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【世界初】シンガポール、2026年後半から出発便に「SAF税」を導入 – 旅行への影響と航空業界の未来

シンガポール政府は、2026年後半から同国を出発する全ての航空便の乗客を対象に、「SAF(持続可能な航空燃料)税」を導入することを発表しました。航空旅客に対するSAFに特化した税の導入は世界で初めての試みとなり、航空業界の脱炭素化に向けた大きな一歩として世界中から注目を集めています。今後の海外旅行にどのような影響があるのか、その背景と未来について詳しく解説します。

目次

なぜ今「SAF税」が導入されるのか? – 航空業界が直面する環境問題

航空業界は、世界の二酸化炭素(CO2)排出量の約2〜3%を占めると言われており、地球温暖化への対策が急務とされています。国際民間航空機関(ICAO)は2050年までのカーボンニュートラル達成を目標に掲げており、その切り札として期待されているのが「SAF(Sustainable Aviation Fuel)」です。

持続可能な航空燃料「SAF」とは

SAFは、廃食油や植物、都市ごみなどを原料として製造される代替燃料です。従来のジェット燃料と比較して、ライフサイクル全体でCO2排出量を最大約80%削減できるとされています。しかし、その製造コストは従来のジェット燃料の3〜5倍と非常に高価であり、普及に向けた大きな課題となっていました。

シンガポールは、アジアを代表する国際的な航空ハブとして、この課題に率先して取り組む姿勢を示しました。今回の「SAF税」導入は、乗客にもコストの一部を負担してもらうことで、SAFの安定的な調達と利用を促進し、持続可能な航空業界への移行を加速させることを目的としています。

旅行者への具体的な影響は? – 航空券代への上乗せ額

今回の発表で最も気になるのが、旅行者の費用負担でしょう。シンガポール民間航空庁(CAAS)によると、SAF税の額は飛行距離と座席クラスに応じて変動します。

  • 開始時期: 2026年後半から
  • 対象: シンガポールを出発する全ての航空便の旅客(乗り継ぎ旅客も含む)
  • 課税額の目安:
  • 短距離便(例:クアラルンプール、バンコクなど): エコノミークラスで約3シンガポールドル(約330円)
  • 中距離便(例:東京、ドバイなど): エコノミークラスで約6シンガポールドル(約660円)
  • 長距離便(例:ロンドン、ニューヨークなど): エコノミークラスで約16シンガポールドル(約1,770円)

ビジネスクラスやファーストクラスなどの上位クラスでは、これよりも高い税額が設定される見込みです。 この税収は、シンガポール政府が掲げる「2026年にチャンギ国際空港で使用されるジェット燃料の1%をSAFにする」という目標を達成するための資金として活用されます。

予測される未来と航空業界へのインパクト

シンガポールのこの先駆的な取り組みは、国内外の航空業界と旅行者に様々な影響を与えると考えられます。

アジアにおける環境先進ハブとしての地位確立

シンガポールは、この政策を通じて環境規制をリードし、アジアにおける「持続可能な航空ハブ」としての地位を確立しようとしています。今後、他の国や空港がシンガポールの動きに追随する可能性も十分に考えられます。

SAF市場の活性化

安定した需要と資金が確保されることで、SAFの生産・供給体制の構築が加速することが期待されます。これにより、長期的にはSAFの価格が下がり、より多くの航空会社が利用しやすくなる好循環が生まれる可能性があります。シンガポール政府は、SAFの使用比率を2030年までに3〜5%に引き上げるという、さらに野心的な目標も掲げています。

旅行者の意識の変化

短期的には旅行コストの増加となりますが、この税は私たちが利用するフライトが環境に与える影響を可視化するきっかけにもなります。環境に配慮した旅行(サステナブル・ツーリズム)への関心が高まる中、旅行者が航空会社や目的地を選ぶ際の新たな基準となるかもしれません。

シンガポールの「SAF税」導入は、単なる追加料金ではありません。それは、私たちが享受してきた「空の旅」を未来の世代にも引き継いでいくための、世界全体で取り組むべき重要な一歩と言えるでしょう。今後の旅行計画の際には、こうした世界の動向にも目を向けてみてはいかがでしょうか。

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この記事を書いたトラベルライター

SimVoyage編集部は、世界を旅しながら現地の暮らしや食文化を体感し、スマホひとつで快適に旅する術を研究する旅のプロ集団です。今が旬の情報から穴場スポットまで、読者の「次の一歩」を後押しするリアルで役立つ記事をお届けします。

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