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海外で日本の温もりが恋しくなったら。世界の銭湯・スパ文化を巡る旅へ

カナダでワーキングホリデーをしていた頃、一番恋しくなったものは何かと聞かれれば、間違いなく「湯船に浸かる時間」だと答えます。慣れない海外生活、シャワーだけで済ませる毎日。体の芯まで温まるあの感覚、一日の疲れがふわりと溶けていくような心地よさを、心の底から求めていました。きっと、海外で暮らした経験のある方なら、一度は同じ気持ちになったことがあるのではないでしょうか。

日本の「お風呂文化」は、世界に誇るべき素晴らしい習慣です。しかし、実は世界中を見渡してみると、日本とはまた違った形で、人々を癒し、社交の場として機能してきたユニークな公衆浴場の文化がたくさん存在します。歴史的な建造物の中で楽しむ温泉、大自然と一体になれるスパ、地元の人々の活気あふれる蒸し風呂。それらは、単に体を清潔にする場所ではなく、その国の歴史や文化、人々の暮らしが色濃く反映された、旅の醍醐味そのものなのです。

この記事では、ワーホリ中に世界のスパや浴場を巡るのが趣味になった私が、ヨーロッパからアジア、北米まで、旅先でぜひ訪れてほしい魅力的な銭湯・スパ文化を、具体的な体験方法や注意点と共にご紹介します。この記事を読み終える頃には、あなたの次の旅の計画に、きっと「スパで癒される一日」が加わっているはずです。さあ、世界の湯船を巡る、心と体を解き放つ旅へ出かけましょう。

旅の計画を立てる際には、環境に優しい航空会社を選ぶことも、持続可能な旅の一歩となるでしょう。

目次

世界に広がる入浴文化の多様性

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旅の疲れを癒すだけでなく、その土地の文化に触れる絶好の機会となるのが、世界各地の公衆浴場です。日本の銭湯や温泉に親しんでいる私たちにとって、海外の入浴文化は驚きと新たな発見の連続と言えるでしょう。なぜ人々は湯を求めて集まるのでしょうか?その背景には、国や地域ごとに異なる歴史や価値観が深く関与しています。

なぜ人々は公衆浴場に集まるのか?

公衆浴場の起源は古く、その役割は時代の流れとともに変化してきました。最も基本的な目的はもちろん、身体を清潔に保つこと。しかし、古代ローマ帝国では上下水道システムの整備により、市民の衛生維持を目的とした「テルマエ」と呼ばれる大規模な公衆浴場が都市の重要施設として多く建設されました。とはいえ、その役割は単なる衛生維持にとどまりませんでした。

テルマエは人々が集まり語らい、情報を交換する社交の場でもありました。浴場内には図書館や運動施設、庭園なども備えられ、まさに市民の憩いの場所であり文化の中心地となっていたのです。この「社交の場」としての機能は、トルコのハマムやロシアのバーニャといった世界各地の公衆浴場文化にも共通する特徴です。

さらに、健康促進やリラクゼーションという側面も見逃せません。温泉に備わる治癒力は古くから信じられており、ヨーロッパでは温泉療法(バルネオセラピー)が医療の一部として発展してきました。ドイツのクアハウス(療養施設)やハンガリーの温泉は、今も多くの人々が心身の癒しを求め訪れ続けています。日常の喧騒を離れて温かい湯に身を委ねる時間は、ストレスを和らげ、次の日への活力をもたらしてくれるのです。

日本の銭湯と海外のスパ、似ているようでこんなに違う!

日本の銭湯や温泉と海外のスパは、「お湯に浸かる」という点では共通していますが、そのスタイルや文化には大きな違いがあり、戸惑うことも少なくありません。海外のスパを訪れる前にこれらの相違点を理解しておくと、よりスムーズに楽しむことができるでしょう。

温度の違い

まず驚かされるのがお湯の温度です。日本の温泉で好まれる「熱い湯」という文化は実は少数派で、ヨーロッパの温泉やスパでは35℃から38℃程度のぬるめの湯が主流です。これは熱さによって爽快感を得るよりも、じっくり浸かってリラックスしたり、温泉成分を体にゆっくりと浸透させたりすることを目的としているためです。最初は物足りなく感じるかもしれませんが、ゆったりと浸かることで体の芯からじんわりと温まり、心からリラックスできるはずです。

入浴スタイルの違い

日本の銭湯が基本的に男女別で裸で入るのが一般的なのに対し、海外の施設ではほとんどの場合、水着着用が義務付けられています。特に屋外プールや大規模な温泉施設では水着は必須です。また、ヨーロッパの多くのスパでは男女混浴が通常であり、家族やカップルで一緒に楽しめるレジャー施設としての性格が強いのです。一方、ドイツのサウナや一部の伝統的な浴場では、逆に「全裸」がルールとなっている場合もあります。旅先のルールは事前にしっかり確認することが重要です。

目的と雰囲気の違い

日本の銭湯が「日常の延長にある憩いの場」という印象が強いのに対し、海外のスパは「非日常を味わう特別な空間」として演出されていることが多いです。歴史的建造物を生かした荘厳な環境、大自然に包まれ静けさを楽しめる場所、アロマやキャンドルで五感を癒す幻想的な空間など、コンセプトは実に多様です。入浴だけでなく、マッサージやエステ、食事などを組み合わせた総合的なウェルネス体験を提供する場として位置づけられています。

これらの差異を知ることで、カルチャーショックも楽しみつつ、それぞれの国の入浴文化の奥深さを味わうことができるでしょう。では、これから具体的な国や施設を巡る旅に出かけてみましょう。

ヨーロッパ編:歴史と伝統が息づく癒しの空間

ヨーロッパの入浴文化は、古代ローマ時代にその基盤が築かれて以来、各地域で独自に進化を遂げてきました。宮殿のように豪華な温泉から、厳格な作法に従って心身を浄化する浴場まで、その多様なスタイルは訪れる人々を魅了し続けています。

ハンガリー・ブダペスト「セーチェニ温泉」—宮殿の雰囲気で湯浴みを楽しむ

「温泉大国」として名高いハンガリーの首都ブダペストには、数多くの温泉施設が点在しています。その中でも最大規模で最も有名な「セーチェニ温泉」は、市民公園内に位置するネオバロック様式の黄色い宮殿のような建物で、訪れるだけで心が高揚します。私自身の初めての海外温泉体験の地であり、その圧倒的な規模と美しさに感動した光景は今も鮮明に記憶に残っています。

施設の特徴

セーチェニ温泉の最大の魅力は、その広さと充実した設備にあります。屋外には大きなプールが3つあり、冬でも湯気を立てる温水プールでは、水面に浮かべられたチェス盤の上で地元の紳士たちが熱戦を繰り広げる、ほほえましい光景が見られます。これこそがセーチェニ温泉の象徴的な風景です。館内には温度や成分が異なる大小さまざまな浴槽が15箇所あり、さらにサウナやスチームルームも完備。一日中滞在しても飽きることがありません。

実際の利用ポイント:セーチェニ温泉攻略ガイド

チケット購入方法: 週末や観光シーズンは非常に混雑するため、公式サイトからの事前予約がおすすめです。待ち時間を大幅に短縮でき、スムーズに入場が可能です。オンライン予約をするとQRコード付きのバウチャーが送付され、それを入口で提示するだけでOKです。もちろん現地でも窓口や自動券売機で購入できますが、長い列に並ぶ覚悟が必要です。更衣室のタイプ(個室キャビンかロッカーのみか)によって料金が異なります。複数人で利用する場合はキャビンを1つ借りて荷物をまとめて着替えるのが効率的です。

  • 持ち物チェックリスト:
  • 水着:必須アイテムです。忘れた場合は現地で購入可能ですが、品揃えやサイズが限られており割高です。
  • タオル:レンタルもありますが有料なので、持参がおすすめです。
  • ビーチサンダル:施設内の移動やシャワー利用時に必要。衛生面でも安心です。
  • スイミングキャップ:屋外の競泳用プール利用時は着用が義務付けられています。温泉プールのみなら不要です。
  • 飲み物:水分補給用にペットボトルなどの飲料を持参すると脱水予防になります。
  • 防水ケース:スマホなどを持ち込む際に便利です。
  • 施設内での流れ:
  • 入場時に腕時計型のリストバンドが渡されます。これがロッカーやキャビンの鍵となり、指定された番号のロッカーでリストバンドをセンサーにかざし施錠・解錠します。
  • 利用前にシャワーで身体を清めてから、屋内外の浴槽を自由に行き来できます。
  • カフェやバーも併設されており、リストバンドを使って商品を購入し、退場時にまとめて精算する仕組みです(場合により現金やカード支払いも必要)。

トラブル対応: リストバンドを紛失した際は、すぐにスタッフへ申し出てください。再発行に料金がかかることがあります。体調不良時も無理をせず、プールから上がりスタッフに助けを求めましょう。

ドイツ・バーデン=バーデン「フリードリヒス浴場」—ローマ式入浴の真髄を体感

ドイツ南西部、黒い森(シュヴァルツヴァルト)の麓にある高級温泉保養地バーデン=バーデン。世界的に名を馳せるのが、荘厳なルネサンス建築が美しい「フリードリヒス浴場」です。ここは単なる温泉以上の場所で、「ローマ・アイルランド式」と称される厳密な入浴儀式を体験できる神聖な空間です。特に特徴的なのは、全裸が原則である点です。

施設の特徴

1877年に完成した浴場は、ドーム天井や美しい彫刻、鮮やかなモザイクタイルで飾られており、まるで美術館のような趣きを持ちます。作家マーク・トウェインは「フリードリヒス浴場に浸かって10分もすれば時間の感覚を失い、20分もあれば世界の存在すら忘れてしまう」と称賛しました。徹底された静寂と清潔さにより、日常の喧騒から完全に解き放たれる特別な空間です。

実際の利用ポイント:フリードリヒス浴場体験マニュアル

  • 入浴手順(17段階): この浴場の最大の特徴は、定められた17のステップを順に辿ることです。受付後、各ステップの説明書が配布されます。主な流れは以下です。
  • ステップ1〜3: シャワー、温風浴(ウォームエアバス)、熱風浴(ホットエアバス)で身体を温め発汗を促します。
  • ステップ4〜5: シャワーで汗を流し、追加料金のソープブラシマッサージへ。泡で全身を優しくマッサージされ、至福の時間を体験します。
  • ステップ6〜9: 温度の異なるスチームバスと温泉プールを順に巡ります。
  • ステップ10〜13: 34℃と28℃の異なる温度の浴槽を経て、最後に18℃の冷水プランジプールで冷却します。
  • ステップ14〜17: 体を拭いて保湿クリームを塗った後、静かなリラクゼーションルームで毛布に包まれて休憩。ここでの休息がとても心地よく、全身が生まれ変わった感覚に包まれます。
  • 服装規定とマナー:
  • 全裸が基本: 水着の着用は一切認められていません。体を解放し、温泉の効能を最大限に享受するためです。初めは戸惑うかもしれませんが、周囲は気にしていないので安心してください。
  • 男女別と混浴のスケジュール: 曜日によって男女別の日と混浴の日が設定されています。混浴に抵抗がある場合は、男女別設定の日に訪れるとよいでしょう。スケジュールは公式サイトで必ず事前にご確認ください。
  • 静寂厳守: この場所はリラクゼーションを目的としているため、大声での会話などは禁じられています。静かに流れに身を任せて楽しみましょう。
  • 写真撮影禁止: プライバシー保護のため、館内での撮影は固く禁止されています。

最新情報の確認: 営業時間や料金、男女別/混浴のスケジュールはしばしば変更されるため、訪問前には必ず公式サイトで最新情報をチェックしてください。

トルコ・イスタンブール「チェンベルリタシュ・ハマム」—オスマン帝国伝統の息吹を体験

東西文化が交差する魅惑の都市イスタンブール。ここでぜひ味わいたいのがトルコ式浴場「ハマム」です。古代ローマの公衆浴場の流れを汲み、オスマン帝国時代に独自の発展を遂げたハマムは、単に身体を清める場だけでなく、人々が集う重要な社交の場所でもありました。

施設の特徴

観光客に人気があり、歴史的価値も高い「チェンベルリタシュ・ハマム」は、1584年にオスマン帝国を代表する建築家ミマール・スィナンが設計。壮麗なドーム天井から差し込む光が幻想的な空間を演出しています。旧市街の中心に位置し、アクセスも非常に良好です。

実際の利用ポイント:はじめてのハマム体験ガイド

  • 入浴の流れ:
  • 受付とコース選択: 入口で手続きを済ませます。セルフサービス(自分で体を洗うだけ)の基本コースから、伝統的な「ケセ」(垢すり)と「キョプック・マサジュ」(泡マッサージ)がセットになったコースまで複数あります。初体験者は垢すりと泡マッサージがセットのコースが特におすすめです。
  • 着替え: 男女別の更衣室で「ペシテマル」と呼ばれる伝統の布を腰に巻きます。下着は着けたままでも外しても自由ですが、気になる場合は水着のボトムのみ着用しても安心です。
  • 身体を温める: 最初に「スチャクルック」と呼ばれる温かい部屋で身体を慣らし、その後「ハラーラ」と呼ばれる温浴室へ。中央の「ギョベッキ・タシュ(おへその石)」と名付けられた温かい大理石の台に横たわり、じっくり汗を流します。
  • 垢すりと泡マッサージ: 専門のテッラック(スタッフ)がやってきて、「ケセ」という粗めのミトンで全身の垢をしっかり擦り落とします。力強い施術に驚くかもしれませんが、終わった後の肌のつるつる感は格別です。その後、豊かな泡で全身を包み込むマッサージを受け、最後に髪も洗ってもらい体験は完了します。
  • 準備と注意点:
  • 持ち物: タオルやペシテマルは通常料金に含まれており、手ぶらで訪れても問題ありません。ただし、自分の下着に着替えたい場合は替えを用意しましょう。
  • チップの習慣: サービスに満足したら、担当したスタッフに10〜15%程度のチップを渡すのが一般的です。
  • 敏感肌の方へ: 垢すりはかなり強めです。心配な場合は、事前に「ヤワシュ・ヤワシュ(優しく)」と伝えるとよいでしょう。
  • 貴重品管理: 脱衣所には鍵付きロッカーがありますが、高価なものは持ち込まない方が安心です。

アジア編:身近でユニークな癒しのスポット

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アジアには、日本とは異なる風情と魅力をもつ入浴文化が根付いています。活気あふれる都市の中で、心身をリセットできる癒しのスポットを訪れてみましょう。

韓国・ソウル「チムジルバン」-24時間利用可能な韓国式スーパー銭湯

美容大国として知られる韓国を代表する癒しの場といえば、「チムジルバン」です。これは日本のスーパー銭湯や健康ランドの良さを融合し、さらに発展させた複合型リラクゼーション施設といえます。浴場やサウナはもちろん、食堂、仮眠室、PCコーナー、マッサージチェアなどが充実。24時間営業の施設も多く、早朝便や深夜便の利用時に休憩するのにも便利です。

施設の特徴

チムジルバンの魅力は、高いエンターテインメント性と気軽さにあります。受付で館内着、タオル、ロッカーキーを受け取ったら、そのあとは自由に過ごせます。さまざまな温度帯のサウナや汗蒸幕(ハンジュンマク)を巡ったり、男女共用の広々としたホールでくつろいだり、友人や家族とおしゃべりしながら過ごすのが韓国流です。

実際に楽しむためのポイント:チムジルバンの満喫法

  • 利用の流れをステップで紹介:
  • 受付:まずはフロントで料金を支払い、基本料金で入浴とチムジルバン内の利用が可能です。アカスリやマッサージは別料金となります。
  • ロッカー:受付時に渡された鍵番号と同じ靴箱に靴を入れ、その鍵を再度フロントに渡すと、同じ番号のリストバンド型ロッカーキーと館内着、タオルが手渡されます。
  • 浴場:男女別の脱衣所で服を脱ぎ、まず浴場で汗を流します。日本の銭湯と同様に、湯船に入る前に体を洗います。ここでアカスリをオーダーすることも可能です。
  • 共用スペースへ:体を拭き館内着に着替えたら、男女共用のチムジルバンエリアへ。多彩なテーマのサウナや岩盤浴が楽しめます。
  • 精算:館内での飲食やマッサージ料金はすべてロッカーキーで管理され、退館時にまとめて清算します。とても便利ですが、使いすぎには注意しましょう。
  • チムジルバンの名物:
  • ヤンモリ(羊巻き):タオルを羊の頭のように巻くスタイルで、挑戦してみる価値あり。記念撮影にもぴったりです。
  • シッケと燻製卵:汗をかいた後に飲む甘く冷たい米ジュース「シッケ」は絶品です。付け合わせの石焼き「燻製卵」は、友達の頭でコンッと割るのが定番(優しくお願いします)。
  • マナーとルール
  • 浴場内は全裸での利用が基本ですが、共用スペースでは必ず館内着を着用しましょう。
  • タオルは日本の大判サイズと異なり、フェイスタオルほどの小さめが主流なので、体を拭く際は慣れる必要があります。
  • 貴重品は必ずロッカーに保管し、鍵は常に身につけておきましょう。

台湾・台北近郊「北投温泉」-日本統治時代から続く温泉地

美食と活気に満ちた台北からMRT(地下鉄)で約30分、都会の喧騒から一転、緑あふれる温泉地「北投(ベイトウ)温泉」が広がります。日本統治時代に整備されたこの場所は、日本の温泉街を思わせるどこか懐かしい雰囲気を持っています。

施設の特徴

北投温泉は世界的にも珍しい「青硫黄泉」と、一般的な「白硫黄泉」が楽しめるのが特徴です。湯けむりたなびく「地熱谷」は温泉地の象徴的スポット。北投の魅力は多様な楽しみ方ができること。地元の人々とともに入る公衆浴場から、プライベートな個室風呂付きホテルまで、予算や気分に合わせて選べます。

実際に楽しむためのポイント:北投温泉の楽しみ方

  • 選択肢1:公衆浴場「ミレニアム・ホットスプリング」
  • 北投公園内にある「北投公園露天温泉浴池(ミレニアム・ホットスプリング)」は、手軽に北投温泉を体験できる場所です。料金も手頃で利用しやすいです。
  • ルール:ここは水着着用の男女混浴で、体全体を覆う水着着用が必須です。6つの湯船が段々畑のように並び、温度が異なります。入浴は時間制で、区切られた時間帯ごとに男女の入れ替えがあります。
  • 準備:水着とタオルは必ず持参しましょう。忘れた場合は入口付近の売店で購入も可能です。
  • 選択肢2:個室風呂(湯屋)
  • カップルや家族で周囲を気にせずゆったり温泉を楽しみたい場合は、ホテルや旅館が提供する「湯屋(タンウー)」という個室風呂がおすすめです。
  • 利用方法:多くの施設で90分から120分単位で貸し出しており、フロントで料金を支払い鍵を受け取るだけ。部屋にはベッドやソファ、トイレ付きの場合もあり、プライベート空間でリラックスできます。
  • 予約:人気のホテルや週末は混み合うため、事前予約を電話などで行うと安心です。

周辺観光

温泉だけでなく、周辺の散策も魅力のひとつです。「北投温泉博物館」や、世界で最も美しい図書館の一つと称される「台北市立図書館北投分館」など、見所が多彩。温泉と観光を組み合わせて、ゆったり1日を過ごすのがおすすめです。

北米編:多文化が融合したリラックス空間

北米大陸は広大な国土と多彩な文化を誇り、その中には個性的なスパ文化も根付いています。とりわけカナダでは、雄大な自然を活かしたスパが多くの人に支持されています。私がワーキングホリデーで訪れたカナダのスパは、人生観を少し変えるほど印象的な体験となりました。

カナダ・ケベック州「スカンジナビア・スパ」—大自然に包まれる北欧式スパ体験

ワーホリ滞在中、友人たちとモントリオール郊外へドライブし訪れたのが「スカンジナビア・スパ」です。森と湖に囲まれた広大な敷地に、サウナや温水プール、冷水のプランジプール、暖炉のあるリラクゼーションルームが点々と配置されています。ウィスラーやブルーマウンテンなど、カナダの各地に展開する人気スポットのひとつです。

施設の特徴

こちらのスパは、北欧伝統の「温冷交代浴」をコンセプトにしています。体を温めては冷やし、またリラックスするという一連の流れを繰り返すことで、血行促進と心身のリフレッシュを図るものです。サウナでたっぷり汗をかいた後、勇気を出して天然の川や滝つぼへ飛び込む瞬間、全身の感覚が研ぎ澄まされ、自然と一体になれる深いリラックスに誘われます。

実際に体験できること:スカンジナビア・スパの楽しみ方

  • 温冷交代浴の手順:
  • 1. 温める(10~15分): フィンランド式サウナ、ユーカリの香るスチームバス、または屋外の温水ジャグジーでじんわり体を温めます。
  • 2. 冷やす(数秒~15秒): 冷水シャワーを浴びたり、勇気を振り絞って冷水プールや川に全身を浸したりします。最初は厳しい冷たさに驚きますが、やがて爽快感が広がります。
  • 3. 休憩(20分以上): 暖炉のあるソラリウムや、揺れるハンモックがあるゼログラビティパビリオン、もしくはテラスでゆっくり体を休めます。この休憩時間こそが最も大切で、体が脱力し瞑想に似た深いリラクゼーションを得られます。
  • このサイクルを自分のペースで3~4回繰り返すのが基本です。

基本ルール「静寂」: このスパのもっとも特徴的なルールは「Silence is golden(沈黙は金なり)」というもの。館内のほとんどの場所で会話が禁止され、全てのゲストが心からリラックスし内面と向き合えるよう配慮されています。会話が可能なカフェエリアもありますが、基本的には静寂の中で過ごす場です。最初は友人と話せないことに戸惑いもありましたが、言葉を交わさずとも同じ場の空気を感じ合う心地良さを体感できました。デジタルデトックスのため、スマートフォンやカメラの持ち込みも固く禁じられています。

  • 予約と持ち物:
  • 非常に人気のため、とくに週末は事前予約が必須です。公式サイトから簡単に予約可能です。
  • 持参したいもの: 水着、ビーチサンダル、バスローブ(レンタルも可能ですが持参すると費用を節約できます)。館内にはウォーターサーバーがあるため、空の水筒を持っていくと便利です。

アメリカ・ニューヨーク「AIRE Ancient Baths」—都会の喧騒から離れる幻想的な隠れ家

世界の中心ともいわれるニューヨーク。その活気あるトライベッカ地区にある元工場の地下に、まるで異世界のような特別な空間が広がっています。それが「AIRE Ancient Baths」。シカゴ、ロンドン、バルセロナなど世界各地に展開するこのスパは、古代ローマやギリシャ、オスマン帝国の浴場文化にインスパイアされた、大人のための贅沢な隠れ家です。

施設の紹介

地下へと続く階段を降りると、無数のキャンドルの柔らかな灯りが揺れ、幻想的かつ静寂に満ちた空間が広がります。むき出しのレンガの壁やアーチ型天井が歴史の重みを感じさせ、異なる温度の多彩なプールが点在しています。これらを自分のペースで自由に巡って楽しむのが基本スタイルです。

実際に体験できること:AIREで味わう非日常のひととき

  • 楽しめるプール:
  • Caldarium(カラダリウム): 40℃の温浴。
  • Tepidarium(テピダリウム): 36℃のぬるめの温浴。
  • Frigidarium(フリジダリウム): 14℃と10℃の2種類の冷水浴。
  • Balneum(バルネウム): ジェットバスで千もの噴流が筋肉をほぐします。
  • Flotarium(フロタリウム): 死海のように体が浮かぶ塩水風呂で不思議な浮遊感を味わえます。
  • Vaporium(ヴェイパリウム): アロマが香るスチームルーム。
  • 予約とプラン内容:
  • AIRE Ancient Baths公式サイトから完全予約制です。入浴のみの「The Ancient Thermal Bath experience」のほか、各種マッサージや、赤ワインに浸かる「The Wine Bath Experience」など個性的なリチュアル付きプランも用意されています。
  • 入場時間や利用人数が厳密に管理されているため、混雑に悩まされることなく静かでプライベートな時間を満喫できます。
  • 雰囲気とマナー:
  • ここはまさに「聖域」とも言える場所です。大声での会話は控え、静かにささやき合うのがルール。スマートフォンの持ち込みも禁止されており、都会の喧騒や時間、日常の雑事から完全に解放され、水と光、静寂に包まれる贅沢なひとときを過ごせます。
  • カップルの記念日や、自分へのご褒美として訪れるのにぴったりの特別なスパ体験です。

海外で日本の銭湯・温泉を探すには?

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海外の個性的なスパも魅力的ですが、それでもやはり日本で味わう「あぁ~」と心の底から漏れるようなあの温かいお風呂が恋しくなる瞬間があります。実は、世界各地で日本の銭湯や温泉文化に着想を得た施設を見つけることが可能です。

日本式銭湯(Sento)や温泉(Onsen)の見つけ方

海外で日本式の温浴施設を探す際には、少しコツが必要です。以下のキーワードを試してみると良いでしょう。

  • 検索用キーワードのヒント:
  • Googleマップや検索エンジンで「Japanese public bath [都市名]」、「Onsen Spa [都市名]」、「Sento [都市名]」といった言葉を入力してみてください。意外な場所でヒットすることがあります。
  • 「Japanese Wellness Center」や「Super銭湯 [国名]」といったワードも効果的な場合があります。
  • 情報収集の方法:
  • 現地の日本人コミュニティ:各地にある日本人向けのフリーペーパーやウェブサイト、SNSグループは貴重な情報源です。地元に住む方々の口コミや体験談が得られることが多いです。
  • 日系ホテル:例えばデュッセルドルフの「ホテル日航」のように、日系ホテルには宿泊者以外も利用可能な大浴場やスパが付帯しているケースがあります。

実はこんな国にも存在!意外な日本式温浴スポット

近年、日本のスーパー銭湯スタイルはアジアを中心に人気が高まっています。例えば、ベトナム・ダナンの「大和の湯」は露天風呂やサウナ、食事処まで揃った本格的な施設で、地元の人々はもちろん、在住日本人や観光客で賑わいを見せています。タイ・バンコクにも「湯の森温泉」など、日本に引けを取らない品質の施設が複数あります。

ヨーロッパでは、日本文化への関心が強いフランスやドイツなどで、小規模ながら「Onsen」を冠する場所が点在しています。これらは日本の温泉を完全に再現したものというより、日本の「禅」や「和」のエッセンスを取り入れたリラクゼーションスパであることが多いものの、畳の休憩スペースがあったり、日本庭園を望めたりと、心落ち着く空間に出会える場合があります。好奇心を持って探してみると、旅先で思いがけない癒しスポットに出会えるかもしれません。

海外スパ・銭湯を120%楽しむための最終チェックリスト

最後に、海外で最高の入浴体験を楽しむために、国や文化の違いに関わらず共通して押さえておきたいポイントをまとめました。これを読めば、準備は完璧です。

ぜひ持って行きたい!基本の持ち物リスト

  • 水着: ヨーロッパや北米のスパではほぼ必携です。忘れると入場できない場合があります。
  • ビーチサンダル: 衛生面と安全面の両方から強くおすすめします。濡れた床は滑りやすいので注意が必要です。
  • タオル: レンタルは有料(しかも高額)となることが多いため、持参したほうが経済的です。速乾性のあるトラベルタオルが便利ですよ。
  • 防水ケースやポーチ: ロッカーに預けられない小銭や、プールサイドで使いたいスマートフォンの保管に役立ちます。
  • ペットボトルの水: サウナや長湯で汗を大量にかくことがあるため、脱水を防ぐためにこまめな水分補給を心がけましょう。
  • 基礎化粧品・ヘアケア用品: 高級スパでもシャンプーやコンディショナーが備え付けられていなかったり、自分の肌に合わない場合があります。普段使い慣れているものを持参すると安心です。

郷に入っては郷に従え!知っておくべき世界の入浴マナー

  • 服装ルール(水着必須か全裸か): これが最も重要なポイントです。施設の公式サイトで「Swimsuit mandatory(水着必須)」、「Nude area(裸エリア)」、「Textile-free(布無し=裸)」などの表記を必ず確認してください。
  • 男女の区分: 「Mixed / Co-ed(男女混浴)」なのか、「Separate for men and women(男女別)」なのかを事前に把握しましょう。曜日によって変わる施設も多いため注意が必要です。
  • 静かに過ごす: 多くのスパ、特にリラクゼーション重視の施設では静寂が求められます。携帯電話の音は切り、会話は控えめにしましょう。
  • 入浴前のシャワー: 湯船やプールに入る前に、体の汚れをシャワーで流すことは世界共通のマナーです。
  • 写真撮影の禁止について: 脱衣所や浴場内での写真・動画撮影は、プライバシー保護の観点からほとんどの施設で厳しく禁止されています。思い出は心の中に大切にしましょう。

いざというときのトラブル対処法

  • ロッカーの鍵を紛失したら?: 慌てず、すぐにスタッフに連絡しましょう。ほとんどの場合はスペアキーで開けてくれますが、紛失料が発生することもあります。
  • 気分が悪くなった場合: のぼせやめまいなどの症状が出たら無理をせず、すぐに湯船からあがり涼しい場所で休みましょう。水分補給を忘れず、必要に応じてスタッフに助けを求めてください。
  • 予約時間に遅れそうなとき: 分かった時点で速やかに施設へ連絡を入れましょう。事情を説明すれば時間調整が可能な場合もあります。ただ無断で遅れるとキャンセル扱いとなり、返金されないことがあるため注意が必要です。
  • 返金・キャンセルポリシーの確認: 特に事前予約制のスパではキャンセル規定が厳しいことが多いです。予約時に何日前までキャンセル料が発生しないかを必ず確認し、無用なトラブルを避けましょう。
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この記事を書いたトラベルライター

カナダでのワーホリ経験をベースに、海外就職やビザ取得のリアルを発信しています。成功も失敗もぜんぶ話します!不安な方に寄り添うのがモットー。

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