への扉を開く:フェリー完全攻略ガイド

長洲島は、その名称の通り「島」として存在しています。橋はかかっておらず、訪れる唯一の交通手段はフェリーのみです。ただしご安心ください。香港の中心部から非常にアクセスしやすく、船旅自体も非日常的な期待感を高める素敵な体験の一部となります。
旅の始まりはここから:中環(セントラル)フェリー埠頭へ
長洲島行きのフェリーは、香港島の中心地である「中環(セントラル)」にあるフェリー埠頭から出航します。具体的には「中環5號碼頭(Central Pier No. 5)」を目指しましょう。埠頭には番号が割り当てられており、行き先によって乗り場が異なるため、番号の確認が重要です。
アクセス方法としては、MTR(地下鉄)の利用が最も分かりやすいです。MTRの中環(Central)駅か香港(Hong Kong)駅で下車し、海側へ向かって歩道橋を渡ります。案内表示も多く、迷う心配はほとんどありません。「渡輪碼頭(Ferry Piers)」という漢字表示に従うと安心です。大きなショッピングモール「ifcモール」(アップルストアが入っている)を通り抜けるルートは、雨や日差しを避けるのにおすすめです。駅から埠頭までは徒歩約10分から15分を見ておくと良いでしょう。
あなたの旅のスタイルに合わせる:高速船と普通船の選び方
中環5號碼頭に着くと、長洲島行きのフェリーが2種類あることに気づくはずです。「高速船(Fast Ferry)」と「普通船(Ordinary Ferry)」です。この違いを理解し、自分の旅プランに合った船を選ぶことが快適な船旅のポイントです。
高速船(Fast Ferry)
名前の通り、速さが特徴のフェリーで、所要時間は約35分から40分ほど。船体は比較的小さく、全席エアコン完備の屋内席のみとなっています。少しでも早く島に到着し、滞在時間を長くしたい方や、船酔いが心配な方(早く進むため揺れを感じにくいと言われます)に最適です。ただし、料金は普通船よりやや高めで、週末や祝日にはさらに割増になることもあるため、予算に合わせて選びましょう。
普通船(Ordinary Ferry)
所要時間は約55分から60分で高速船より時間がかかりますが、料金はリーズナブルです。この船の魅力は開放的な屋外デッキがあること。潮風を感じながら香港島のビル群や行き交う大小さまざまな船を眺める時間は、まさに船旅の醍醐味です。時間に余裕があり、ゆったりした船旅を楽しみたい方、旅費を節約したい方には普通船がおすすめです。船内に売店があり、簡単なスナックや飲み物も買えます。個人的には、この普通船のデッキで過ごす時間こそ、都市の忙しさから島時間へと気持ちを切り替える大切な時間だと感じています。
時刻表はフェリー乗り場の電光掲示板で確認可能ですが、計画を立てる際は、フェリー運航会社の新渡輪(Sun Ferry)公式サイトでのチェックが最も確実です。平日昼間ならおおよそ30分に1本、週末やラッシュ時は便数が増えますが、深夜は便数が減るため、特に帰りの最終便の時刻は事前に必ず確認してください。
スマートな乗船方法:チケット購入と注意点
フェリーのチケット購入は非常にシンプルです。多くの香港市民やリピーターは、「八達通(Octopus Card)」という、日本のSuicaやICOCAに相当する交通系ICカードを利用しています。改札機にカードをかざすだけで料金が自動引き落とされ、スムーズに乗船できるため、一番のおすすめ方法です。八達通はMTR駅、空港、コンビニなどで購入・チャージが可能で、香港旅行の必携アイテムといえるでしょう。
もちろん現金での購入も可能で、その場合は改札横の券売機か窓口でチケットを購入します。ただし券売機はお釣りが出ないことや、小額紙幣しか使えない場合もあるため、硬貨や10ドル、20ドル札などの少額香港ドルを用意しておくと安心です。週末や祝日の午前中はチケット売り場に長い列ができることも珍しくありません。特に大人数での訪問や時間に余裕がない場合は、八達通の利用かかなり早めの到着を推奨します。
乗船時のちょっとしたポイントとして、普通船の屋外デッキ席は人気が高くすぐに埋まってしまいます。特に進行方向の右側の席からは、香港島の西側から南側の風景がよく見えるため、良い席を取りたいなら改札が開いたら早めに船に乗り込むことをおすすめします。
長洲島上陸!旅の相棒を見つけよう
約1時間の船旅を経て、フェリーが長洲島の埠頭に到着すると、潮の香りと海産物の乾物の匂いがふわっと漂い、活気あふれる人々の姿があなたを出迎えます。ここからが、いよいよ本格的な長洲島の探検の始まりです。
島内交通の主役:レンタサイクルを上手に使う
長洲島には、バスやタクシーなど一般的な公共交通機関は存在しません。救急車や消防車、一部の業務用車両を除いて、自動車の乗り入れは原則禁止されているためです。島民の移動手段は主に徒歩と自転車です。そして、この「自転車」が観光客にとっても最高のパートナーとなります。
島の面積は約2.45平方キロメートル。徒歩で一周するには少々大変ですが、自転車を使えばちょうど良いサイズ感です。見どころが島の南北に点在しているため、効率的に回るには自転車がもっとも適しています。フェリー埠頭を出てすぐの海沿いの通り(海傍街)には、レンタサイクル店がずらりと並んでいます。どの店でも料金はほぼ同じで、1日レンタルで50香港ドルから100香港ドル程度が相場です。ただし、自転車の種類や状態は店によって異なるため、いくつか見て回るのもおすすめです。
借りる際には簡単な手続きがあり、現金のデポジット(保証金)を預けるか、パスポートや香港IDカードといった身分証明書を預けることが一般的です。デポジットを選ぶ場合は、多少多めに現金を用意しておくと安心です。借りる前には必ずブレーキの効き具合、タイヤの空気圧、サドルの高さをチェックしましょう。島内の道は平坦な場所ばかりではなく、特に南部には急な坂道があるため、安全に走行できる状態であることが非常に重要です。元整備士の立場から言わせていただくと、この準備に数分を惜しむと後々大きなトラブルを招く恐れがあります。
ユニークなのは、カップルや友人同士で楽しめる二人乗りのタンデム自転車や、小さな子どもを乗せられる屋根付きの三輪車など、多彩な種類の自転車が用意されていることです。旅のスタイルに合わせて選ぶ楽しみもあります。
サイクリングで守るべきルール
自由に走り回れるのが長洲島のサイクリングの魅力ですが、守るべきルールもいくつかあります。最も重要なのは、島の中心部、とくに埠頭周辺や商店街のメインストリートでは、日中に自転車の乗り入れが禁止され、歩行者専用になる時間帯があることです。その際は自転車を降りて押して歩く必要があります。道には「單車禁止駛入(No Cycling)」の標識や地面の表示があるので注意してください。また、狭い路地では島民の生活が息づいているため、スピードの出しすぎは避けましょう。ゆっくり景色を楽しみつつ、安全第一で走行することが求められます。自転車を借りる際には鍵も渡されるので、駐輪時には必ず施錠をお忘れなく。
心に残る風景を求めて:長洲島の必見スポット

小さな島ながら、長洲島には自然の美しさから歴史的な建築物まで、多彩な見どころがぎっしりと詰まっています。自転車を走らせたり、時には徒歩でゆっくり散策しながら、島の魅力を存分に味わってみましょう。
潮風と遊ぶ:東灣と觀音灣の二大ビーチ
長洲島は、香港でも屈指の美しいビーチがあることで知られています。フェリーターミナルから歩いて約10分の場所に広がるのが「東灣(Tung Wan Beach)」です。弓なりに延びる白い砂浜は、夏になると多くの海水浴客で賑わいます。波は比較的穏やかで遠浅なため、家族連れにも非常に人気です。周辺には海の家やレストランもあり、1日中ゆったりと過ごせます。
東灣の小さな丘を越えた先には「觀音灣(Kwun Yam Beach)」があります。こちらはウィンドサーフィンの名所として世界的に知られています。その理由は、香港初で唯一のオリンピック金メダリストである李麗珊(リー・ライシャン)選手が幼少期にこのビーチで練習を重ねていたことに由来します。近くには彼女の功績を讃える記念碑も立っています。風の強い日には、色鮮やかなセイルが海上を滑る姿を見るだけで心が弾みます。ウィンドサーフィンやカヤックのレンタル、スクールも整っているので、身体を動かしてアクティブに楽しみたい方におすすめです。
ビーチを楽しむためのポイント
どちらのビーチにも公共の更衣室、シャワー、トイレが完備されており、夏場の遊泳時間帯にはライフガードも常駐しているので安心です。ただし、貴重品の管理は自己責任となります。ロッカーはありますが数に限りがあるため、できるだけ荷物は少なめにするのが賢明です。日差しが強いので、日焼け止めや帽子、サングラスは必須アイテムです。また、季節によってはクラゲが発生することもあるため、泳ぐ前には必ず掲示板の注意事項を確認してください。
海賊伝説が息づく:張保仔洞(チョンポーチャイ洞)
島の南西部、ややアクセスが難しい場所にあるのが「張保仔洞(Cheung Po Tsai Cave)」です。張保仔は、19世紀初頭の南シナ海で活躍した実在の海賊にして、その名を冠した伝説の洞窟です。この場所は、彼が財宝を隠したり、隠れ家として使っていたという言い伝えがあります。
洞窟へ続く道は海岸沿いのハイキングコースで、奇岩が点在する美しい風景を楽しめますが、洞窟の入り口に着くと雰囲気は一変します。人ひとりがやっと通れるほどの狭い岩の隙間が暗闇へと続き、中は真っ暗。手足を使って岩をよじ登ったり、体を這わせて進む箇所もあり、懐中電灯やスマートフォンのライトがなければ先へ進むことは困難です。
洞窟探検のポイント
張保仔洞を探検する際は、十分な準備を心がけましょう。まず、滑りにくいスニーカーなどの適切な履物が必須です。サンダルやハイヒールは非常に危険です。両手を自由に使えるよう、荷物はリュックサックにまとめてください。光源も必ず持参すること。スマホのライトでも代用できますが、可能であればヘッドライトを用意すると安全性が高まります。洞窟内は湿っており、特に雨天やその翌日は滑りやすいので、悪天候時の探検は避けましょう。洞内は一方通行で、所要時間は約10分です。ただし閉所恐怖症の方や体力に自信がない方は無理をしないようにしてください。伝説に思いを馳せながら、冒険気分を思い切り楽しんでください。
島の信仰の中枢:北帝廟(パックタイミュウ)
島の北側に位置する「北帝廟」は、長洲島で最も重要かつ壮麗な寺院です。200年以上の歴史を持ち、海の神「玄天上帝(北帝)」が祀られています。漁業を生業とする住民が多い長洲島にとって、航海の安全や豊漁を願う北帝信仰は生活の根幹をなしています。
廟は中国南方の伝統的な建築様式で、屋根の上には精巧な陶器製の人形「石湾公仔」が飾られています。これらは三国志や歴史上の物語を色鮮やかに表現しています。内部に入ると、渦巻状の大きな線香から立ち昇る煙に包まれ、厳かな雰囲気が漂います。本殿には宋代に作られたとされる鉄の剣や、19世紀の豪華な輿など、貴重な文化財が多く保存されています。毎年春に開催される「長洲饅頭節(バンフェスティバル)」では、この廟が祭りの中心となり、島全体が活気に満ち溢れます。
参拝時のマナー
北帝廟は島民にとって神聖な祈りの場です。訪れる際は、必ず敬意を持って行動しましょう。大声で騒ぐ、走り回るなどの行為は厳禁です。服装の厳しい規則はありませんが、露出が多い服(タンクトップや極端に短いショートパンツなど)は避けるのがマナーです。写真撮影は多くの場合許可されていますが、熱心に祈っている方の邪魔にならないよう、フラッシュは使わず静かに行動しましょう。
島の恵みを五感で味わう:長洲島グルメ紀行
長洲島へ訪れる楽しみの大きな一つは、間違いなく「食」にあります。新鮮な海の幸から、写真に収めたくなるような地元のスイーツまで、あなたの食欲を満たす多彩な美味が待ち受けています。
港の景色を楽しみながら味わう絶品海鮮
フェリー埠頭から海沿いを歩くと、水槽に泳ぐ新鮮な魚介類が並ぶ海鮮料理店が軒を連ねています。これこそが長洲島の魅力のひとつ。店先のテーブルに腰掛け、港を行き交う船を眺めながらいただく海鮮料理は格別の味わいです。
注文方法は幾つかあります。多くの店ではお得なセットメニューを用意しており、2人前から4人前など人数に応じて選べます。セットにはスープや魚、エビ、貝、野菜料理などが含まれており、いろいろな味を手軽に楽しみたい方に最適です。もう一つの方法は、水槽から好きな魚介を自分で選び、調理法を指定するアラカルトスタイル。シャコ(瀨尿蝦)のガーリック揚げ、ホタテ(帶子)の春雨ニンニク蒸し、ハタ(石斑魚)の姿蒸しなど、香港の海鮮料理の定番メニューは、間違いなく絶品です。
海鮮店利用時のポイント
水槽から選ぶ場合、魚介類は多くが「時價(時価)」と表示されています。注文前には必ず店員に値段を確認しましょう。確認を怠ると、会計時に驚くこともあります。簡単な英語や筆談(例えば漢字で「多少錢?」と書くなど)でやり取り可能です。また、週末のランチやディナー時は大変混雑し、有名店では行列も覚悟が必要です。少し時間をずらすことで、比較的スムーズに入店できるでしょう。衛生面では多くの店に問題はありませんが、客入りが多く活気のある店を選ぶのが安心の目安です。香港のグルメ情報をお調べの際は、OpenRiceなどの口コミサイトも参考にすると良いでしょう。
食べ歩きが止まらない!B級グルメの宝庫
長洲島のもう一つの魅力は、気軽に楽しめるストリートフードです。島のメインストリートには、小腹を満たす美味しい誘惑がたくさん並んでいます。
巨大魚のすり身揚げ(大魚蛋)
長洲島の名物と聞いて最初に挙がるのがこちら。ゴルフボールほどの大きさの魚のすり身団子を串に刺して揚げたもので、プリプリの食感がたまらない一品。カレー味やスパイシー味が人気で、店先でたっぷりソースをかけてもらうのが定番です。食べ応えがあり、散策のおともにぴったりです。
マンゴー大福(芒果糯米糍)
スイーツ好きには見逃せないのが、丸ごと一個のマンゴーを柔らかい餅で包んだマンゴー大福。餅の皮は驚くほど薄く、その中にジューシーで甘い完熟マンゴーがぎっしり詰まっています。大きくてずっしりとした重みも特徴です。行列ができる有名店がいくつもあり、常にお客さんでにぎわっています。マンゴー以外にもドリアンやキウイなど、様々なフルーツの大福も楽しめます。
平安パン(平安包)
長洲島を象徴するお土産として人気なのが、赤い「平安」の焼き印が押された蒸しパンです。これは後述の「長洲饅頭節」に由来する縁起物で、かつてはあんこなしのシンプルなものでしたが、現在は蓮の実あん、ごまあん、小豆あんなど多彩な種類があります。ふかふかの生地と優しい甘さが特徴で、見た目も可愛らしく、お土産として喜ばれる一品です。
島が熱狂に染まる日:長洲饅頭節(バンフェスティバル)

年に一度、長洲島は香港で最も熱気にあふれ、かつ独特な祭りの舞台となります。それが「長洲饅頭節(Cheung Chau Bun Festival)」です。毎年およそ5月頃(旧暦4月)に開催され、その起源は18世紀にさかのぼり、島で猛威を振るった疫病を鎮めるため行われた儀式に由来すると伝えられています。
祭りの期間中、島は独特の雰囲気で包まれます。巨大な紙製の神像が町中を練り歩き、歴史上の人物に扮した子供たちが台座の上に立つ「飄色巡遊(ピウセッパレード)」は、まるで子どもたちが宙に浮いているかのような印象を与え、とてもユニークです。そして、祭りのハイライトは最終日の深夜に行われる「饅頭搶奪比賽(饅頭取り競争)」。北帝廟の前にそびえ立つ高さ10メートル超の巨大な塔に数千個の平安饅頭が取り付けられ、参加者たちが一斉にその塔をよじ登り、饅頭を奪い合うという、まさに奇祭とも呼べる光景が繰り広げられます。
饅頭節を訪れる際の心得
この祭りは、香港政府観光局も積極的にPRする大規模なイベントであり、開催期間中は国内外から数十万人もの観光客が小さな島に押し寄せます。この時期に訪れる予定があるなら、いくつかの心構えが必要です。まず、フェリーは満席となり、乗船まで何時間も待つことが珍しくありません。臨時便が増便されるものの、混雑は依然として激しい状態が続きます。島内の通りは人で溢れ、まっすぐに歩くのも容易ではありません。宿泊施設も数ヶ月前から予約でいっぱいになることが多いです。事前に詳細なスケジュールや交通規制を確認し、余裕を持った計画作りを心掛けることが重要です。しかし、その混雑を乗り切った先には、香港の伝統文化の力強さを肌で感じられる、かけがえのない体験が待っています。
あなただけの長洲島を創る:モデルプラン提案
これまでの情報を踏まえて、滞在時間や興味に合わせた具体的な行動プランを2つご提案します。
半日で大満足!アクティブ弾丸プラン
午前中に香港に到着し、午後の時間を有効に使いたい方向けのスケジュールです。
- 12:00 中環5號碼頭から高速船に乗船して出発。
- 12:40 長洲島に到着。まずは名物の大魚蛋を味わって腹ごしらえ。
- 13:00 レンタサイクルを借りて東灣ビーチへ。砂浜を歩きながら潮風を満喫。
- 14:00 觀音灣ビーチへ移動し、ウィンドサーフィンを眺めつつひと休み。
- 15:00 島の中心部へ戻り、マンゴー大福のお店で絶品スイーツを楽しむ。
- 16:00 お土産に平安パンを買い求め、フェリー埠頭へ向かう。
- 16:30 普通船のデッキ席に座り、香港島の景色を楽しみながら中環へ帰港。
一日たっぷり!王道満喫プラン
朝から晩まで長洲島の魅力をじっくり味わいたい方向けのプランです。
- 09:30 中環5號碼頭から普通船で出発。ゆったりとした船旅を堪能。
- 10:30 長洲島到着。レンタサイクルを利用する。
- 11:00 北上して北帝廟を参拝。島の歴史に触れる時間を持つ。
- 12:30 海沿いのレストランで豪華な海鮮ランチ。水槽から好きな魚介類を選べる。
- 14:00 サイクリングを再開し、南西部の張保仔洞へ。スリリングな洞窟探検に挑戦。
- 15:30 東灣ビーチで休憩。時間に余裕があれば海水浴や日光浴も楽しめる。
- 17:00 自転車を返却後、島の路地を散策。お土産探しや食べ歩きも満喫。
- 18:30 夕日を眺めながら早めのディナー。海鮮以外の地元食堂もおすすめ。
- 20:00 夜の埠頭の雰囲気を楽しみつつ、フェリーで中環へ戻る。
旅の質を高める:準備とトラブルシューティング

安心して長洲島の旅を満喫するために、最後に実用的な情報をまとめました。準備万端なら、安心して過ごせます。
持ち物チェックリスト
旅の快適さは準備によって大きく左右されます。以下のリストを参考に荷物を用意しましょう。
- 必須アイテム
- 八達通(オクトパスカード): フェリーや島内の一部店舗で使えて、とても便利です。
- 現金: レンタサイクルや屋台など、現金のみ対応の場所が多いため、小銭や小額紙幣を多めに持っていきましょう。
- 身分証明書(パスポートのコピー): レンタサイクルを借りる際などに必要になることがあります。
- 歩きやすい靴: サイクリングや散策、ハイキングを快適に楽しむために欠かせません。
- スマートフォンとモバイルバッテリー: 写真撮影や地図の確認でバッテリーの消耗が激しいので、予備のバッテリーを持ちましょう。
- あると便利なアイテム
- 日焼け対策グッズ: 日焼け止め、帽子、サングラスは特に夏場に必須です。
- 虫除けスプレー: 緑の多い場所や夕暮れ時に役立ちます。
- 折りたたみ傘やレインウェア: 香港の天気は変わりやすいため準備をおすすめします。
- ウェットティッシュ: 食べ歩きで手が汚れた時に便利です。
- 軽めの上着: フェリー内の冷房対策や日没後の気温の変化に備えて持っておくと安心です。
緊急時に役立つQ&A
旅行中は予期せぬトラブルが起きることもありますが、あらかじめ対応方法を知っておくことで冷静に対応可能です。
- Q. 最終フェリーに乗り遅れたらどうする?
- A. 長洲島と香港の間には陸橋がないため、最終フェリーに乗り遅れると島に泊まるしかありません。現地で急に宿を探すのは難しいことが多いため、帰りのフェリーは必ず時間厳守で利用してください。特に週末や祝日は混雑し、満席で乗れないこともあるため、最終便ではなく一つ前の便に乗るくらいの余裕を持つことを強くおすすめします。
- Q. 悪天候でフェリーが欠航した場合は?
- A. 台風(シグナル8以上)や濃霧などの悪天候時にはフェリーが運休することがあります。運航状況は新渡輪(Sun Ferry)の公式サイトやアプリでリアルタイムに確認できます。もし島に滞在中に運休が決まった場合は、安全が確認されるまで待機し、運航が再開されるのを待つしかありません。最新情報をこまめにチェックしましょう。
- Q. 島で体調を崩したらどうすればよい?
- A. 長洲島には24時間対応の「長洲醫院(St. John Hospital)」があります。軽い怪我や体調不良の場合は、島の中心部にある複数のクリニック(診所)でも対応可能です。万が一、命に関わる緊急事態が発生した場合は、迷わずに香港の救急番号「999」へ連絡してください。
- Q. 言葉が通じるか不安…
- A. 公用語は広東語と英語です。観光客が利用するレストランやレンタサイクル店の多くでは、簡単な英語が通じます。メニューもほとんどが英語表記か写真付きです。挨拶(こんにちは:ジョウサン、ありがとう:ンゴイ/ドーチェ)や数字などを少し覚えておくと、よりスムーズにコミュニケーションが取れます。
長洲島が教えてくれる、もう一つの香港
香港の魅力は、高層ビルが描き出す鋭いスカイラインだけではありません。少し足を伸ばせば、穏やかな海と昔ながらの暮らしが息づく、温かな時間が流れる場所が広がっています。
長洲島は、そんな香港の「もうひとつの表情」を映し出すスポットです。自転車を駆って風を感じる爽快さ、新鮮な海の幸を味わう楽しみ、そして何より、都会の喧騒から離れてゆったりと過ごす贅沢な時間。大陸を横断する旅の途中で訪れたこの島で、私は「旅の中の休息」がいかに大切かを改めて実感しました。それは単なる休養にとどまらず、心をリセットし、次の一歩を踏み出すための力を蓄える貴重なひとときなのです。
もしあなたも、活気あふれる香港観光の合間に少し時間を割けるなら、ぜひ長洲島を訪ねてみてください。きっと、これまで知らなかった香港の姿と、心からの安らぎを見つけることができるでしょう。

