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アルゼンチン旅行で体調を崩したら?病院・薬局・薬の完全ガイド【保存版】

タンゴの情熱的なリズム、どこまでも続くパタゴニアの雄大な自然、そしてヨーロッパの薫り漂う美しい街並み。南米のパリとも称されるアルゼンチンは、一度訪れたら誰もがその魅力の虜になってしまう国です。私もブエノスアイレスの街角で、その文化の深さにすっかり心を奪われた一人です。

しかし、どれだけ魅力的な旅先であっても、ふとした瞬間に訪れる体調不良の不安はつきもの。特に言葉や文化が違う海外では、「もし病院にかかったら?」「薬はどうやって手に入れるの?」といった心配が、旅の楽しみを半減させてしまうこともありますよね。見知らぬ土地での体調不良は、精神的にも大きな負担となります。

そこで今回は、アルゼンチンを旅する皆さんが安心して滞在できるよう、現地の医療事情から病院のかかり方、薬局での薬の購入方法まで、徹底的に解説していきます。この記事を読めば、万が一の時にも落ち着いて的確に行動できるはず。準備段階で知っておくべきこと、現地で困った時の具体的なステップ、さらには知っておくと便利なスペイン語フレーズまで、私の経験も交えながら詳しくお伝えします。アルゼンチン旅行の「お守り」として、ぜひ最後までお読みくださいね。

旅先での安心は、体調管理だけでなく、例えば喫煙ルールを事前に把握しておくことも大切です。

目次

アルゼンチン旅行前に知っておきたい!医療事情の基本

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まずはじめに、アルゼンチンの医療システムについて基本的な知識を押さえておきましょう。これを理解しておくことで、いざという際の心構えが大きく変わってきます。

公立と私立、二つの医療システム

アルゼンチンの医療制度は、大きく「公立(Publico)」と「私立(Privado)」の二つの柱で構成されています。この違いを把握することは、旅行者にとって非常に重要です。

公立病院(Hospital Público)

公立病院は国や州の運営下にあり、原則として国籍を問わず誰でも無料で医療サービスを受けられることがアルゼンチン憲法によって保障されています。この制度は非常に優れていますが、旅行者が利用する際にはいくつかの課題があります。まず、常に混み合っていて、診察までに長時間待たされることが多いです。数時間待つのは珍しくなく、緊急性が低い場合は再訪を促されることもあります。また、設備が古く、最新の医療機器が不足していることもあります。さらに、医師やスタッフとのコミュニケーションは基本的にスペイン語のみなので、言葉の壁もあります。したがって、命に関わる緊急時や他に選択肢がない場合を除き、旅行者が積極的に公立病院を利用するのは現実的ではありません。

私立病院(Hospital Privado / Clínica)

一方で、私立病院は高品質な医療サービスと充実した設備が特徴です。ブエノスアイレスなど大都市には、先進国と同等レベルの私立病院が数多く存在します。優秀な医師や専門医が多く在籍しており、海外旅行保険に加入している旅行者は主にこちらを利用します。医療費は高額ですが、保険でカバーできるため安心です。英語対応の医師やスタッフがいることも多く、通訳サービスを提供する病院もあります。予約制が基本で、比較的スムーズに診察が受けられる点も大きなメリットです。旅先での貴重な時間を無駄にしないために、体調に異変を感じたら迷わず私立病院を選ぶことをおすすめします。

旅行者が主に利用するのは質の高い私立病院

結論として、私たち旅行者がアルゼンチンで医療を受ける際は、私立病院を利用するのが最も確実で安心です。海外旅行保険に加入していれば、保険会社が提携する質の高い私立病院を紹介してくれますし、キャッシュレスメディカルサービスが利用できれば、その場で高額な医療費を支払う必要もありません。この「キャッシュレス対応」は保険選びで非常に重要なポイントとなるため、後ほど詳しく説明します。

ブエノスアイレスには、ドイツ系移民が設立した「ドイツ病院(Hospital Alemán)」やイギリス系の「イギリス病院(Hospital Británico)」など、外国人の受け入れに慣れた有名な私立病院が多数あります。これらの病院は高い医療水準で知られ、多くの在留邦人や旅行者に信頼されています。

医療レベルはどうか?ブエノスアイレスは南米トップクラス

アルゼンチンの医療レベル、特にブエノスアイレスの私立病院は南米でも屈指と評価されています。優秀な医師が欧米で研修を積み、先端医療技術も積極的に導入されています。心臓手術や臓器移植など高度な医療サービスも提供されており、その水準は国際的にも高く評価されています。ですから、万が一アルゼンチンで病気や怪我に遭遇しても、適切な病院を選べば日本とほぼ同等の高品質な治療を受けられると考えてよいでしょう。

ただし、これは主にブエノスアイレスやコルドバ、ロサリオといった大都市圏の話です。地方や特にパタゴニアのような小規模な町では、医療施設の規模や設備が限られる傾向にあります。重篤な場合はブエノスアイレスへの医療搬送が行われることもあります。地方を訪れる際には、この医療格差も念頭に置いておくことが大切です。

【準備編】日本で必ず済ませておくべきこと

アルゼンチンで安全に過ごすためには、日本を出発する前の準備が最も重要です。ここでは、欠かせない準備項目を具体的に解説していきます。「備えあれば憂いなし」という言葉の通り、十分な準備をしておきましょう。

海外旅行保険への加入は必須

何度強調しても足りないほど重要なポイントです。アルゼンチン旅行に際して、海外旅行保険への加入は「任意」ではなく「必須」と考えるべきです。クレジットカードに付帯している保険だけで十分だと考える方もいるかもしれませんが、補償内容はしっかりと確認しましょう。特に、治療費の補償額が十分か、キャッシュレス対応か、日本語サポートがあるかどうかは必ずチェックすべきポイントです。

アルゼンチンの私立病院の医療費は非常に高額です。たとえば、盲腸手術で入院した場合、数十万円から百万円以上の請求が来ることも珍しくありません。万が一、集中治療室に入ったり、日本への医療搬送が必要になったりすると、その費用は数千万円に達することもあります。保険に加入していなければ、これらの費用は全額自己負担となり、楽しい旅が一瞬で悪夢に変わってしまいます。

保険選びのポイント

では、どのような保険を選べばよいか、以下のポイントを参考にして、ご自身の旅行スタイルに合った保険を選びましょう。

治療・救援費用が無制限のプランを選ぶこと

最も重視したいのは、病気や怪我の治療費をカバーする「治療・救援費用」の補償額です。万が一の事態に備え、この補償は「無制限」のプランを選ぶのが最も安心できます。最低でも3,000万円以上の補償がついているものを選びましょう。

キャッシュレス・メディカルサービス対応かどうか

保険会社が提携病院に直接医療費を支払うキャッシュレスサービスの有無も重要です。このサービスがあると、高額な医療費を自分で立て替える必要がなくなります。海外で多額の現金を持ち歩くのは危険ですし、クレジットカードの利用可能額を超えるリスクもあります。必ず「キャッシュレス対応」の保険を選びましょう。

24時間365日対応の日本語アシスタンスがあるか

体調が悪い時に外国語で病院の予約や症状の説明をするのは非常に難しいことです。多くの海外旅行保険には、24時間日本語でサポートしてくれるコールセンターがあります。ここに連絡すれば、近隣の提携病院の紹介や医療通訳の手配など、あらゆる支援を受けることができます。このサービスの有無は、とても心強い安心材料となります。

携行品損害や航空機遅延の補償も確認する

医療補償だけでなく、カメラやスマートフォンの盗難・破損をカバーする「携行品損害」や、飛行機の遅延・欠航による追加費用を補償する「航空機遅延費用」もついているとより安心です。ご自身の持ち物や旅程に合わせて必要な補償内容を選びましょう。

持病がある方の事前準備と英文診断書の重要性

高血圧や糖尿病、喘息など持病を抱えている方は、さらに入念な準備が必要です。まずはかかりつけ医に海外渡航の許可を得て、以下の準備を進めてください。

十分な量の常備薬を持っていく

旅行期間中に加え、予備の薬も含めて十分な量を携帯しましょう。現地で同じ薬が手に入る保証はなく、たとえ入手できても成分や用量が異なることがあります。薬はスーツケースに入れず、必ず手荷物として機内に持ち込み、万が一のロストバゲージのリスクを減らしましょう。

英文の診断書や処方箋を準備する

持病の詳細や服薬内容を記載した英文の診断書(Medical Certificate)を医師に作成してもらうことをおすすめします。現地で診察を受ける際、これまでの病歴や治療内容を正確に伝えるために役立ちます。また、特殊な薬を持ち込む場合、入国時の税関で説明を求められることがあるため、医師発行の英文処方箋(Prescription)があるとスムーズです。

日本から持ち込む常備薬リストと注意点

持病がない方でも、慣れ親しんだ日本の薬を持参すると安心です。環境の変化や長時間のフライトで体調を崩すことはよくありますので、私が普段旅に持っていく基本的な常備薬リストをご紹介します。

  • 解熱鎮痛剤:頭痛や歯痛、発熱時に。飲み慣れたものを用意しましょう。
  • 総合感冒薬:風邪の諸症状(喉の痛み、鼻水、咳など)に対応できるもの。
  • 胃腸薬:慣れない食事や水による胃もたれ、腹痛、下痢に備えて。
  • 酔い止め薬:長距離バスや船の移動がある場合に役立ちます。
  • 絆創膏、消毒液、綿棒:小さな切り傷やすり傷の手当てに。
  • 虫除け、かゆみ止め:特に夏場や自然豊かな地域へ行く際には必須です。
  • 保湿クリームやリップクリーム:アルゼンチンの乾燥した地域での肌ケアに役立ちます。
  • 整腸剤:環境変化で胃腸の調子を崩しやすい方におすすめです。

これらの薬は説明書も一緒に持参すると、用法・用量を確認でき便利です。すべて元箱のままだとかさばるため、小さなジップロックなどにまとめて、何の薬か分かるようにラベルを貼ると良いでしょう。

持ち込みが制限される可能性のある薬について

ここで特に注意が必要です。日本で一般的に処方あるいは市販されている薬も、成分によってはアルゼンチンの持ち込みが制限または禁止されている場合があります。特に向精神薬、睡眠薬、一部鎮咳薬(咳止め)、精神安定剤に含まれる成分は麻薬及び向精神薬取締法の対象となることがあるためです。

自己判断で薬を持ち込むと、最悪の場合、法的な罰則を受ける可能性があります。服用中の薬に不安がある場合は、必ず事前に確認が必須です。最も確実なのは、在アルゼンチン日本国大使館に問い合わせることです。また、厚生労働省のウェブサイトにも医薬品持出しの情報が掲載されていますので併せてご確認ください。

医薬品証明書(やくかんしょうめい)の準備について

麻薬や向精神薬を含む治療用医薬品を携帯して渡航する場合は、日本の地方厚生局で「医薬品証明書(やくかんしょうめい)」の発行申請が必要です。これは医師の診断書とは別の、公的機関が発行する証明書となります。申請手続きには時間がかかることが多いため、出発の1ヶ月前には準備を開始するのが望ましいです。詳細は厚生労働省 関東信越厚生局のウェブサイトでご確認ください。手続きは煩雑に感じられるかもしれませんが、トラブルを避けるために欠かせない準備です。

【実践編】アルゼンチンで体調を崩してしまったら

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入念に準備を重ねていても、旅先で体調を崩してしまうことはあります。その際、どのように対応すればよいのかを知っておくことで、慌てずに済みます。具体的な手順を事前にシミュレーションしておきましょう。

STEP1: まずは保険会社に連絡する

「体調がおかしい」「怪我をした」と感じたら、まず最初にするべきことは、加入している海外旅行保険のアシスタンス窓口に電話をかけることです。多くの保険会社では、日本語対応の24時間体制の窓口を設けています。ホテルの部屋など、落ち着いて話せる場所から連絡しましょう。スマートフォンのローミング設定や現地のSIMカードで国際電話が利用可能な状態にしておくほか、ホテルの電話を借りられるか確認しておくとスムーズです。

伝えるべき情報

電話をかける際は、以下の情報を手元に用意しておくとスムーズに話が進みます。

  • 保険証券番号
  • 氏名やパスポート番号
  • 現在の詳しい症状(いつからか、どの部位がどのように痛む・苦しいのか、熱の有無など)
  • 現在の所在地(都市名、宿泊ホテルの名称・住所・電話番号)
  • 連絡可能な現地の電話番号

これらの情報を伝えることで、オペレーターが状況に応じた最適な指示を出してくれます。例えばキャッシュレスで受診できる提携先の最寄り病院を教えてくれたり、病院の予約を代行してくれたりします。必要に応じて、電話による医療通訳サービスを手配してもらうことも可能です。自己判断でいきなり病院に駆け込まず、まずは保険会社に連絡する手順を必ず守りましょう。これにより、後の手続きや支払いが格段にスムーズになります。

STEP2: 病院へ行く – 予約から診察までの流れ

保険会社から病院を指定されたら、その指示に従い病院へ向かいます。タクシーや配車アプリを利用するのが一般的です。病院に着いてからの流れについても知っておきましょう。

私立病院の受診方法

私立病院では、まず受付(Recepción / Admisión)で手続きを行います。パスポートと保険証券を提示し、保険会社から連絡が入っていることを伝えます。問診票(スペイン語または英語)が渡されるので、症状やアレルギー、既往症などを記入します。

続いて、専門科の医師による診察を受けます。必要に応じて、血液検査やレントゲンなど各種検査が行われることもあります。診察や検査終了後は会計(Caja)にて手続きをします。キャッシュレスサービスが適用されていれば基本的には自己負担はありませんが、保険の対象外の費用(例:証明書発行料など)があればその場で支払います。最後に処方箋(Receta)と診断書(Certificado Médico)を受け取り、診療が終了します。

日本語で受診できる病院はあるのか?

ブエノスアイレスには、日本語のみで対応可能な病院は残念ながら存在しません。しかし、外国人患者の診療に慣れており英語対応が可能な医師が多く在籍する病院はあります。代表的なものに「ドイツ病院(Hospital Alemán)」や「イギリス病院(Hospital Británico)」などがあります。これらの病院は多くの海外旅行保険会社と提携しています。

また、心強い存在として「ブエノスアイレス日本人会診療所」があります。ここは日本人会員向けの診療所ですが、旅行者でも相談可能です。日本人医師や日本語堪能なスタッフが在籍しているため、言葉の壁なく安心して相談できます。ただし、対応可能な診療科や診療時間には限りがあるため、まずは電話で問い合わせることをおすすめします。必要に応じて適切な現地私立病院への紹介も受けられます。

診察時に役立つスペイン語フレーズ例

英語対応の医師もいますが、受付や看護師とのやりとりはスペイン語がメインになることもあります。基本のフレーズを覚えておくとコミュニケーションがスムーズになります。

  • 助けを求める場合
  • 助けてください。 (Ayúdeme, por favor. / アジュデメ、ポル・ファボール)
  • 医者が必要です。 (Necesito un médico. / ネセシート・ウン・メディコ)
  • 具合が悪いです。 (Me siento mal. / メ・シエント・マル)
  • 症状の説明
  • 熱があります。 (Tengo fiebre. / テンゴ・フィエブレ)
  • 頭が痛いです。 (Me duele la cabeza. / メ・ドゥエレ・ラ・カベサ)
  • お腹が痛いです。 (Me duele el estómago. / メ・ドゥエレ・エル・エストマゴ)
  • 喉が痛いです。 (Me duele la garganta. / メ・ドゥエレ・ラ・ガルガンタ)
  • 吐き気があります。 (Tengo náuseas. / テンゴ・ナウセアス)
  • 下痢をしています。 (Tengo diarrea. / テンゴ・ディアレア)
  • めまいがします。 (Estoy mareado/a. / エストイ・マレアド/ア)
  • 痛みの部位を示す
  • ここが痛みます。 (Me duele aquí. / メ・ドゥエレ・アキ)
  • アレルギーを伝える
  • ~にアレルギーがあります。 (Soy alérgico/a a … / ソイ・アレルヒコ/ア・ア …)

これらをスマートフォンにメモしておくだけでも、いざというときの心強い助けになります。

緊急時に救急車を呼ぶ必要がある場合の対応

意識を失っている、呼吸困難、大量出血など、すぐに対応が必要な緊急事態では躊躇せず救急車を呼びましょう。

緊急連絡先

アルゼンチン(ブエノスアイレス市内)の救急車の電話番号は「107」です。これは公的な緊急医療サービス「SAME(Sistema de Atención Médica de Emergencia)」に接続され、通話は無料です。

電話をかけた際には、オペレーターに場所と状況を伝える必要があります。基本的にスペイン語でのやりとりとなるため、話せない場合は周囲の人(ホテルスタッフなど)に助けを求めて代わりに連絡してもらうのが安心です。落ち着いて現在地(住所や目印)と患者の状態(意識がない、呼吸困難など)を伝えましょう。救急車到着後は、保険会社にも連絡し、搬送される病院名を伝えて指示を受けてください。

外務省の海外安全ホームページにも緊急連絡先などの情報が掲載されていますので、渡航前に目を通しておくことをおすすめします。

【薬局・薬編】Farmacia(ファルマシア)を使いこなそう

病院に行くほどではないものの、軽い頭痛や胃のむかつきで薬が欲しくなることは旅先でもよくあります。そんな時に頼りになるのが、地元の薬局「Farmacia(ファルマシア)」です。

アルゼンチンの薬局の特徴

アルゼンチンの薬局は、日本のドラッグストアと似ている点もあれば、異なる点も存在します。基本を理解して、上手に利用しましょう。

24時間営業の薬局「Farmacia de Turno」

アルゼンチンの多くの薬局は夜間や休日には閉まりますが、地域ごとに交代制で24時間営業する「Farmacia de Turno(ファルマシア・デ・トゥルノ)」という制度があります。これは「当番薬局」を意味し、急に薬が必要になった時に非常に心強い存在です。閉店中の薬局の扉には、その日に開いている最寄りの「de Turno」薬局の住所が掲示されていることが一般的です。さらに、Googleマップで「Farmacia de Turno」と検索して探すことも可能です。

外観はドラッグストアのよう?豊富な品揃え

大手の薬局チェーン(例えばFarmacityなど)は、日本のドラッグストア同様、医薬品だけでなく化粧品、シャンプー、日焼け止め、ベビー用品、スナック菓子、飲料水なども扱っており、旅行者にとって非常に便利です。緑色の十字マークがFarmaciaの目印で、街中のあちこちにあるためすぐに見つけられます。

処方箋なしで買える薬と必要な薬

日本の薬局と同じく、アルゼンチンでも医師の処方箋(Receta / レセタ)が必要な「処方薬」と、処方箋なしで買える「一般用医薬品(Venta Libre)」があります。

一般的な風邪薬や鎮痛剤は処方箋なしで購入可能

解熱鎮痛薬、軽度の風邪薬、胃腸薬、乗り物酔いの薬、アレルギー用の抗ヒスタミン剤などは処方なしで手に入ります。カウンターで薬剤師(Farmacéutico/a)に症状を説明すれば、適切な薬を案内してもらえます。

例えば、解熱鎮痛剤としてはイブプロフェン(Ibuprofeno)やパラセタモール(Paracetamol)が一般的で、どちらも日本でもおなじみの成分です。商品名は様々ですが、成分名を伝えれば通じるので安心です。

抗生物質などは処方箋が必須

抗生物質(Antibióticos)やステロイド剤、その他の強い効き目の薬は必ず医師の処方箋が必要です。自己判断で抗生物質を求めても、薬局では決して販売されません。感染症の疑いがある場合は、必ず医師の診察を受けてください。

薬を購入する際のポイントと便利なスペイン語フレーズ

薬局でスムーズに薬を買うためのヒントと役立つフレーズをご紹介します。

薬剤師に症状を伝えるポイント

アルゼンチンの薬局はカウンター越しに薬剤師に症状を伝えて購入する方式が主流です。自分で棚から取るのではなく、まず相談してください。薬剤師は薬の専門家なので、適切なアドバイスをもらえます。

  • 薬が欲しいと伝える
  • ~の薬をください。(Quisiera algo para … / キシエラ・アルゴ・パラ …)
  • 例:頭痛の薬をください。(Quisiera algo para el dolor de cabeza.)
  • 具体的な症状を説明するフレーズ
  • 咳が出ます。(Tengo tos. / テンゴ・トス)
  • 鼻水が出ます。(Tengo mocos. / テンゴ・モコス)
  • アレルギーがあります。(Tengo alergia. / テンゴ・アレルヒア)
  • 薬について質問する時の言葉
  • これはどうやって飲みますか?(¿Cómo se toma esto? / コモ・セ・トマ・エスト?)
  • 副作用はありますか?(¿Tiene efectos secundarios? / ティエネ・エフェクトス・セクンダリオス?)

ジェスチャーを交えたり翻訳アプリを活用したりしながら、一生懸命伝えようとすれば、親切に対応してくれる薬剤師がほとんどです。あきらめずにコミュニケーションを取ってみてください。

知っておくと安心!アルゼンチンの医療に関するQ&A

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最後に、旅行者が抱きがちな医療に関する細かな疑問について、Q&A形式でご説明します。

歯科治療は受けられる?

はい、受けられます。アルゼンチンの歯科医療は水準が高く、特にブエノスアイレスには最新の設備を備えた歯科クリニック(Clínica Odontológica)が多く存在します。ただし、多くの海外旅行保険では歯科治療が対象外となる場合があるため、保険内容をしっかり確認してください。急な歯の痛みでやむを得ず治療を受ける場合は、高額な自己負担が発生する可能性があることを覚えておきましょう。

コンタクトレンズや洗浄液は買える?

はい、購入可能です。コンタクトレンズや洗浄液は薬局(Farmacia)ではなく、眼鏡店(Óptica / オプティカ)で取り扱われています。大きなショッピングモールなどに入っていることが多いです。ただし、日本で使っている製品と同じものが入手できるとは限らず、視力検査が必要となる場合もあります。旅行中は普段使い慣れた製品を予備も含めて十分に持参するのが安心です。

地方都市の医療レベルは?

先述の通り、ブエノスアイレスと地方都市では医療の質に差があります。メンドーサやサルタ、バリローチェといった主要観光地には規模のある私立病院がありますが、パタゴニアの小さな村などでは応急処置のみの診療所しかないこともあります。持病のある方やトレッキングなどのリスクを伴う活動を予定している方は、事前にその地域の医療体制を調べておくことをおすすめします。万が一の際には、ブエノスアイレスへの緊急搬送も念頭に置き、保険の補償範囲を改めて確認しておくことが重要です。

衛生面で気をつけるべきことは?

病気の予防も重要です。アルゼンチンでは特に「水」と「食事」に注意しましょう。

:ブエノスアイレスなどの都市部では水道水が飲めるとされていますが、旅行者がお腹を壊す恐れがあるため、ミネラルウォーター(Agua Mineral)を購入して飲むことをおすすめします。レストランで水を注文するときは、「Sin gas(炭酸なし)」か「Con gas(炭酸あり)」を選べます。

食事:生野菜やカットフルーツは、どの水で洗われているか分からないため、避けたほうが無難です。信頼できる飲食店以外では十分に加熱された料理を選ぶようにしましょう。アルゼンチン名物の牛肉(アサード)はとても美味しいですが、食べ過ぎによる胃もたれにも気をつけてください。

安全で快適な旅のために – 私からのアドバイス

これまで、アルゼンチンにおける医療情報を具体的にご紹介してきました。多くの情報があり、不安に感じられたかもしれませんが、これらの知識は万が一の際にあなたを支える大切な備えとなります。

ゆとりあるスケジュール作りの重要性

南米への旅行は、長時間のフライトと大きな時差が伴います。特にアルゼンチンは広大な国土を持ち、国内の移動にもかなりの時間を要します。見どころが豊富だからといって予定を詰め込みすぎると、知らず知らずのうちに疲労がたまり、体調不良の原因となります。到着直後は無理をせず、現地時間に体を馴染ませることを優先しましょう。余裕のあるスケジュールこそが、充実した旅を楽しむための秘訣です。

日頃の健康管理が最高の旅の守りに

結局のところ、最も頼りになる旅のお守りはあなた自身の健康です。出発前の日本で、バランスの良い食事や十分な睡眠を心がけ、万全のコンディションで旅立てるよう準備しましょう。

アルゼンチンは、一度訪れれば忘れがたい素晴らしい体験をもたらしてくれる国です。しっかりとした準備と正確な知識があれば、不安は遠のきます。この記事があなたのアルゼンチン旅行をより安全で思い出深いものにする一助となれば幸いです。どうぞ、情熱とあたたかさに満ちた国、アルゼンチンを心ゆくまでお楽しみください。

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この記事を書いたトラベルライター

アパレル企業で培ったセンスを活かして、ヨーロッパの街角を歩き回っています。初めての海外旅行でも安心できるよう、ちょっとお洒落で実用的な旅のヒントをお届け。アートとファッション好きな方、一緒に旅しましょう!

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