古代インカ帝国の謎と壮大なアンデスの自然が融合する国、ペルー。マチュピチュの絶景やナスカの地上絵、そして美食の都として知られるリマ。世界中の旅人を魅了してやまないこの国への旅行を計画されている愛煙家の皆様へ。素晴らしい旅の思い出が、些細なタバコのトラブルで台無しになることのないよう、今回はペルーの喫煙事情について、私の実体験も交えながら徹底的にガイドいたします。世界を飛び回るビジネスの現場では、現地の法律や文化を深く理解し、スマートに振る舞うことが求められます。それはプライベートな旅行においても同様です。ペルーのルールを正しく理解し、周囲への配慮を忘れないことで、肩身の狭い思いをすることなく、至福の一服を楽しむことができるでしょう。この記事が、あなたのペルー旅行をより豊かで快適なものにする一助となれば幸いです。
南米の喫煙事情についてさらに知りたい方は、隣国ブラジルの喫煙ルールに関する最新ガイドもご覧ください。
ペルーの喫煙に関する基本法:Ley General para la Prevención y Control de los Riesgos del Consumo de Tabaco

ペルーにおける喫煙規制を理解する上で、まず押さえておきたいのが「反タバコ法」として知られる法律「Ley N° 28705, Ley General para la Prevención y Control de los Riesgos del Consumo de Tabaco」です。この法律は、国民をタバコによる健康被害から守ること、特に受動喫煙の防止を目的として2006年に制定され、2010年に改正されてさらに厳格な規制が導入されました。これは、世界的な健康志向の高まりや、WHO(世界保健機関)が提唱する「たばこの規制に関する世界保健機関枠組条約」の批准を背景としています。この法律の根底にあるのは、「100% Libre de Humo de Tabaco(タバコの煙が100%ない環境)」というスローガンで、特定の場所では例外を一切認めず完全禁煙を義務付けています。
旅行者にとって特に重要なのは、この法律が「すべての閉鎖された公共空間」での喫煙を全面的に禁止している点です。では、「閉鎖された公共空間」とは具体的に何を指すのでしょうか。非常に広範囲にわたり、旅行中のほとんどのシーンに該当します。例えば、レストランやカフェ、バーはもちろん、ショッピングモールや映画館、博物館などの商業・文化施設。また、滞在先となるホテルのロビーや廊下、エレベーターといった共用部分も含まれます。さらに、バスやタクシー、乗り合いタクシーであるコレクティーボといった公共交通機関の車内も厳しく禁煙とされています。リマのホルヘ・チャベス国際空港をはじめ、国内のすべての空港ターミナルビル内も例外なく禁煙です。かつて空港内にあった喫煙室(スモーキングルーム)は、この法律の施行によりペルー国内から完全に撤去されました。飛行機を降りてすぐに喫煙したい方は、空港の外に出るまで控える必要があることを覚えておいてください。
この法律に違反した場合、喫煙者本人だけでなく施設の管理者にも罰則が科されます。旅行者が罰金を受けるケースは稀かもしれませんが、施設スタッフから厳重に注意されたり、退去を求められることは十分にあり得ます。罰金の額は施設の規模や違反の程度によって異なりますが、トラブルを避けるためにも、この法律の存在をしっかりと理解し、ルールを守ることが重要です。ペルーの人々は、この法律の遵守に対する意識が比較的高く、公共の場での喫煙に対して厳しい視線が向けられることもしばしばあります。快適な旅を続けるためにも、単に「知らなかった」では済まされない国際的なルールとして、この基本法をしっかり心に留めておきましょう。
具体的な喫煙場所:どこで吸える?どこで吸えない?
法律の概要を理解したところで、次は具体的にどの場所で喫煙が許可されているのか、逆に禁止されているのはどこかを詳しく確認していきましょう。旅先での行動計画を立てる際、喫煙のタイミングや場所を事前に把握しておくことは、愛煙家にとって心の支えになると言えるでしょう。
屋内施設全般
前述の通り、ペルーでは屋根と壁に囲まれた公共の屋内空間は、原則としてすべて禁煙です。このルールは、旅行中に訪れる場所の大部分を占めるため、特に注意が必要です。
- レストラン、カフェ、バー、ナイトクラブ: 食事や飲酒を楽しむこれらの施設も、店内は完全に禁煙です。バーカウンターの隅であっても灰皿が置かれていることはありません。食事の合間に一服したい場合は、いったん店外へ出て路上で喫煙しなければなりません。この点は日本の一部飲食店と大きく異なるため、慣れが必要でしょう。
- ショッピングモールや店舗: リマのラルコマールやジョッキー・プラザなどの大型ショッピングモールはもちろん、街角の小規模なお土産物屋まで、すべての店舗内での喫煙は禁止されています。買い物中に吸いたくなったら、モール外の開放的な場所まで移動する必要があります。
- ホテル・宿泊施設の共用エリア: ホテルのロビーや廊下、エレベーター、朝食をとるレストランなどの共用スペースはすべて禁煙です。チェックインを待つ間にロビーで一服することはできません。喫煙は指定された屋外の喫煙エリア、または後述する喫煙可能な客室内に限られます。
- 空港ターミナルビル内: 強調しておきますが、空港の建物内には喫煙可能な場所が一切ありません。乗り継ぎで時間が長くても、ペルーに入国し空港の外へ出ない限り喫煙できません。国際線の乗り継ぎで保安区域から出られない場合は、次の便まで禁煙を強いられるため、フライトのスケジュールを組む際は注意が必要です。
- 公共交通機関: バスやタクシー、リマで近年普及している配車サービスのUberなどの車内はすべて禁煙です。長距離バスでの移動でも、休憩時に降車した際にしか喫煙の機会はありません。
屋外でも喫煙が制限される場所
屋内が禁煙なら屋外で吸おうと考えるのは自然ですが、屋外でも喫煙が制限される場所があります。
- 医療機関や教育機関の敷地内: 病院や学校の建物周辺、敷地内では屋外でも禁煙がほとんどです。これは患者や子どもたちへの配慮として当然の措置と言えるでしょう。
- 公園や広場の一部: 都市の公園や広場は基本的には屋外の開放空間なので喫煙可能な場合が多いですが、子どもの遊び場周辺など特定区域は禁煙に指定されていることもあります。「Prohibido Fumar(禁煙)」の標識を見逃さないように注意し、周囲をよく確認する習慣をつけましょう。
- 遺跡や国立公園: 最も重要なポイントです。マチュピチュ、ナスカの地上絵周辺、オリャンタイタンボの要塞、クスコのサント・ドミンゴ教会(コリカンチャ)など、ペルーが誇る遺跡や自然公園の敷地内では、喫煙は例外なく厳格に禁止されています。これは火災リスクから貴重な文化遺産や自然環境を守り、神聖な場所として敬意を払うためです。もし遺跡内で喫煙しているところを見つかれば、その場で退去を命じられ、高額な罰金や場合によってはより厳しい法的処置を受けることもあります。素晴らしい体験の直前に、一瞬の油断で全てを台無しにしないように注意しましょう。長時間の見学になることも多いので、入場前に必ず喫煙を済ませておくことを強くお勧めします。
喫煙可能な場所
では、どこなら安心して喫煙できるのでしょうか。ペルーで喫煙が許される主な場所は以下の通りです。
屋外の開放空間
最も一般的な喫煙場所は屋外の開放的な空間、すなわち路上です。街中で道端でタバコを吸う地元の人を見かけることもあります。ただし、屋外といってもどこでも良いわけではなく、人通りが多い場所や建物の出入口付近、バス停の列のそばなどは避けるのが賢明です。周囲に人がいないか確認し、風向きにも気を配るなど最低限のマナーは世界共通です。何よりも重要なのはポイ捨てを絶対にしないこと。携帯灰皿はペルー旅行の必携アイテムと言えます。
宿泊施設の喫煙可能エリア
一部のホテルでは愛煙家への配慮がなされています。予約時に「Smoking Room(喫煙可能な客室)」の有無を事前に確認しましょう。予約サイトのフィルター機能を活用したり、直接ホテルに問い合わせたりするのが確実です。ただし近年は全室禁煙のホテルが増えているため、選択肢は限られることもあります。喫煙可能な部屋が取れなかった場合でも、中庭(パティオ)や屋上テラス、建物外の灰皿設置エリアがあるホテルもあります。チェックイン時に「¿Dónde está la zona de fumadores?(喫煙エリアはどこですか?)」と尋ねてみると良いでしょう。
レストランやバーの屋外席
ペルーの特に沿岸部やアンデスの乾季の気候は非常に快適で、屋外で過ごすのに適しています。そのため、テラス席やバルコニー席を備えたレストランやカフェが多く存在します。法律上、これらの「屋外席」は閉鎖空間に該当せず、喫煙が許可されている場合があります。リマのミラフローレス地区やバランコ地区のお洒落なカフェのテラスで、セビチェとビールを楽しみながらの一服は格別です。ただし、これも店ごとのルールにより異なるため、灰皿が置かれていない場合は必ず店員に「¿Se puede fumar aquí?(ここでタバコを吸ってもいいですか?)」と確認しましょう。周囲に子ども連れやタバコを嫌う人がいないか配慮することも忘れないでください。
ペルーへのタバコの持ち込みルール【実践ガイド】

普段から好んでいる銘柄がある方や、現地での購入手続きを避けたい方は、日本からタバコを持参することを検討するでしょう。その際に重要なのが、ペルーの税関における免税範囲のルールです。規則を理解せずに大量に持ち込もうとすると、没収や高額な関税を課される恐れがあるため、正しい情報を事前に把握しておくことが必要です。
免税範囲の確認
ペルー税関(SUNAT)が設けている旅行者のタバコの免税枠は以下の通りです。これは18歳以上の成人1人あたりの上限となっています。
- 紙巻きタバコ:最大20パック(合計400本)
- 葉巻:最大50本
- 刻みタバコ(シャグなど):最大250グラム
ここで注意すべきポイントは、これらの枠が「いずれか一つ」という意味ではなく、それぞれの上限まで持ち込むことが許されている点です。たとえば、紙巻きタバコ400本に加えて葉巻50本の持ち込みも可能です。これは他国の基準と比べても比較的寛大な設定と言えるでしょう。ただし、規制は予告なく変わる場合があるため、渡航前にはペルー税関(SUNAT)の公式サイトで最新情報を確認することをおすすめします。
免税範囲を超えた場合の対応
もし免税枠を超えるタバコを持ち込む場合は、ペルー入国時に税関で必ず申告しなければなりません。申告を怠り、検査で発覚した場合は密輸とみなされ、タバコの没収だけでなく厳しい罰金が科される可能性があります。正しく申告すれば、超過分に対して規定の関税を支払うことで持ち込みが認められますが、手続きは面倒で時間もかかり、関税も決して安くありません。個人での消費を考えるなら、免税範囲内に収めて持ち込むのが最も賢明です。
空港での手続きの流れ
ペルーの主要玄関口であるリマのホルヘ・チャベス国際空港に到着後、入国審査を経て手荷物を受け取ります。その後、税関検査場に進みます。一般的に、ペルーの税関では旅行者が税関申告書(Declaración Jurada de Equipaje)を提出する必要はありませんが、申告が必要な品目がある場合や係官からの指示があった際には記入・提出します。すべての乗客は荷物とともにX線検査機を通過し、検査中に疑わしい点があれば係官による開披検査が行われます。免税限度を超えるタバコやその他申告対象品を持っている場合は、この段階で正直に申告してください。特に申告する物品がなければ、そのまま緑のランプ側のゲートを通って到着ロビーに進むことができます。手続きをスムーズにするためにも、ルールを順守することが重要です。
現地でのタバコの購入方法
持参したタバコがなくなったり、現地のタバコを試したくなった場合、ペルー国内でのタバコ購入は比較的スムーズです。ここでは、購入場所や価格、注意点について説明します。
購入可能な場所
ペルーでは多様な場所でタバコが手に入ります。
- コンビニエンスストア: リマなどの都市部には「Tambo+」や「Oxxo」といった24時間営業のコンビニが多くあります。これらの店舗では、レジ背面の棚にタバコが並んでおり、銘柄を伝えれば購入が可能です。観光客にとっても最も分かりやすく利用しやすいでしょう。
- キオスク(Kiosco): 街中の至る所にある小規模な売店(キオスク)でもタバコが売られています。新聞や飲料、お菓子などと一緒に販売されているほか、1箱単位だけでなく1本単位(ばら売り)で買える場合もあり、少量だけ吸いたい時に便利です。ただし衛生面が気になる方は、箱での購入をおすすめします。
- スーパーマーケット: 「Wong」「Metro」「Plaza Vea」といった大手スーパーマーケットの専門カウンターやレジでもタバコが購入可能です。品揃えが豊富で価格も安定しているのが特徴です。
- 路上販売: 広場や人通りの多い通りでは、個人がタバコを売り歩いていることもあります。気軽に買えますが、偽物や品質の低い商品である可能性もあるため、できるだけ正規の販売店を利用する方が安全です。
ペルーで人気の銘柄と価格帯
ペルーでよく見かけるタバコは、世界的に有名な国際ブランドが中心です。「Marlboro」「Camel」「Lucky Strike」「Pall Mall」などが一般的で、日本で普段吸っている銘柄があれば、同じものをペルーでも入手可能です。ただし、同じブランドでも国によって微妙に味わいが異なることがあるのはご愛嬌です。ペルー独自のナショナルブランドは、現在あまり見かけません。
価格は日本と比べるとやや安く、2024年時点で1箱(20本入り)は銘柄にもよりますがおおよそ15〜20ソル前後です。日本円に換算すると、1ソル約40円で計算すると600円〜800円程度となり、日本の価格とほぼ同等かやや安い感覚です。ただし、為替変動によってはこの感覚が変わるため注意してください。ホテルや観光地の売店では、多少割高に設定されているケースもあります。
購入時の注意点
ペルーではタバコの購入は18歳以上に限定されています。外国人旅行者であっても、若く見える場合は身分証明書(パスポートなど)の提示を求められることがあります。また、ペルーのタバコのパッケージには健康警告として、強烈でグロテスクな写真が大きく印刷されているのが一般的です。これは法律で義務づけられており、初めて見ると驚くかもしれません。視覚的に喫煙のリスクを伝えるためのもので、ペルーにおける喫煙対策の一環です。内容物は同じですので、パッケージの見た目に惑わされず購入して問題ありません。
加熱式タバコ・電子タバコ(VAPE)の規制状況

近年、世界中で利用者が増えている加熱式タバコ(IQOSやgloなど)や電子タバコ(VAPE)。これら新たなタイプのタバコは、ペルーにおいてどのように扱われているのでしょうか。これは非常に重要なポイントであり、従来の紙巻きタバコとは異なる注意が求められます。
ペルーにおける法的状況
ペルーでは加熱式タバコや電子タバコに関する法整備が進展しています。2022年にはこれらの製品の使用、販売、広告および消費を規制する法律「Ley N° 31491」が制定され、続く2023年にはその施行規則も策定されました。この法律の主な目的は、特に未成年者への浸透を防ぎ、国民の健康を保護することにあります。これにより、これらの製品は従来のタバコ製品と同等かそれ以上に厳しい規制が課せられるようになっています。
持ち込みは可能か?
旅行者が個人使用のために加熱式タバコや電子タバコのデバイス、および消耗品(タバコスティックやリキッド)をペルーに持ち込むことについては、現在禁止されていません。ただし、紙巻きタバコのように明確な免税範囲が税関の公式サイトに記載されていないため、税関職員の判断により課税対象となったり、持ち込み数量について問い合わせを受けたりすることがあります。常識の範囲内、つまり旅行中に個人が消費する適量を超える持ち込みは避けたほうが安全です。なお、デバイス本体はリチウムイオンバッテリーを搭載しているため、必ず機内持ち込み手荷物に入れる必要があります。航空会社の規則も事前に確認しておきましょう。リキッド類は液体持ち込み制限の対象となるため、容量制限を守り、透明な袋に入れるなどの対応が求められます。
使用場所の制限
使用場所に関する規制は紙巻きタバコと全く同様です。すなわち、「屋内の公共空間」における使用は禁止されています。レストラン、ホテルのロビー、交通機関内などで加熱式タバコや電子タバコを使用することは認められていません。「煙が出ないから」や「臭いが少ないから」といった理由は規制の例外にはなりません。法律では、これらの製品から発せられるエアロゾル(蒸気)も従来のタバコの煙と同等に扱われています。使用可能な場所は紙巻きタバコ同様に、屋外の開放スペースや喫煙許可されたホテルの客室・エリアなどに限られます。
現地での購入状況
ペルー国内、特に首都リマなどの大都市には電子タバコ専門店(Vape Shop)があり、オンラインでの販売も展開されています。しかし、旅行者が滞在期間中にこれらの店舗を見つけ、適切な製品(デバイス、リキッド、タバコスティックなど)を確保するのは必ずしも簡単とは言えません。特に専用スティックなど特定ブランドの消耗品は入手困難なケースが多いでしょう。そのため、日常的に加熱式タバコや電子タバコを使用している方は、旅行期間に見合った十分な消耗品を日本から持参することを強く推奨します。予備のデバイスや充電器、海外対応の変換プラグも忘れず用意してください。
愛煙家が実践すべきペルーでのスマートな喫煙マナー
法律やルールを守ることは当然の前提として、それ以上に周囲への思いやりを忘れないマナーこそが、真にスマートな旅行者の証明です。インカの子孫が築き上げた豊かな文化と壮大な自然へ敬意を払いつつ、気分よくひと息つきましょう。
ポイ捨ては絶対に避けるべき行為
これはペルーだけでなく世界中に言えることですが、タバコのポイ捨ては決して許されません。インカ時代からの石畳が美しいクスコの街、太平洋に沈む夕日が印象的なリマの海岸線、そして手つかずの自然が広がる聖なる谷。これらの美しい景観を、自分の一本の吸い殻で汚すことのないよう、強い自覚を持つ必要があります。ペルーでは街中にゴミ箱が少ない場所も多いため、携帯用の灰皿を持ち歩くことは愛煙家の責任と言っても過言ではありません。日本製のコンパクトで密閉性の高い携帯灰皿を準備しましょう。ホテルの部屋で吸い殻を捨てる際も、火が完全に消えているかを確認し、できればビニール袋などに入れてから処分すると、清掃スタッフへの配慮にもなります。ポイ捨ては世界保健機関(WHO)も指摘する環境問題の一つであり、ペルーでは罰金の対象となるおそれもあります。
周囲への配慮を心がける
屋外で喫煙が許されている場所であっても、その空間は自分だけのものではありません。特に子どもや妊婦、食事中の人が近くにいる場合は、法律上の禁止がなくともマナーとして喫煙を控えるべきです。タバコを吸い始める際は必ず周囲を見まわし、自分の煙が誰かに迷惑をかけないか意識しましょう。風向きにも気を配ることが大切です。もし近くに人が来た場合は、穏やかに火を消すか、場所を移動するなどの思いやりが、お互いに気持ち良く過ごせる秘訣です。自信がないときは、「Disculpe, ¿le molesta el humo?(すみません、煙は気になりますか?)」と一言尋ねると良いでしょう。大抵は笑顔で「No hay problema(問題ありません)」と返ってきますが、もし不快なら正直に伝えてくれるはずです。こうした誠実なコミュニケーションが、旅行者としてのあなたの印象を飛躍的に高めます。
遺跡観光時の心得
繰り返しになりますが、マチュピチュをはじめとする遺跡や史跡では、喫煙は絶対に禁止されています。これらの場所はペルー国民にとっての誇りであり、世界共通の貴重な遺産です。軽率な違反は取り返しのつかない事態を招きかねません。例えば、マチュピチュの観光はバス移動や入場待ち、広大な敷地の散策を含めると最低でも半日以上かかります。その間、たとえ喫煙したくても我慢する覚悟が必要です。ニコチンガムやパッチなどの代替手段を用意しておくのも賢明でしょう。遺跡の清らかな空気を胸いっぱいに吸い込むことで、タバコとは違った心のリフレッシュを感じられます。遺跡に入る直前に喫煙エリアで最後の一服をし、携帯灰皿に吸い殻をしっかり収めてから気持ちを切り替え、観光を楽しみましょう。その我慢の先には、一生忘れられない絶景が待っています。
トラブル発生時の対応策

ルールを守りマナーに気をつけていても、言葉の壁や文化の違いから予期せぬトラブルに遭遇する可能性は完全には排除できません。万が一の際に冷静に対処できるよう、必要な知識を身につけておくことが大切です。
罰金を科された場合
もし禁煙場所での喫煙などが原因で、警察官や監視員から罰金を請求されたら、まずは慌てずに落ち着いて行動しましょう。相手の身分証明書の提示を求め、手続きが正式なものであるかを確認してください。その場で現金での支払いを強く求められた場合は、軽率に応じないよう注意が必要です。それは非公式な金銭要求、つまり賄賂の可能性があります。正式な罰金であれば、違反切符のような書類が発行され、支払いは後日指定の銀行などで行うのが一般的です。言葉が分からず不安な場合は、その場で支払う前に宿泊先のスタッフや、旅行会社のガイドがいれば連絡し、状況説明とアドバイスを受けるのが賢明です。もし不当な要求だと感じた場合は、在ペルー日本国大使館に相談することも検討してください。
タバコを没収された場合
空港の税関で免税範囲を超えたタバコを申告せずに持ち込もうとして没収された場合、それを取り戻すことはほぼ不可能です。これはルール違反に対する正当な処置であり、異議申し立てが認められる見込みは低いと言えます。こうした事態を回避するためには、渡航前にルールをしっかり確認し、それに従うことが何より重要です。旅のスタートを気持ちよく迎えるためにも、事前準備を怠らないようにしましょう。
公式情報の入手方法
トラブルが発生した際や最新情報を確認したいときには、公式の情報源が頼りになります。以下の連絡先やウェブサイトはあらかじめブックマークしておくことをおすすめします。
在ペルー日本国大使館
ペルー滞在中に事故や事件、不測の事態に遭遇した場合、心強い支援を受けられる機関です。パスポートの紛失や盗難、不当な拘束などの深刻なトラブルがあれば、速やかに連絡しましょう。また、渡航前には大使館の公式サイトで最新の安全情報を必ず確認する習慣をつけることも重要です。
ペルー政府観光庁(Promperú)
ペルーの公式観光情報を提供している機関です。主要な観光スポットの規則や国内の交通事情など、旅行に役立つ情報を発信しています。国内の主要都市や空港には、旅行者向けのインフォメーションセンター「iPerú(アイ・ペルー)」が設置されており、観光相談やトラブル対応も行っています。
ペルー税関(SUNAT)
タバコを含む持ち込み品の規定について、最も正確かつ最新の情報を提供している機関です。スペイン語のサイトですが、翻訳ツールを利用すれば内容は十分に理解可能です。免税範囲などの数値情報は、出発前に必ず公式サイトで最新の確認を行いましょう。
愛煙家におすすめの喫煙フレンドリーなスポット
厳しいルールやマナーに関する話題が続きましたが、当然ながらペルーにも、周囲を気にせずに最高のロケーションでゆったりと一服できる場所は存在します。ここでは、私が実際に訪れて心地よい時間を過ごした、喫煙に寛容なスポットの見つけ方をお伝えします。
リマ・ミラフローレス地区のカフェテラス
美食の街リマの中でも、特に洗練されたレストランやカフェが軒を連ねるのがミラフローレス地区です。特に太平洋を望む崖沿いの遊歩道(マレコン)付近には、素晴らしい眺望を楽しめるテラス席を備えたカフェが多く並んでいます。爽やかな潮風に吹かれながら、香り豊かなペルー産コーヒーと共に一服する時間は、まさに至福の瞬間です。周囲の席との間隔がゆったりと取られている店も多く、周囲の目を気にせずリラックスできるでしょう。スタッフに喫煙可能か尋ねると、快く灰皿を用意してくれることがほとんどです。夕暮れ時には、太平洋に沈む雄大な夕日を眺めながら、一日の疲れを癒す特別な時間を過ごせます。
クスコのアルマス広場周辺のバルコニー席
かつてインカ帝国の首都であったクスコ。その中心部、アルマス広場はカテドラルや美しいコロニアル様式の建築に囲まれ、常に賑わいを見せています。この広場を見渡せる建物の2階には、小さなバルコニー席を備えたレストランやバーが数多く存在します。歴史的な街並みを眼下に見降ろしながら、地元のビール「クスケーニャ」を手にタバコを楽しむひとときは、何物にも代え難い贅沢です。ただし、クスコの標高は約3,400メートルと高地のため、空気が薄く、タバコを吸うと普段より息苦しさや頭痛を感じることがあります。高地に慣れるまでは、喫煙を控えめにしたり、ゆっくり味わったりすることをおすすめします。自分の体調と相談しながら、無理のない範囲で楽しむことが大切です。
地方都市での探し方のポイント
リマやクスコ以外の地方都市を訪れる際も、喫煙場所の見つけ方は基本的に同じです。まずは、街の中心にある「Plaza de Armas(アルマス広場)」を目指しましょう。広場の周辺には多くの場合、屋外席を備えたカフェやレストランが集まっています。また、地元の人たちがどこで喫煙しているかを観察するのも有効です。彼らが集まって談笑しながらタバコを吸っている場所は、旅行者にとっても比較的安全な喫煙スポットである可能性が高いです。さらに、最も確実で簡単な方法は、滞在先のホテルスタッフに尋ねることです。「この近くで、コーヒーを飲みながらタバコが吸える良い場所はありますか?」と聞けば、親切に教えてもらえるでしょう。
ペルー旅行準備:喫煙者のための持ち物チェックリスト

快適なペルー旅行を楽しむために、特に愛煙家が事前に用意しておくべき持ち物をまとめました。これらを準備しておくことで、現地での不要なストレスを大幅に軽減できます。
- 必携アイテム
- 携帯用灰皿: これがなければ始まりません。ペルーの美しい街や自然を汚さないための最低限のマナーとして必須です。現地での入手が難しい場合が多いので、日本から使い慣れたものを必ず持参しましょう。数本の吸い殻が入る密閉性の高いタイプがおすすめです。
- ライター・マッチ: 普段使用しているものを用意しましょう。ただし、航空機内への持ち込みには制限があります。概ね、吸収剤(綿)入りのオイルライター、安全マッチ、使い捨てライターは、1人1個まで機内持ち込み手荷物として許可されています。預け荷物には入れられないため、必ず搭乗する航空会社の規定を確認してください。
- タバコ本体: 旅行日数プラスαの量を持っていくことが最も安心です。慣れない土地で好みの銘柄を探す手間が省け、品質も保証されます。免税範囲(紙巻きタバコ400本)を上手に活用しましょう。
- あると便利なアイテム
- ジップロックなどの密閉袋: 携帯灰皿がいっぱいになったときや、吸い殻の臭いが気になる時に役立ちます。使用済みの吸い殻を袋に入れておけば、バッグ内に臭いが漏れにくくなります。
- スペイン語の簡単なフレーズ集(メモやアプリ): 「ここでタバコを吸ってもいいですか?(¿Se puede fumar aquí?)」「灰皿はありますか?(¿Tiene un cenicero?)」「ライターはありますか?(¿Tiene fuego?)」といった基本フレーズを覚えておくだけで、現地でのコミュニケーションが格段に楽になります。
- 電子タバコ関連の用品一式: 加熱式や電子タバコを使う方は、本体、専用スティックやリキッド、充電ケーブル、さらにペルーのコンセント形状(AタイプまたはCタイプ)に合った変換プラグを忘れずに用意しましょう。予備のデバイスやモバイルバッテリーがあると、より安心です。
未来のペルー旅行に向けて:変化する喫煙環境
この記事では、現時点におけるペルーの喫煙状況について詳しく説明しましたが、世界的には禁煙化の動きがますます加速しており、ペルーもその流れに沿っています。今後、法律がさらに強化され、公園やビーチなどの屋外公共スペースでの喫煙がより広範囲に禁止されたり、タバコの価格が引き上げられたりする可能性も十分に考えられます。
したがって、数年後にペルーを訪れる際には、状況が変化している可能性があります。素晴らしい旅行体験は、正確かつ最新の情報を得ることから始まります。ペルーへの旅行を計画する際には、出発前に在ペルー日本国大使館やペルー政府観光庁などの公式サイトで最新情報を必ず確認することをおすすめします。
ペルーが持つ豊かな歴史、大自然、そして温かい人々の心。その魅力を最大限に味わうためには、旅人である私たちがその国の文化やルールを尊重することが欠かせません。喫煙者であればなおさら、マナーをしっかり守り、スマートに振る舞うことが重要です。そうすることで、ペルーはあなたを心から歓迎し、忘れがたい素晴らしい思い出を与えてくれるでしょう。ルールを遵守し、最高のペルー旅行を満喫してください。

