MENU

富士山、2024年夏から登山予約が必須に!オーバーツーリズム対策で新制度導入

世界中の旅行者を魅了する日本の象徴、富士山。その美しい姿とは裏腹に、近年「オーバーツーリズム」が深刻な問題となっていました。この状況を受け、山梨県は2024年の夏山シーズンから、主要な登山ルートである吉田ルートにおいて、登山者数を制限し、通行料を徴収する新たな制度を導入することを決定しました。simvoyageでは、この新しいルールが旅行者に与える影響と、その背景にある課題について詳しく解説します。

目次

なぜ今、規制が必要なのか?深刻化するオーバーツーリズム

今回の規制導入の背景には、登山者の急増による様々な問題があります。

登山者数の回復と混雑

環境省の調査によると、2023年の夏山シーズン(7月1日~9月10日)における富士山の登山者数は、4つの主要ルート合計で22万1,322人に達しました。これはコロナ禍前の2019年とほぼ同水準であり、特に最も人気のある山梨県側の吉田ルートには、全体の約6割にあたる13万7,236人が集中しました。山頂付近ではご来光を見るために登山者の行列ができ、身動きが取れなくなるほどの混雑が発生していました。

「弾丸登山」の危険性

十分な休息を取らずに夜通しで一気に山頂を目指す「弾管登山」も後を絶ちません。軽装で十分な装備を持たない登山者も多く、低体温症や高山病による救助要請が多発し、安全上の大きな懸念となっていました。

環境への負荷

登山者の増加は、ゴミの不法投棄やトイレ問題、登山道の浸食といった環境負荷にも繋がっています。世界文化遺産である富士山の自然環境を未来にわたって保全するため、対策が急務とされていました。

2024年夏からの具体的な変更点

2024年7月1日から始まる夏山シーズンで、吉田ルートには以下の新しいルールが適用されます。

1日の登山者上限と通行料

  • 人数制限: 1日の登山者数を4,000人に制限します。
  • 通行料: 安全対策や環境保全の費用として、これまで任意だった保全協力金1,000円とは別に、新たに2,000円の通行料が義務付けられます。

オンライン予約システムの導入

  • 登山者は、山梨県が運営するオンラインシステムを通じて、事前に登山日時を予約し、通行料を支払う必要があります。予約は登山前日の午後11時59分まで可能です。
  • 4,000人の上限のうち3,000人は予約枠となり、残りの1,000人は当日枠として確保されますが、予約で埋まっている場合は通行できない可能性があります。

登山ゲートの設置と時間規制

  • 吉田ルート5合目にゲートが設置され、午後4時から翌日の午前3時まではゲートが閉鎖されます。これにより、山小屋に宿泊予約のない登山者の夜間通行が制限され、危険な「弾丸登山」を物理的に防ぐ狙いがあります。

旅行者への影響と今後の展望

この新制度は、これから富士登山を計画する旅行者にとって大きな変化となります。

登山体験の質の向上

人数制限により、登山道や山頂での過度な混雑が緩和されることが期待されます。これにより、登山者はより安全で快適に、富士山の雄大な自然を堪能できるようになるでしょう。事故のリスクが減少し、一人ひとりが自分のペースで登山を楽しめる環境が整います。

事前計画の重要性

これまでのように「思い立ったら富士山へ」というスタイルは難しくなります。特に海外からの旅行者は、航空券や宿泊先の手配と合わせて、富士登山のオンライン予約を早めに行う必要があります。人気の週末や連休は予約がすぐに埋まる可能性が高いため、計画性がより一層求められます。

持続可能な観光への一歩

今回の富士山での取り組みは、日本各地で問題となっているオーバーツーリズムに対する一つのモデルケースとなる可能性があります。通行料によって得られた収益は、登山者の安全確保や環境保全、多言語対応の充実などに活用される予定です。これは、観光資源を保護し、未来へと引き継いでいくための重要な投資と言えるでしょう。

富士山は、単なる美しい山ではなく、信仰の対象であり、日本の文化そのものです。今回の新制度は、訪れるすべての人々がその価値を尊重し、安全に楽しむための新しいルールです。これから富士登山を計画される方は、公式サイトで最新情報を確認し、しっかりと準備を整えて、素晴らしい体験に臨んでください。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いたトラベルライター

SimVoyage編集部は、世界を旅しながら現地の暮らしや食文化を体感し、スマホひとつで快適に旅する術を研究する旅のプロ集団です。今が旬の情報から穴場スポットまで、読者の「次の一歩」を後押しするリアルで役立つ記事をお届けします。

目次