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ネパールの野生動物に会いに行こう!大自然を満喫するサファリの魅力と安全に楽しむための完全ガイド

ヒマラヤの高峰が連なる山々の国、ネパール。多くの旅人がエベレストをはじめとする雄大な景色に憧れてこの地を訪れます。しかし、ネパールの魅力は、天を衝くほどの雪山だけではありません。南部に広がる緑豊かなタライ平原のジャングルには、驚くほど多様な野生動物たちが息づいており、世界中のナチュラリストを魅了してやまない、もうひとつの顔があるのです。そこは、絶滅の危機に瀕するベンガルトラやインドサイが悠然と歩き、色鮮やかな鳥たちが飛び交う生命の楽園。今回は、そんなネパールの奥深い自然に触れる、ワイルドライフ・サファリの旅へとご案内します。この記事では、ネパールで出会える素晴らしい動物たちから、サファリを満喫するための具体的な準備、ツアーの選び方、そして何よりも大切な安全のための注意点まで、あなたの冒険を成功に導くためのすべてを網羅しました。環境に配慮しながら、この唯一無二の体験を心ゆくまで楽しむためのヒントも交えて、詳しく解説していきます。さあ、未知なる感動を求めて、ジャングルへの扉を開けてみましょう。

ネパールの旅を計画する際には、隣国ブータンへの扉を開く完全ガイドも参考にすると、ヒマラヤ地域の旅の幅が広がるでしょう。

目次

なぜネパール?驚くべき生物多様性の秘密

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ネパールがこれほど豊かな生態系を育んでいる理由は、その国土における劇的な標高差にあります。南部のインドとの国境付近には標高約60メートルの亜熱帯ジャングル地帯「タライ平原」が広がっています。そこから北へ進むと丘陵地帯が現れ、さらに進むと標高8,000メートルを超えるヒマラヤの高峰群に至ります。こうした限られた面積内に、亜熱帯から熱帯、温帯、亜寒帯、高山ツンドラといった複数の気候帯が混在し、それぞれの環境に適応した多様な動植物が息づいているのです。この独特の地理的条件こそが、ネパールを「生物多様性のホットスポット」として際立たせている主な要因です。政府と地域コミュニティは、この貴重な自然遺産を守るため、国土の約23%を国立公園や保護区に指定しています。なかでも特に野生動物の観察拠点としてよく知られているのが、南部タライ平原にあるチトワン国立公園やバルディア国立公園です。これらの保護区では長年にわたる保護活動が実を結び、絶滅の危機に瀕していた動物たちの個体数が回復しつつあります。私たち旅人が訪れることで、入場料などの収入が保護活動の資金となり、地域経済の活性化にもつながっています。つまり、責任ある観光を心がけることで、私たち自身がこのかけがえのない自然環境の保護に貢献できるのです。

ジャングルの王者に会いに行く!ネパールで出会える野生動物たち

ネパールのジャングルは、まさに野生動物の宝庫であり、まるで図鑑のページをめくるような世界が目の前に広がっています。ここでは、サファリで出会える可能性の高い代表的な動物たちを詳しくご紹介します。それぞれの生態や特徴を知ることで、実際に対面した際の感動がいっそう深まることでしょう。

絶滅の危機を乗り越えた、尊く神秘的な存在

ネパールの野生動物の中でも、とりわけ象徴的で、多くの人々が一度は見たいと願うのが絶滅危惧種に指定されている動物たちです。彼らとの出会いは容易ではありませんが、そのために彼らの姿を目にしたときの感動は、忘れがたい宝物となるでしょう。

ベンガルトラ

密林の奥深くで、しなやかな身体を駆使して獲物を狙う孤高のハンターがベンガルトラです。その美しい縞模様と威厳ある姿は、ジャングルの絶対的な王者の風格を漂わせています。ネパールはインド、バングラデシュ、ブータンと並び、ベンガルトラの重要な生息地です。特にバルディア国立公園やチトワン国立公園は、観察できる可能性が高い場所として知られています。主に夜行性で単独行動を好む彼らの姿を日中に見ることは非常に稀ですが、経験豊かなナチュラリストガイドの案内でジープサファリに出かければ、水辺で水を飲んだり、草むらで休むシーンに出会えるチャンスが広がります。ガイドは地面の足跡や他の動物の警戒音など、トラの存在を示すわずかな手掛かりを読み解くプロフェッショナルです。彼らの案内に耳を澄まし、息を潜めてその瞬間を待つ緊張感は、サファリの醍醐味のひとつでもあります。WWFネパールなどの国際的保護団体の支援も受け、ネパール政府は密猟撲滅や生息地の保護に注力しています。その結果、近年トラの個体数は増加傾向にあり、私たちの努力によって未来の世代もこの美しい生き物に出会う可能性が高まっているのです。

インドサイ

重厚な鎧のような分厚い皮膚が特徴のインドサイは、体重が2トンを超え、その巨体でゆっくりと草むらを進む様子は、太古の時代からの生命力を感じさせます。かつてはアジアの広範囲に生息していたものの、角を狙った密猟により激減し、一時は絶滅寸前にまで追い込まれました。しかしネパールのチトワン国立公園においては、軍の厳重なパトロールをはじめとする保護活動の成果により、奇跡的に個体数が回復。現在、チトワンでは比較的高い確率でインドサイと遭遇できます。ジープサファリはもちろん、ラプティ川でのカヌー下り中に岸辺で水浴びをしたり草を食んだりする姿にも出会うことが少なくありません。おとなしい草食動物ですが、特に母親が子連れの場合は非常に警戒心が強く、危険を感じると猛スピードで突進してくることもあります。サファリ中は必ずガイドの指示に従い、安全な距離を保つことが必須です。

ユキヒョウ

「山の亡霊」と称されるユキヒョウは、ヒマラヤ高地に棲むもっとも神秘的な大型ネコ科動物です。標高3,000mから5,000mの険しい岩場に生息し、保護色の美しい斑点模様の毛皮をまとうため、野生の姿を目にすることは非常に困難です。ユキヒョウ観察には専門知識を持つガイドと共に、数週間に及ぶトレッキングやキャンプが必要となります。エベレスト地域のゴーキョやアンナプルナ保護区などが潜在的生息地とされていますが、その姿を捉えることは世界中の野生動物写真家の長年の夢です。ヒマラヤのトレッキング中に、この幻の動物を見られたなら、それは一生に一度の幸運といえるでしょう。ユキヒョウは気候変動や生息地の喪失といった脅威に直面しており、その保護はヒマラヤの生態系全体を守るうえで極めて重要な課題となっています。

レッサーパンダ

愛らしい姿で世界中から愛されるレッサーパンダは、実はネパール東部の温帯林に生息する野生の動物です。主に竹を食べ、樹上生活を好みます。英名「Red Panda」の通り、赤茶色のふわふわとした毛並みが特徴的です。彼らの観察を目的にした専門のエコツアーもあり、イラム地方などが人気スポットとなっています。しかし森林伐採による生息地破壊や分断が深刻な問題であり、レッサーパンダも絶滅の危機に瀕しています。私たちが持続可能な観光を心がけ、地域の保護活動を支援するツアーを選ぶことが、この愛らしい動物たちの未来を守ることにつながるのです。

ジャングルを彩る多彩な仲間たち

ネパールの自然は、スター的な動物だけにとどまりません。サファリの道中には、さらに多くの魅力的な生き物があなたの目を楽しませてくれます。

アジアゾウ

野生のアジアゾウの群れに出会うことも、ネパールサファリの見どころのひとつです。特にバルディア国立公園は、野生のゾウの群れがしばしば目撃されることで知られています。静かな森の中、突然現れる巨大なゾウの家族の存在感は言葉にできないほどの迫力です。ただし、非常に強力かつ時に予測不可能な行動をとることもあるため、ガイドはゾウの機嫌や様子を細心の注意で観察し、安全な距離を保ちながら観察の機会を提供します。

ナマケグマ

黒く長い毛に包まれ、やや不格好ながらもどこか愛嬌のあるナマケグマ。主にシロアリを食べるため、地面に鼻を押し付けて餌を探す姿を目にすることがあります。昼間は巣穴で休むことが多いですが、早朝や夕方のサファリでは活動中の姿に遭遇できるかもしれません。鋭い爪を持ち、見た目に反して気性が荒い面もあるため、決して油断は禁物です。

多様なシカやサルの仲間たち

ジャングルでは、アクシスジカ(チタル)の美しい斑点が群れをなして草を食む光景や、巨体のサンバーが静かに森に佇む様子など、さまざまな種類のシカに出会えます。彼らはトラやヒョウの重要な獲物であり、生態系の豊かさを示す存在です。また、木々を見上げれば、白と黒が鮮やかなハヌマンラングールや、赤みを帯びた顔のアカゲザルが枝から枝へと飛び移る賑やかな光景も楽しめます。

水辺のハンター、ワニたち

ラプティ川やカルナリ川のカヌーサファリでは、2種類のワニを観察することができます。ひとつは、魚を専門に捕らえるために進化した細長い口吻が特徴のガビアルで、絶滅の危機に瀕しているため、チトワンには保護繁殖センターも設けられています。もうひとつは、哺乳類も捕食するより一般的なヌマワニです。カヌーから間近に見られる日光浴中の姿は、刺激的な体験となるでしょう。

空を見上げれば、鳥たちの楽園が広がる

ネパールはバードウォッチャーにとってまさに天国です。国内で確認されている鳥類は850種以上にのぼり、これは世界全鳥類の約9%に相当します。ジャングルでは、巨大なくちばしを持つサイチョウの仲間や、鮮やかな色彩を誇るカワセミ、勇壮なカンムリワシなど、多種多様な鳥たちを観察できます。双眼鏡を手に専門ガイドと共に森を歩くバードウォッチングツアーは、動物サファリとは別の静かな興奮に満ちています。とくに渡り鳥の訪れる季節には、その多様性は一層広がり、終日観察していても飽きることがありません。

野生動物に会いに行く!主要国立公園ガイド

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ネパールには多くの国立公園が点在していますが、野生動物の観察、特にサファリを楽しみたい場合は、南部タライ平原に位置する2つの国立公園が代表的な選択肢となります。ここでは、それぞれの公園の特徴や楽しみ方を詳しくご紹介します。

チトワン国立公園:世界遺産のジャングルで初めてのサファリ体験

ネパールで最も知られ、多くの観光客が訪れるのが、ユネスコの世界自然遺産に登録されているチトワン国立公園です。カトマンズやポカラからアクセスが比較的しやすく、宿泊施設やツアーも豊富に揃っているため、初めてのネパールサファリには理想的なスポットと言えるでしょう。

アクセスと宿泊拠点

カトマンズやポカラからはツーリストバスが主な移動手段で、所要時間は約5〜7時間です。公園の玄関口である「サウラハ」という小さな村には、手頃なゲストハウスから高級リゾートまで幅広い宿泊施設が点在しています。多くのホテルでは、ジープサファリやカヌートレッキングなど、多彩なアクティビティの予約が可能です。

サファリの種類と流れ

チトワンのジャングル探検には主に以下の3つの方法があります。

ジープサファリ: 最もポピュラーで、効率良くジャングルの奥深くへアクセスできる方法です。屋根のない4WDジープに乗り込み、ベテランのガイドと共に野生動物を探します。半日と一日のコースがあり、一日コースではより広範囲を探検でき、トラなどのレアな動物に出会う確率が高まります。チケットはサウラハのツアー会社や宿泊施設で手軽に用意でき、公園入園料、ガイド料、ジープ代がセットになっていることが一般的です。予約の際は、料金に含まれる内容をしっかり確認しましょう。

カヌーライディング: ラプティ川を丸木舟で静かに下るアクティビティです。エンジン音がないため、水辺の鳥やワニを間近に観察でき、川岸で水を飲むサイやシカの群れにも出会いやすいので、ジープサファリとは違った穏やかな視点で自然を楽しめます。

ジャングルウォーク: ガイドと一緒に自らの足でジャングルを歩く、最も刺激的な体験です。動物の足跡や糞を見つけながら植物について学び、大型動物との遭遇もあり得るため、必ず2名以上のライセンスを持つガイドが同行します。ガイドの指示に従い、周囲に十分注意を払うことが不可欠です。

最適な訪問時期

10月から3月の乾季が最も適したシーズンで、この時期は天気が安定し草丈が低くなるため動物を見つけやすくなります。特に2月から3月にかけては川の水位が下がり、動物たちが限られた水場に集まるため、観察の機会が増えます。

バルディア国立公園:手つかずの自然が広がる秘境

より野性味あふれる本格的なサファリを望むなら、ネパール西部に位置するバルディア国立公園がおすすめです。チトワンに比べて観光客が少なく、自然がほとんど手つかずの状態で残されています。広大な草原とサールの林が広がり、特にベンガルトラの出没率が高いことから、「トラの王国」と称されています。

アクセスと宿泊

アクセスはやや難しく、カトマンズから国内線でネパールガンジまで約1時間の飛行機移動後、車で約2〜3時間かけて公園近くのタクルドワラ村へ向かうのが一般的です。陸路を選んだ場合は、カトマンズから夜行バスで15時間以上かかる長距離移動となります。宿泊は自然志向のジャングルロッジが村周辺に点在し、チトワンのような賑わいは少ないですが、そのぶん静かに自然と向き合えます。

サファリの魅力

バルディアのサファリは、チトワンより一層冒険色が強いのが特徴です。特に人気なのが、丸一日かけて行うウォーキングサファリ。経験豊富なガイドと共にトラのテリトリーの奥深くまで踏み込み、いつ猛獣に遭遇してもおかしくない緊迫感を味わえます。もちろん、ジープサファリも可能で、広大な公園内を効率よく探索できます。またカルナリ川では、珍しいカワイルカに出会えることもあります。ツアーは宿泊ロッジで手配するのが一般的で、優秀で経験豊富なガイドが揃っている信頼できるロッジを選びましょう。

サガルマータ国立公園:ヒマラヤ高地に息づく野生動物たち

タライ平原のジャングルとは全く異なる独自の生態系が広がるのが、エベレストを含むサガルマータ国立公園です。こちらはサファリではなく、高地トレッキングの中で希少動物を観察します。主な対象はヒマラヤタール(ヤギに似た動物)やジャコウジカ、そして幻のユキヒョウです。トレッキングには、TIMSカード(トレッカー情報管理システムカード)と国立公園入園許可証が必要で、これらはカトマンズにあるネパール政府観光局(Nepal Tourism Board)で取得可能です。申請時にはパスポートと証明写真が必要なので、事前にしっかり準備しましょう。

サファリツアーを安全に楽しむための完全準備ガイド

素晴らしい体験も、準備が足りなければ台無しになってしまいます。ここでは、快適かつ安全なサファリを楽しむために、日本を出発する前から現地で注意すべきポイントまで、具体的な準備リストと行動手順をご紹介します。

服装と持ち物リスト:ジャングルに溶け込むための装備

サファリでの服装は「目立たないこと」と「機能性」が基本です。鮮やかな原色の服は動物を警戒させるため避けましょう。

服装のポイント

  • アースカラーの服: 緑、茶色、ベージュ、カーキなど、自然の中に馴染む色合いの服を選びましょう。これにより動物へ不必要なストレスを与えない配慮ができます。
  • 長袖・長ズボン: ジャングルには蚊やアブ、ヒルなどの虫が多く潜んでいます。虫刺されや枝葉による擦り傷、さらに強い日差しから肌を守るため、季節にかかわらず長袖と長ズボンが望ましいです。
  • 重ね着できる服装: 朝晩は冷え込む一方、日中は暑くなることもあるため、Tシャツの上に薄手のシャツやフリースなどを重ねられる服装が便利です。
  • 歩きやすい靴: ウォーキングサファリに参加する際は、足に馴染んだトレッキングシューズやスニーカーが必要です。ジープサファリ中心の場合でも悪路を歩くことがあるため、サンダルは避けましょう。
  • 帽子とサングラス: 強い日差し対策として、つばの広い帽子とサングラスは必ず用意してください。

必携アイテムリスト

  • 双眼鏡: 遠くにいる動物や鳥を鮮明に観察するため、持参したい必須アイテムです。倍率は8〜10倍程度が使いやすいでしょう。
  • カメラ(望遠レンズ付き): 感動の瞬間を写真におさめるために。多くの動物が距離を保っていることが多いので、200mm以上の望遠レンズがあると重宝します。
  • 虫よけスプレー: 日本製よりも効果の強いDEET成分配合のものがおすすめです。現地でも購入可能ですが、敏感肌の方は普段使い慣れているものを持ち込むと安心です。
  • 日焼け止め: 標高はそれほど高くありませんが、日差しが強烈なのでSPF値の高いものを用意しましょう。
  • 雨具: 天候が変わりやすい地域のため、軽量かつコンパクトに収納できるレインウェアや折りたたみ傘があると安心です。
  • 常備薬: いつも服用している薬に加え、腹痛薬、頭痛薬、酔い止め、絆創膏などの基本的な応急セットを準備してください。
  • 懐中電灯またはヘッドライト: サウラハなどの村では夜間が非常に暗く、停電が頻繁に起こることもあります。ロッジ内の移動にも役立つため、必ず持参しましょう。
  • パスポートのコピーと証明写真: 国立公園の許可証申請や、万が一パスポートを紛失した場合に備えて、複数枚用意しておくと安心です。

渡航前の準備と各種手続き

  • ビザ: ネパールへの入国にはビザが必要です。日本のネパール大使館で事前取得も可能ですが、カトマンズのトリブバン国際空港にてアライバルビザを取得するのが一般的です。事前にオンライン申請フォームを記入しておくと、空港での手続きがよりスムーズになります。
  • 海外旅行保険: ネパールでの医療環境は日本と異なり、重症の場合には国外への緊急搬送が必要となることもあります。治療費や搬送費用は高額になるため、十分な補償内容を持つ海外旅行保険への加入を必ず行ってください。
  • 予防接種: 必須ではありませんが、厚生労働省の検疫所はA型肝炎、B型肝炎、破傷風、日本脳炎などの予防接種を推奨しています。渡航の前に医師に相談しておくと安心です。

野生動物と自然を守るためのサステナブルな旅行術

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私たちがこの素晴らしい自然を末永く楽しみ続けるためには、一人ひとりの旅行者が責任ある行動を心掛けることが不可欠です。ここでは、環境および地域社会に配慮した「サステナブルな旅行」を実践するための具体的な取り組みをご紹介します。

責任ある野生動物観察のルール:守るべきマナー

  • 適切な距離を保つ: 野生動物はペットではありません。彼らの生活圏にお邪魔しているという自覚を持ち、決して近づき過ぎないようにしてください。特に子連れの動物には細心の注意が必要です。安全な距離はガイドが判断しますので、その指示に必ず従いましょう。
  • 静かに行動する: 大声での会話や大きな物音は、動物たちを驚かせてストレスを与えてしまいます。サファリ中はできるだけ静かにし、自然の音に耳を傾けてみてください。
  • 餌を与えない: 人間の食べ物を動物に与えることは、彼らの健康を損ない、生態系への悪影響を招きます。絶対に行わないでください。
  • フラッシュ撮影は禁止: カメラのフラッシュは特に夜行性の動物の目を傷つけたり、動揺させたりする恐れがあります。撮影する際は必ずフラッシュをオフにしましょう。
  • ゴミは必ず持ち帰る: 「Leave No Trace(痕跡以外は何も残さない)」の精神はアウトドア活動の基本です。ペットボトルや包装紙など、持ち込んだゴミは全て持ち帰りましょう。携帯灰皿を持参し、タバコのポイ捨ても厳禁です。
  • ドローンの使用について: 国立公園内でのドローン利用は、特別な許可がない限り禁止されています。動物にストレスを与えるだけでなく、騒音問題も懸念されます。

地域社会への貢献

サステナブルな旅行とは、環境に配慮するだけでなく、地域に暮らす人々にも敬意を払うことを意味します。

  • 地元のガイドや企業を利用する: 地域の方々が運営するツアー会社やロッジを選ぶことで、観光収益が直接地域に還元され、彼らが自然保護の担い手として活動し続けるための動機付けとなります。
  • 地元の産品を購入する: お土産は、その土地の職人が作った手工芸品や特産品を選びましょう。適正な価格で購入することが、彼らの暮らしの支えになります。
  • 文化を尊重する: ネパールは多様な民族が共生する国です。寺院などを訪れる際は肌の露出を控えるなど、現地の文化や習慣に敬意を持って対応しましょう。

動物福祉に配慮した選択を

かつてチトワンでは象の背に乗って行う「エレファント・ライド」が人気でしたが、近年はその訓練過程での動物虐待や象への身体的負担が問題視されています。旅行者として私たちはより倫理的な選択をすることが可能です。たとえば、象と一緒にジャングルを歩く「エレファント・ウォーク」や、保護された象たちが自然に近い環境で暮らすサンクチュアリ(保護区)を訪れるプログラムがあります。そうした施設では、象に餌をあげたり、水浴びを手伝ったりしながら、彼らの生態について学ぶことができます。私たちの選択が、動物たちのより良い暮らしと未来に繋がるのです。

知っておきたい注意点とトラブル対策

楽しい旅を実現するためには、リスクを正確に把握し、万一の際に備えておくことが不可欠です。ここでは、健康管理から緊急時の対処法まで、具体的なポイントをご紹介します。

健康と衛生管理について

  • 水分と食事の注意点: ネパールでは水道水を直接飲むことは避けてください。必ず未開封のミネラルウォーターを利用するか、携帯用の浄水器を使うことが推奨されます。また、食事はしっかり加熱されたものを選び、生のサラダやカットフルーツは控えるのが安全です。信頼の置けるレストランやロッジで食事をとるよう心がけましょう。
  • 感染症予防策: タライ平原はデング熱やマラリアを媒介する蚊が多く生息する地域です。こまめに虫除けスプレーを使用し、肌の露出を避けるため長袖や長ズボンの着用がおすすめです。特に蚊が活発になる朝夕の時間帯は注意が必要です。

野生動物との思わぬ遭遇時の対応

ウォーキングサファリ中などに大型動物に突然出会う可能性もありますが、慌てず冷静に対処することが肝心です。

  • ガイドの指示を最優先に: 何より重要なのはガイドの指示にしっかり従うことです。彼らは動物の習性を熟知しており、最適な対応方法を把握しています。
  • サイに遭遇した場合: 背を見せて逃げるのは絶対に避けてください。ジグザグ走行や近くの木に登る方法が有効ですが、いずれもガイドの判断に従いましょう。
  • トラやクマと遭遇した場合: 静かに後退しつつ距離を保ちます。大声を出したり急な動きをするのは刺激になるため避けてください。必要に応じて、腕を広げて自分を大きく見せる行動も効果的です。

ツアーに関する問題とその対処法

  • 予約内容の事前確認: ツアーの予約時には、料金に含まれるもの(公園入場料、ガイド料、食事、交通費など)やキャンセル規定について書面で確認しておきましょう。
  • 返金や代替対応の交渉: ツアー内容が事前の説明と大きく異なる場合は、まず冷静にツアー会社に状況を伝え交渉してください。その際、予約時の書面が証拠となります。交渉が難航する場合は、サウラハの観光協会などに相談することも可能です。
  • 緊急連絡先の携帯: 万一の事故や病気に備えて、加入している海外旅行保険の連絡先および在ネパール日本国大使館の連絡先を控えておきましょう。パスポート紛失時なども大使館への連絡が必要です。

ネパールの自然が教えてくれる、生命の輝き

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ネパールのジャングルを旅することは、ただ珍しい動物を目にするだけにとどまりません。朝日に照らされて輝く草原や、川辺に立ち込める霧の静かな朝、森の奥から響いてくる動物たちの鳴き声。五感を研ぎ澄ませば、そこには力強い生命の営みが満ちあふれているのです。トラの鋭い瞳に遭遇したときの畏怖の念や、母サイが子を守りながら穏やかに草を食む姿に感じる感動は、きっとあなたの心に深く刻まれることでしょう。

この豊かな自然は決して当たり前ではありません。気候変動や密猟、さらには人間の活動によって生息地が破壊されるなど、多くの脅威に直面しています。旅人としてこの地を訪れ、その素晴らしさを実感することは、この貴重な環境を守る大切さを再認識するきっかけとなります。地元のガイドとともに森を歩き、彼らがいかに自然を深く愛し、豊富な知識を持っているかを知ることも、旅の貴重な財産です。ネパールでの野生動物との出会いは、私たち人間もまたこの広大な生態系の一員であることを思い出させてくれます。さあ、準備は整いましたか?命の輝きに満ちた、忘れがたい冒険があなたを待っています。

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この記事を書いたトラベルライター

サステナブルな旅がテーマ。地球に優しく、でも旅を諦めない。そんな旅先やホテル、エコな選び方をスタイリッシュに発信しています!

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