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日本帰国時の空港税関をスムーズに!免税範囲・申告・禁止品

楽しい海外旅行もいよいよ終盤。思い出とお土産をスーツケースに詰め込んで、日本の空港に到着した瞬間、ほっと一息つきますよね。しかし、その先には最後の関門、「税関検査」が待っています。慣れない手続きに、「何か申告するものはあったかな?」「このお土産は持ち込んでも大丈夫?」と、急に不安になってしまった経験はありませんか?

ご安心ください。税関は、ルールを正しく理解していれば、決して怖い場所ではありません。むしろ、ちょっとした知識があるだけで、驚くほどスムーズに、そしてスマートに通過することができるのです。この記事では、世界30か国を旅した私が、海外旅行から帰国するすべての方向けに、日本の空港の税関をストレスなく通過するための完全ガイドをお届けします。免税範囲の詳しい解説から、便利な電子申告「Visit Japan Web」の使い方、そして万が一のトラブル対処法まで、これさえ読めば税関のすべてがわかります。さあ、旅の締めくくりを最高の笑顔で飾るための準備を始めましょう。

次の旅の計画を考えるなら、冬の絶景を求めて蔵王温泉スキー場を訪れる大人の贅沢な旅もおすすめです。

目次

税関ってそもそも何?基本のキを理解しよう

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まずはじめに、空港で必ず通過する「税関」が果たす役割について、基本をもう一度確認してみましょう。この基本を押さえるだけで、手続きに対する心構えが大きく変わってきます。

税関が担う3つの重要な役割

税関検査と聞くと、「ただ税金を徴収される場所」と考える方がいるかもしれませんが、その役割はもっと多岐にわたります。主に次の3つの目的で税関は運営されています。

日本の安全と安心を守る

これが税関の最も重要な役割です。麻薬や銃器、爆発物といった危険な物が国内に持ち込まれるのを防ぎ、テロや犯罪の未然防止に努めています。また、偽ブランド品などの知的財産権を侵害する物品の流入を防ぐことで、私たちの消費活動の安全も確保しています。

国内の産業と経済を守る

海外から安価な製品が無制限に流入すると、国内の生産者が打撃を受ける可能性があります。そのため、特定の輸入品に関税を課し、国内産業を保護し、健全な経済の維持を図っています。さらに、家畜の疾病や農作物に害を与える害虫が海外から侵入するのを防ぐ「動物検疫」や「植物防疫」も税関と連携して行う重要な水際対策の一環です。

国の財源を確保する

輸入品に課される「関税」や、お酒・たばこにかかる「内国消費税」は、国の重要な収入源となっています。税関はこれらの税金を適切に徴収し、国の財政を支える役割も果たしています。私たちが納める税金は、公共サービスの充実に役立てられているのです。

このように、税関は私たちの安全で豊かな生活を支えるために欠かせない施設なのです。

税関検査の対象は?

「私は日本人だから関係ない」「観光で来た外国人だけが対象」と思っている方はいませんか?それは誤解です。税関検査は、国籍や年齢、渡航目的に関係なく、日本に入国するすべての人が対象となります。

日本人であっても、海外から帰国する際は必ず税関検査を受けなければなりません。短期の出張や家族旅行、ひとり旅でバックパック一つの場合でも例外はなく、誰もが対象です。そのため「自分は大丈夫」と油断せず、全員が必要な手続きだと理解しておくことが重要です。

「申告あり(赤)」と「申告なし(緑)」—重要な分かれ道

税関検査場では、大きく分けて2つの窓口やゲートがあるのに気づくでしょう。ひとつは「申告する物がある方(DUTIABLE)」と表示された赤い窓口、もうひとつは「申告する物がない方(NOTHING TO DECLARE)」と示された緑の窓口です。

ここで、自分がどちらに進むべきか正確に判断する必要があります。この選択を誤ると後々煩わしい事態になる恐れがあります。では、どの基準で選べば良いのでしょうか。

  • 赤い窓口(申告あり)に進むべき人
  • 免税範囲を超えるお酒、たばこ、香水、その他の品物を持ち込む人
  • 海外の市価で合計20万円を超える品物を持ち込む人
  • 100万円相当額以上の現金や有価証券を持ち込む人
  • 輸入禁止または規制されている品物を持ち込む可能性がある人
  • 他人から預かった物や商業目的の品を持つ人
  • 後から郵送などで届く別送品がある人
  • 持ち込み品の申告要否について判断がつかず迷っている人
  • 緑の窓口(申告なし)に進むべき人
  • 持ち込む全ての品物が明らかに免税範囲内であると確信している人
  • 輸入禁止・規制品を一切所持していない人

重要なのは、「少しでも不安や迷いがあったら、躊躇せず赤い窓口に進むこと」です。正直に申告しようとする態度は、税関職員に良い印象を与えます。逆に緑の窓口に進んでから申告漏れが明らかになると、隠蔽の意図があるとみなされ、厳しい対応を受けるリスクがあります。自信がない場合は必ず赤い窓口で相談してください。

最重要!免税範囲を完全マスターしよう

税関を理解するうえで最も重要なポイントは「免税範囲」です。これは、「この範囲内であれば関税や消費税が課されずに持ち込める」という非課税の限界を指します。このルールを正しく理解しているかどうかが、税関をスムーズに通過するためのカギとなります。ここでは、具体的な品目ごとにそれぞれの免税範囲を詳しく解説します。

これが基本!品目別・免税範囲の一覧

旅行者が個人的に使用する目的で認められた品物について、以下の範囲内で免税となります。商業目的の品物は対象外なのでご注意ください。

酒類

お酒好きには嬉しいお土産ですが、持ち込みできる数量には制限があります。

  • 範囲:1人あたり合計3本まで
  • 容量のポイント:1本あたり約760ml程度のものが基準です。例えば、ミニチュアボトルのウイスキーを10本持ち帰った場合、合計容量が3本分(約2,280ml)未満であっても、本数が10本と多いため免税範囲を超えてしまいます。逆に、1.5リットルの大きなワインボトルは1本ではなく2本とカウントされるなど、容量ではなく「容器の数」で判定するのが原則です。ワインやウイスキー、ビールといった種類は問いません。

たばこ

たばこの免税範囲は種類によって細かく設定されており、また日本の「居住者」と「非居住者」でもその範囲が異なるため、注意が必要です。

  • 紙巻たばこのみの場合
  • 居住者:200本(1カートン)まで
  • 非居住者:400本(2カートン)まで
  • 加熱式たばこのみの場合
  • 居住者:個装箱10個まで(例:アイコス、グローなどのカートリッジ)
  • 非居住者:個装箱20個まで
  • 葉巻のみの場合
  • 居住者:50本まで
  • 非居住者:100本まで
  • その他たばこ(刻みたばこ、かぎたばこ等)
  • 居住者:250gまで
  • 非居住者:500gまで

複数種類のたばこを持ち帰る場合は、換算式に基づいて計算します。例として、紙巻たばこ200本=加熱式たばこ10パック=葉巻50本=その他たばこ250g、という換算関係があります。この組み合わせで上限を超えないようにしなければなりません。やや複雑なので、複数種を購入した際は税関職員に相談するのが確実です。

香水

ここでいう「香水」はパルファムを指し、オーデコロンやオードトワレは含まれません。

  • 範囲:1人あたり2オンスまで(1オンスは約28mlなので、合計約56mlまで)
  • 注意点:オーデコロンやオードトワレは香水として扱われず、「その他の品目」の20万円の枠内に含まれます。香水のボトル表示を必ず確認してください。

その他の品目

酒類・たばこ・香水以外のすべての品目がここに該当します。バッグや時計、衣類、化粧品、お菓子、電化製品など、多くのお土産品はこちらに含まれます。

  • 範囲:1品目ごとの海外購入価格(海外市価)の合計が20万円まで
  • 計算のポイント
  • 「海外市価」とは、実際の購入時のレシート金額で、日本円に換算して計算します。
  • 合計で20万円までが免税対象です。例えば、15万円のバッグと10万円の時計を購入した場合、合計25万円となり20万円を超えていますが、5万円分だけが課税されるわけではありません。この場合、それぞれの品物が単独で課税対象になる可能性があります。ただし、納税者に有利になるよう税関職員が免税とする品物を選んでくれます。(例:15万円のバッグを免税対象にし、10万円の時計を課税対象にするなど)
  • 1点で20万円を超える品物(例:30万円のブランドバッグ)は、その品物の金額全額(30万円)が課税対象となります。超過分だけの課税ではないため、とくに注意が必要です。
  • 1個または1組の価値が1万円以下の品物は、原則として免税枠の計算に含める必要はありません。例えば、1個500円のチョコレートを30個購入しても合計15,000円となりますが、20万円の枠には基本的にカウントされません。ただし、明らかにセットで価値のあるもの(全巻セットの書籍など)はこの限りではありません。

知っておくと便利!家族や未成年者に関するルール

  • 家族旅行の場合:家族での旅行でも、免税枠は個人単位で適用され、合算はできません。例えば、夫婦2人で40万円のバッグを購入しても、1人あたり20万円を超えているため免税にはなりません。あくまでも、各自の免税範囲で判断されます。
  • 未成年者の場合:20歳未満の未成年者には酒類及びたばこの免税は適用されません。たとえ親が購入したものであっても、未成年者が所持している場合は課税対象となるため、必ず20歳以上の大人が持つようにしてください。その他の品目(20万円枠)については、未成年者も成人と同様に扱われます。

免税範囲の最新情報は、税関の公式サイトで随時確認できます。旅行前に一度目を通すことを強くおすすめします。

絶対に持ち込んではいけない!輸入禁止・規制品リスト

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免税範囲を覚えることと同等かそれ以上に重要なのが、「日本へ持ち込んではいけない物」や「持ち込む際に特別な許可や手続きが必要な物」をしっかり把握しておくことです。知らなかったでは済まされず、最悪の場合は逮捕や処罰の対象となることもあります。楽しい旅行の思い出を損なわないために、このセクションは特に注意深くご覧ください。

法律で厳しく禁止されているもの(輸入禁制品)

これらはどんな理由でも日本国内への持ち込みが絶対に許されない品目です。所持しているだけで厳しい法的処置が科せられます。

  • 麻薬、向精神薬、大麻、あへん、覚醒剤、あへん吸煙具など:説明は不要ですが、これらは麻薬及び向精神薬取締法などにより厳重に規制されています。海外で合法な地域があっても、日本の法律が適用されるため絶対に関わってはいけません。
  • 拳銃、小銃、機関銃、砲、これらに関連する弾薬や拳銃部品:武器の密輸は社会の安全を脅かす重大犯罪です。
  • 爆発物、火薬類、化学兵器の原材料など:テロ行為につながる危険物も当然禁止されています。
  • 偽造貨幣、偽造紙幣、銀行券、有価証券、偽造クレジットカードなど:通貨偽造は経済を混乱させる犯罪行為です。
  • わいせつな雑誌、DVD、児童ポルノなど:公序良俗に反する品物の持ち込みは禁止されています。
  • 偽ブランド品や海賊版など知的財産権を侵害する商品: 「自分用」「お土産だから」といった言い訳は通用しません。有名ブランドのコピー製品を軽率に買い、持ち込むことは法律で禁止されており、税関で没収されるだけでなく、悪質な場合は刑事罰の対象となることもあります。

許可や検査が必要なもの(輸入規制品)

これらは日本への持ち込みが禁止されているわけではありませんが、関係官庁の許可や証明書、あるいは空港での検査などを受ける必要がある品物です。知らずに購入してしまうことも多いので、特に注意してください。

ワシントン条約(CITES)に関わる動植物

絶滅の危機に瀕する野生動植物を保護するための国際条約です。この条約で保護されている動植物やそれらを原料とした製品の多くは、輸入に際し経済産業大臣の承認や輸入許可証が必要となります。

  • 具体例:ワニ革・ヘビ革・トカゲ革を使った製品(バッグ、ベルト、靴など)、象牙製品、トラの毛皮、一部のサボテンやラン、漢方薬の一部など。
  • 注意点:現地の市場などで「本物だよ」と言われても、軽率に購入するのは非常に危険です。正規手続きを経ていない製品は税関で没収対象となります。高価な革製品を買う際には必ず、条約の規制対象かどうか、ならびに正規の輸出許可証の有無を確認しましょう。

食品、植物、肉製品(動物検疫・植物防疫)

海外のお土産の中で特に注意が必要なのがこのカテゴリです。日本の農畜産業を守り、国内にいない病害虫の侵入防止のため、厳格に検査されています。

  • 動物検疫対象品目
  • 肉製品:生肉や冷凍肉はもちろん、ハム、ソーセージ、ベーコン、サラミ、ビーフジャーキーなど加工品の多くも対象です。多くのアジア諸国で発生しているアフリカ豚熱(ASF)等の家畜疾病が侵入するのを防ぐため、検査証明書なしの肉製品の持ち込みは禁止されています。真空パックの土産品であっても例外ではありません。
  • 卵、骨、乳製品(一部):生卵はもちろん、その殻も対象です。チーズなどの乳製品は国や種類によって持ち込み可否が異なります。
  • 動物検疫所の公式サイトには、持ち込み禁止・制限品の詳細リストがあります。肉製品を土産に考えている方は出発前に必ず確認してください。
  • 植物防疫対象品目
  • 果物・野菜:マンゴー、リュウガン、パパイヤ、リンゴなど、多くの生の果物や野菜は検査証明書がなければ持ち込めません。特に土の付いたままの野菜や苗木は病害虫の可能性が高く、厳しく制限されています。
  • 種子、苗木、切り花、穀物、豆類など:これらも防疫対象です。ドライフラワーや加工された穀物(麦わら帽子等)も対象になる場合があります。
  • 「少量だから大丈夫」と考えるのは危険です。たった一つの果物から病害虫が広がり、日本の農業に甚大な被害を及ぼす恐れがあります。疑問があれば植物防疫カウンターで相談してください。

医薬品・化粧品・医療機器

個人が使用する目的であれば、一定の量までは持ち込みが認められていますが、それを超える場合は厚生労働省の許可が必要です。

  • 医薬品・医薬部外品:用法・用量に基づき2ヶ月分以内。
  • 処方薬:用法・用量に基づき1ヶ月分以内。持病で常用している薬を持ち込む場合は、処方箋のコピーや医師からの英文診断書(薬剤証明書)を用意しておくと説明がスムーズです。
  • 化粧品:標準サイズで1種類につき24個以内。
  • 医療機器:家庭用医療機器(たとえば電気マッサージ器など)は1セットまで。

他人へのお土産や販売目的で大量に持ち込むことは、薬機法違反となる可能性があるため絶対に避けてください。

スムーズな手続きのための実践ガイド

税関のルールを把握したところで、いよいよ実践編に入ります。ここでは、帰国便の機内から税関通過までの一連の流れをステップごとに確認し、スムーズに手続きを進めるための具体的な行動プランをお伝えします。

ステップ1:機内で準備しよう!「携帯品・別送品申告書」の記入方法

帰国便が日本に近づくと、客室乗務員から「携帯品・別送品申告書」が配布されます。この申告書を事前に、正確に記入することが、税関をスムーズに通過するための第一歩です。

申告書はどこでもらえる?

通常、申告書は機内で配布されますが、もし受け取り忘れたり記入ミスをしてしまった場合でも問題ありません。空港到着後、税関検査場の手前に申告書が置いてあるカウンターがありますので、そこで入手・記入が可能です。ただし、その場で書くと時間がかかり、混雑の原因になるので、できるだけ機内で済ませておくことをおすすめします。

各項目の記入例と注意点

申告書は表裏の2ページで構成されています。家族で一緒に旅行している場合は、代表者1名が1枚記入すれば問題ありません。

  • 表面(A面)
  • 搭乗便名・出発地: 航空券や搭乗券に記載されている便名(例:JL001)と出発地(例:パリ)を記入します。
  • 入国日: 日本へ到着する日付を記入してください。
  • 氏名・住所(日本国内)・職業・生年月日・旅券番号: パスポートを参考に正確に記入しましょう。
  • 同伴家族: 配偶者や子供など、同居する家族の人数を記入します。友人や恋人は含みません。
  • 質問事項: ここが最も重要な部分です。YESかNOでチェックを入れます。
  1. 輸入が禁止または規制されている品物があるか。該当する場合は「はい」にチェックし、裏面に詳細を記入します。
  2. 金(地金や金製品)を持ち込む場合はチェックしてください。免税対象外で課税されます。
  3. 免税範囲を超える品物(酒、たばこ、香水、または20万円超の品など)がある場合は「はい」にチェック。
  4. 商業用の貨物や見本品がある場合は「はい」。
  5. 他人から預かった品物がある場合は必ず「はい」にチェックし、正確に申告してください。

署名: 最後に自筆で署名を忘れずに行いましょう。

  • 裏面(B面)
  • 表面で「はい」にチェックを入れた項目や別送品がある場合に記入します。
  • 購入品の詳細: 品名、数量、価格を記入します。価格は購入国の通貨と日本円両方を記載する欄があります。レシートを見て正確に記入しましょう。高額商品については正直に記載することが重要です。虚偽の申告は税関職員にすぐ見破られます。
  • 別送品: 海外から自宅などへ送った荷物がある場合、その品名や数量を記入します。別送品の手続きについては後の章で詳細に説明します。

ステップ2:最新の方法!電子申告ゲート「Visit Japan Web」を使いこなそう

「書類を書くのが面倒…」と思う方や、より迅速に手続きを終えたい方には、デジタル庁が提供する「Visit Japan Web」というサービスが便利です。スマートフォンで税関申告が完結できるため、とてもスマートに手続きを行えます。

Visit Japan Webとは?

Visit Japan Webは、入国審査や税関申告、さらに一部空港では検疫手続きを、渡航前にオンラインで済ませられるウェブサービスです。必要事項を登録すると税関申告用のQRコードが発行され、空港に設置された電子申告端末でかざすだけでスムーズに手続きが完了します。

利用の流れ

利用は簡単です。

  1. Visit Japan Web公式サイトにアクセスし、メールアドレスとパスワードでアカウントを作成します。
  2. 氏名、国籍、生年月日、パスポート番号などの基本情報を登録。スマホのカメラでパスポートを読み取って簡単に入力できます。
  3. 旅行名(例:2024年ハワイ旅行)、日本到着予定日、搭乗便名など入国・帰国の予定を登録します。
  4. 税関申告内容を入力。紙の申告書と同じ質問に答え、免税範囲を超えるものがあれば詳細も入力します。
  5. 入力完了後、税関申告用のQRコードが発行されます。スクリーンショットを撮るか、オフラインでも表示できる状態にしておくと、空港でインターネットが使えない場合でも安心です。

電子申告ゲートのメリット

  • 時間の節約: 紙の申告書を提出するカウンターは混雑しがちですが、電子申告ゲートは比較的空いており、待ち時間を大幅に減らせます。
  • 非接触・ペーパーレス: 紙の書類を手渡す必要がなく、衛生的です。また書類管理の手間も省けます。
  • 事前準備が可能: 飛行機に乗る前や旅行中の空き時間に申告情報を登録でき、帰国直前の慌ただしい時間帯に書類を書く必要がなくなります。

成田、羽田、関西、中部、福岡、新千歳、那覇の主要国際空港で利用可能です。次回の帰国時にはぜひ活用してみてください。

ステップ3:税関検査場へ!当日の流れと心構え

飛行機が到着し、入国審査を終え、預けた荷物を受け取ったら、いよいよ税関検査場の最終関門に進みます。

検査エリアでの行動: どのカウンターに進むか確認しましょう。Visit Japan Webで電子申告を済ませた方は電子申告ゲートへ。紙の申告書を持っている場合は「申告あり(赤)」または「申告なし(緑)」のレーンに進みます。少しでも迷いや不安がある場合は、必ず「申告あり(赤)」のレーンを利用してください。

  • 税関職員とのやり取り: カウンターでパスポートと申告書またはQRコードを提示します。一般的に以下のような質問がされます。
  • 「旅行でしょうか?お仕事ですか?」
  • 「どの国へ滞在していましたか?」
  • 「滞在期間はどれくらいでしたか?」
  • 「何か購入されたものはありますか?」
  • 「免税範囲を超えるものや申告すべきものはありますか?」

ここで重要なのは、正直かつ明確に答えることです。あいまいな返答や目をそらす態度は疑われやすくなります。購入品について聞かれたら、「〇〇でバッグを買いました」など正直に答えましょう。誠実な態度は信頼につながります。

場合によっては「スーツケースを拝見させてください」と手荷物の中身を確認されることもあります。これは無作為に行われる場合や疑いがある場合です。求められたら快く応じましょう。整理整頓がされていなくても焦らず、協力的な姿勢が手続きを早く終わらせるコツです。

もしもの時のために!トラブルシューティング

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ルールを理解していても、つい免税範囲を超えてしまったり、規制品と知らずに購入してしまうことがあるかもしれません。そんな「もしも」の際に慌てないために、対処方法を事前に把握しておきましょう。

ケース1:免税範囲を超えた場合の税金計算と支払い方法

正直に申告した結果、免税範囲を上回っていると判明した場合は、超過分に対して税金(関税や消費税など)を納める必要があります。

  • 税金の計算方法: 計算は複雑ですが、旅行者が持ち込む携帯品については比較的簡易な税率が用いられることが多いです。例えば、
  • その他の品物(バッグ、時計、衣類など): 基本的には、海外の市価(購入価格)の60%を課税価格とし、その金額に対して関税(品目により異なる)と消費税(10%)などが課されます。実質的には購入価格の約15%程度が目安とされることが多いですが、品目ごとに税率が異なるため、あくまで参考値です。
  • 酒類(ウイスキー等): 1リットルあたり数百円の従量税がかかります。
  • たばこ: 1本あたり十数円の税金が課されます。

正確な税額は税関職員が算出するため、自分で複雑な計算をする必要はありません。

支払い方法: 計算された税額は、税関検査場内に設置された銀行窓口や納付カウンターで支払います。支払いは基本的に現金で行われます。一部の空港ではクレジットカードも利用可能ですが、対応していない空港も多いため、念のため日本円の現金を一定額用意しておくことをおすすめします。税金を納めると領収書が発行され、手続きは完了です。

ケース2:申告漏れを指摘された場合の対応

最も避けたいのはこのケースです。緑のカウンターを通過後や、正直に申告しなかった品物が手荷物検査などで見つかった場合が該当します。

この場合、本来納めるべき税金に加え、「過少申告加算税」(税額の10%または15%)というペナルティが課せられることがあります。さらに、意図的に隠していたと判断された悪質なケースでは、「重加算税」(追加税額の35%または40%)といったより厳しい罰則が科されることもあります。また、品物が没収される可能性もあります。

もし指摘された場合は、決して嘘をついたりごまかしたりせず、素直に非を認めて職員の指示に従うことが重要です。誠実な対応が最悪の事態を防ぐ唯一の手段となります。

ケース3:規制品を誤って購入してしまった場合の対処法

お土産のビーフジャーキーや果物など、規制品と知らずに購入してしまった場合はどうすればよいでしょうか。

まず最も大切なことは、正直に税関職員に申告することです。「携帯品・別送品申告書」の質問事項「1」で「はい」にチェックを入れ、品物の詳細を記入します。そして税関カウンター(あるいは動物検疫・植物防疫カウンター)で職員に実物を提示し、相談しましょう。

その後の対応は品物によって異なります。

  • 動植物検疫対象品: 多くの場合、その場で「任意放棄」を求められます。つまり、その品物を自ら放棄し、国に処分してもらうことになります。残念ながら、国内への持ち込みは認められません。放棄に同意すれば、特に罰則は科されません。どうしても持ち込みたい場合は非常に複雑で時間のかかる検査手続きを経る必要があり、現実的ではありません。
  • ワシントン条約関連品など: 輸入許可証がない場合は、同様に基本的に任意放棄となります。

隠して持ち込もうとし、発覚した場合は罰金や懲役など厳しい罰則の対象となります。軽い気持ちで購入したお土産が大きなトラブルに発展するケースもあるため、少しでも怪しいと思ったらまずは必ず申告・相談することが最も重要です。

旅慣れた人ほど気をつけたい!上級者向けの注意点

最後に、基本的なルールに加え、特に海外旅行に慣れている方や特殊な荷物を持つ方が見落としやすいポイントをいくつかご紹介します。

「別送品」の申告を忘れずに

海外で購入した品物がスーツケースに収まらず、国際郵便や宅配便を利用して日本の自宅に送ることがあります。これを「別送品」と呼びます。この別送品も、手荷物として持ち帰る携帯品と同様に、免税範囲の計算対象となり、税関への申告が必要です。

  • 手続き: 帰国(入国)時、税関にて「携帯品・別送品申告書」を2通提出します。1通は通常の手続き用で、もう1通には税関のスタンプが押されて返却されます。この返却された申告書のコピーは、後日別送品が日本に到着し通関手続きが行われる際に必要となります。この手続きを怠ると、別送品の免税が認められず、全て課税対象となるため、必ず忘れないようにしてください。
  • 注意点: 荷物を発送する際は、外装(段ボール等)に「別送品(Unaccompanied Baggage)」と大きく明記しておくことも重要です。

商業目的・代理購入品は免税対象外

免税制度はあくまでも旅行者が「個人的に使用するもの」を対象としています。したがって、以下のような場合は免税対象外となります。

  • 商業目的の品物: 日本国内で販売目的や業務で使用するために購入した物品は、たとえ20万円以下であっても課税対象となります。
  • 代理購入品(依頼品): 友人や知人からの依頼で購入した品物も、厳密には「個人使用」とみなされず、免税の対象外になることがあります。特に高額品を複数個購入すると、商業目的と疑われるケースが増えます。

現金などの持ち込み・持ち出しの制限

あまり知られていませんが、現金の持ち運びにもルールが設けられています。これはテロ資金や犯罪収益の国際的な移動を防止するための措置です。

  • 対象となるもの: 100万円(またはそれに相当する外貨)を超える現金や小切手、約束手形、有価証券など。
  • 手続き: 上記の金額を超える現金等を輸出(持ち出し)や輸入(持ち込み)する際には、税関への申告が義務付けられており、「支払手段等の携帯輸出・輸入届出書」という書類を提出しなければなりません。

なお、これは「税金がかかる」という意味ではなく、「届け出が必要」という規則です。申告を怠ると処罰の対象となる場合があるため、多額の現金を持ち運ぶ際は十分ご注意ください。

旅の終わりを笑顔で飾るために

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海外旅行からの帰国時に待ち構える税関検査。その全体像や具体的な対策について、ここまでお読みいただければ十分にご理解いただけたのではないでしょうか。

税関は決して旅行者を困らせるために存在しているわけではありません。私たちの国の安全と豊かな社会を守るための重要な役割を担っているのです。そのルールを正しく把握し、誠実な態度で手続きを行うことこそ、不要なトラブルを防ぎ、旅の最後の瞬間まで快適に過ごすための最大のポイントです。

免税範囲をしっかりと理解し、お土産を選ぶ際の参考にしましょう。持ち込めないものを確認してリスクを避け、便利な電子申告を活用したり、申告書を正確に記入することで、手続きをスムーズに進めることが大切です。こうした一つひとつの準備が、あなたの帰国をよりスマートで安心できるものにしてくれます。

次回の海外旅行の際には、ぜひこの記事をブックマークして、出発前や帰路の飛行機の中で再度目を通してみてください。正しい知識という最強の武器があれば、税関検査は怖いものではありません。素晴らしい旅の思い出を胸に、晴れやかな笑顔で到着ゲートをくぐり抜けられることを心より願っています。

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この記事を書いたトラベルライター

旅行代理店で数千人の旅をお手伝いしてきました!今はライターとして、初めての海外に挑戦する方に向けたわかりやすい旅ガイドを発信しています。

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