衝撃のランキング変動:かつての人気旅行先、日本がランク外に
2026年2月15日から始まる中国の春節(旧正月)大型連休を前に、大手旅行サイトが発表した海外旅行先の人気ランキングが、旅行業界に大きな衝撃を与えています。昨年はトップ3に入るほどの人気を誇った日本が、今年はトップ10圏外へと姿を消すという異例の事態となりました。
最新の人気旅行先トップランキング
今年のランキングでは、1位に韓国のソウル、2位にタイのバンコク、3位にシンガポールがランクインし、近距離でビザの緩和が進む東南アジアや東アジアの都市が人気を集めています。
これに対し、昨年は同ランキングで3位だった日本は、今年はトップ10に入ることができませんでした。円安という追い風があるにもかかわらず、なぜこのような急激な変化が起きたのでしょうか。
なぜ日本は人気を落としたのか?その背景を探る
政治的緊張の高まりが影響か
この人気低下の最も大きな背景には、日中間の政治的な緊張があるとみられています。日本政府関係者による台湾有事を巡る一連の発言などを受け、中国政府が国民に対し、日本への渡航を自粛するよう非公式に呼びかけていることが影響していると考えられます。こうした動きは、特に団体旅行のキャンセルや新規予約の手控えに直結しやすいとされています。
航空便の大幅な減少という現実
この状況を裏付けるように、複数のメディアが、春節連休前後の期間における日中間の航空旅客便数が前年同期と比較して大幅に減少していると報じています。航空会社のウェブサイトでも、一部路線の減便や運休が確認されており、航空座席の供給が絞られることで、物理的に旅行計画そのものが立てにくくなっている状況がうかがえます。
今後のインバウンド市場と旅行業界への影響
日本の観光業への打撃は必至
春節連休は、中国からの訪日客が年間で最も増加する「かき入れ時」の一つでした。この巨大な需要が失われることは、これまで中国人観光客への依存度が高かったデパートやドラッグストアなどの小売業、ホテル・旅館といった宿泊業、そして主要観光地の飲食店などにとって、深刻な打撃となる可能性があります。
個人旅行者(FIT)の動向が今後の鍵
一方で、すべての中国人旅行者が訪日を諦めたわけではありません。政府の呼びかけに左右されにくい個人旅行者(FIT: Foreign Independent Traveler)の中には、引き続き日本旅行を計画している層も存在します。特に、日本のポップカルチャーや食、雪景色といった特定の目的に強い関心を持つリピーター層は、政治情勢とは切り離して訪日を検討する傾向があります。彼らの動向が、今後のインバウンド市場の落ち込みをどの程度カバーできるかが一つの焦点となります。
求められる市場の多様化
今回の事態は、日本のインバウンド市場が特定の国に依存することのリスクを改めて浮き彫りにしました。地政学リスクは予測が難しく、観光業界は常にその影響を受ける可能性があります。今後は、回復が著しい欧米豪からの誘客をさらに強化するとともに、成長が期待される東南アジアや中東など、より多様な国・地域からの観光客誘致に一層力を入れていく必要性が高まるでしょう。
日本の観光業界は、この変化を直視し、リスク分散と新たな魅力の創出という課題に真摯に取り組むことが求められています。今後の日中関係の動向と、それに伴う旅行トレンドの変化をsimvoyageは引き続き注視していきます。

