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ZIPAIR、創業メンバーの深田氏が新社長に就任 – 次なる成長フェーズへ加速

日本航空(JAL)傘下で、中長距離国際線を運航するLCCのZIPAIR Tokyo(ジップエア・トーキョー)は、2024年4月1日付で新社長に深田康裕取締役事業本部長が昇格する人事を発表しました。コロナ禍という逆境の中で事業を軌道に乗せた現社長の西田真吾氏は退任し、創業メンバーである深田氏へ経営のバトンが渡されます。この交代は、ZIPAIRが新たな成長ステージへ移行することを示唆しており、今後の路線展開やサービス戦略に大きな注目が集まります。

目次

創業期を支えた両氏によるバトンタッチ

今回退任する西田真吾氏は、2020年6月の就航以来、パンデミックという航空業界にとって最も困難な時期にZIPAIRの舵取りを担ってきました。旅客需要が蒸発する中でも貨物便を運航するなどして事業を継続し、渡航制限緩和後は着実に路線を拡大。その手腕により、同社は急速な回復を遂げました。

一方、新社長に就任する深田康裕氏は、ZIPAIRの設立準備段階から事業に携わってきた創業メンバーの一人です。事業計画の策定や具体的な路線展開において中心的な役割を担い、同社の骨格を作り上げてきました。今回の人事は、創業期を率いたリーダーから、事業の核心を深く理解する次世代の経営陣へとスムーズに移行し、さらなる飛躍を目指すための戦略的な一手と見ることができます。

ZIPAIRの現在地:初の黒字化と独自のポジション

ZIPAIRは、単なる「安い航空会社」ではない、独自のポジションを築いています。LCCでありながら、全席に個人用モニターを装備せず、代わりに高速な機内Wi-Fiを無料で提供。乗客は自身のスマートフォンやタブレットでエンターテイメントを楽しめます。また、オプションで選択できるフルフラットシートは、従来のLCCのイメージを覆す快適性を提供し、幅広い顧客層から支持を得ています。

このユニークなサービスモデルは着実に成果を上げています。

  • 初の黒字化達成: 2023年度上半期(4〜9月)決算では、営業利益12億円を計上し、就航以来初の黒字化を達成しました。これは、事業モデルが市場に受け入れられたことを示す重要なマイルストーンです。
  • 高い搭乗率: レジャー需要の回復を的確に捉え、いくつかの主要路線では搭乗率が80%を超えるなど、高い人気を維持しています。
  • 積極的な路線拡大: 現在、成田空港を拠点にソウル、バンコクなどのアジア路線に加え、ロサンゼルス、サンフランシスコ、バンクーバーといった北米の主要都市を含む9都市へ就航。LCCによる太平洋横断路線という新たな市場を開拓しています。

今後の展望:新体制がもたらす変化と旅行者への影響

事業計画のエキスパートである深田氏がトップに立つことで、ZIPAIRの成長戦略はさらに加速すると予測されます。

さらなる路線網の拡充

これまでも積極的だった北米路線のさらなる拡大に加え、まだZIPAIRが就航していない新たな地域への進出も期待されます。JALグループ全体のネットワーク戦略の中で、ZIPAIRが担う役割はより大きくなり、これまで直行便がなかった都市への就航など、旅行者にとって新たな選択肢が生まれる可能性があります。

サービスモデルの進化

「ニュー・ベーシック・エアライン」を掲げるZIPAIRは、今後も時代に合わせたサービスの最適化を進めるでしょう。例えば、機内Wi-Fiを活用した新たな機内販売やエンターテイメント、地上交通との連携など、デジタルを駆使したサービスがさらに進化するかもしれません。これにより、コストを抑えながらも顧客満足度を高めるという、LCCの新たなスタンダードを提示していくことが期待されます。

今回の社長交代は、ZIPAIRが単なるスタートアップから、JALグループの収益の柱の一つを担う持続的な成長企業へと変貌を遂げるための重要な節目です。新体制のもと、ZIPAIRが世界の空でどのような新しい価値を提供してくれるのか、私たち旅行者も大いに期待したいところです。

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この記事を書いたトラベルライター

SimVoyage編集部は、世界を旅しながら現地の暮らしや食文化を体感し、スマホひとつで快適に旅する術を研究する旅のプロ集団です。今が旬の情報から穴場スポットまで、読者の「次の一歩」を後押しするリアルで役立つ記事をお届けします。

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