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誰も知らないローマの素顔へ。定番を越えて心に刻む、サステナブルな旅の誘い

「永遠の都」ローマ。その響きだけで、私たちの心は古代遺跡がそびえ、情熱的な人々が行き交う壮大な舞台へと誘われます。コロッセオの勇壮さ、トレビの泉のロマン、ヴァチカン市国の荘厳さ。誰もが一度は夢見るその景色は、確かにローマの紛れもない魅力です。しかし、もしその輝かしい表の顔の裏に、もっと深く、もっと心に響く「素顔のローマ」が隠されているとしたら、知りたくはありませんか?

教科書やガイドブックのページをめくるだけでは決して出会えない、路地裏に息づく職人の息遣い。古代遺跡の壁に突如として現れる、現代アーティストたちの魂の叫び。地元の人々の笑い声がこだまする市場の熱気と、採れたての食材が放つ生命力。この街は、私たちが想像する以上に多層的で、刺激的で、そして温かいのです。

この記事では、定番の観光ルートから一歩、二歩と踏み出し、ローマの意外な魅力に光を当てていきます。それは、ただ珍しい場所を訪れるだけの旅ではありません。環境に配慮し、この街の日常に敬意を払いながら、真の豊かさを見つけるサステナブルな旅のご提案です。さあ、まだ見ぬローマの扉を開けて、あなただけの物語を紡ぐ冒険に出かけましょう。きっと、旅が終わる頃には、あなたの心の中に「もうひとつのローマ」が、かけがえのない宝物として輝いているはずです。

身軽な旅を実現するには、ローマのコインロッカーを活用するのがおすすめです。

目次

ローマの胃袋を掴むならテスタッチョ地区へ!グルメの真髄は市場にあり

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ローマの食と聞くと、多くの人はカルボナーラやアマトリチャーナなどのパスタを思い浮かべるでしょう。これらはもちろん絶品で、ローマを訪れたならぜひ味わいたい名物料理です。しかし、本当にローマの食文化の奥深さ、その真髄に触れたいなら、迷わずテスタッチョ地区へ足を運ぶべきです。かつてはテヴェレ川の水運を利用した貿易の中心地であり、古代ローマ時代には素焼きの壺(アンフォラ)の破片が積み上げられてできた「テスタッチョの丘」が特徴的なこの地域は、今なおローマの「胃袋」を支える重要なエリアとして知られています。

活気あふれる新テスタッチョ市場

テスタッチョ地区の中心的存在が「新テスタッチョ市場(Nuovo Mercato di Testaccio)」です。ガラス張りの近代的な建物に足を踏み入れると、そこはまさに食の宝庫。色彩豊かな野菜や果物が山のように積まれ、芳醇な香りを漂わせる熟成チーズやサラミが並び、威勢の良い売り声が響き渡ります。この市場は観光客向けとは異なり、地元の人々の日常的な食材調達の場として機能しているため、本物のローマ生活を肌で感じることができるのです。

市場を歩いていると、ローマの食文化の豊かさに圧倒されるはずです。特に注目してほしいのは、アーティチョーク(カルチョーフィ)やプンタレッラなど、日本ではあまり見かけないローマ近郊の特産野菜です。店先のおじさんに「これはどんな食べ方が一番おいしいですか?」と尋ねると、身振り手振りを交えて熱心におすすめの調理法を教えてくれることでしょう。簡単なイタリア語の挨拶、「Buongiorno(こんにちは)」や「Grazie(ありがとう)」を覚えておくと、会話がより楽しくなります。

読者が実際にできること:市場を120%楽しむために

  • 準備と持ち物:市場は活気にあふれ、多くの人で賑わいます。動きやすい服装と歩きやすい靴を選びましょう。環境に配慮した旅を心がけるなら、マイバッグ(エコバッグ)を持参するのがおすすめです。多くの店ではビニール袋を用意していますが、自分の袋を使うことでゴミの削減に貢献できます。また、小規模店舗では現金が主流なので、ある程度のユーロ現金を用意しておくとスムーズに買い物ができます。
  • 行動のポイント:まずは遠慮せず、市場全体を一周して雰囲気をつかみましょう。旬の食材や人気の店を見つけることが大切です。興味を持った品物があれば躊躇せず店員さんに声をかけてみてください。「Posso assaggiare?(試食できますか?)」と尋ねるのも良い体験になります。ただし、試食ができない場合もありますので、その際は笑顔で「Grazie」と伝えましょう。
  • 市場グルメを堪能する:市場の魅力は新鮮な食材だけではありません。場内には、購入したばかりの食材を使った絶品ストリートフードを提供する屋台が点在しています。中でも「Mordì e Vai」のパニーニは特におすすめ。ローマ伝統の煮込み料理が挟まれたサンドイッチは、一度食べたら忘れられない味です。行列ができていても並ぶ価値があります。注文は指差しでも問題ありませんが、事前にメニューを少し調べておくと注文がスムーズです。

ローマ料理の深み「クイント・クアルト」

テスタッチョ地区が「ローマの胃袋」と呼ばれるもう一つの理由は、「クイント・クアルト(Quinto Quarto)」と称される内臓料理の伝統が根付いているからです。かつてこの地域には大規模な屠殺場があり、労働者たちは給料の一部として、貴族や富裕層が食べなかった内臓などの部位(いわゆる「第五の四分の一」)を受け取っていました。彼らは知恵を絞り、安価で栄養価の高い料理を生み出し、それが今やローマを代表する食文化の一角として確立されています。

トリッパのトマト煮込み(Trippa alla Romana)や子牛の腸のトマトソースパスタ(Rigatoni con la Pajata)など、日本ではなかなか味わえない独特の料理にチャレンジするのも面白いでしょう。見た目に抵抗を感じるかもしれませんが、丁寧に下処理された内臓は臭みがなく、深い旨味が広がります。テスタッチョ地区には、こうした伝統のクイント・クアルトを提供する歴史あるトラットリアが多数あります。勇気を出して一皿注文すれば、ローマでの食体験がさらに豊かで忘れがたいものになること間違いありません。

古代と現代が交差するアートの迷宮、オスティエンセ地区の壁画を巡る

ローマと言えば、ミケランジェロの天井画やベルニーニの彫刻など、ルネサンスやバロック期の巨匠たちの作品を思い浮かべる人が多いでしょう。しかし、現代のローマでは、古代遺跡や歴史的な建築物と並んで、もうひとつの活気あるアートシーンが存在しています。その中心となっているのが、オスティエンセ地区です。

かつては工業地帯として栄えたこの地域は、現在ではローマを代表するストリートアートの聖地として知られています。工場の壁や集合住宅の側面、鉄道高架下など、街のいたるところがキャンバスとなり、世界中から集まったアーティストたちが鮮やかで力強いメッセージを刻み込んでいます。巨大なガスタンクの骨組み「ガソメトロ」がそびえる独特の景観の中を歩くと、まるで野外美術館に迷い込んだかのような感覚を味わえるでしょう。

イタリアの著名なストリートアーティスト、Bluによる27の顔が鎖で繋がれた巨大壁画や、Sten Lexの白黒ポートレートなど、多彩な作品が点在しています。社会的なテーマを投影したものから、純粋な美の探求まで、それぞれの作品が街並みに溶け込み、新たな価値を生み出しています。これらのアートはガイドブックに載るような観光名所とは異なり、保護されているわけではありません。雨風にさらされ、時には新しい作品が上書きされることもあります。その儚さこそがストリートアートの魅力であり、今この瞬間にしか触れられない一期一会の体験をもたらすのです。

読者が実際にできること:ストリートアート散策のポイント

  • 準備と持ち物: オスティエンセ地区のアートは広範囲に広がっているため、かなり歩くことになります。クッション性のある歩きやすいスニーカーがおすすめです。日差しを防ぐ帽子やサングラス、こまめな水分補給のためのマイボトルも忘れずに。写真撮影を楽しみたい方は、カメラやスマートフォンのバッテリーを十分に充電しておきましょう。
  • 散策のコツ: 全ての作品を一度に見て回るのは難しいので、事前にインターネットやアプリで気になる作品の場所をいくつかピックアップし、自分だけの散策ルートを作ると効率的です。「Ostiense Street Art」と検索すると、多くの情報や地図が見つかります。サン・パオロ・フオーリ・レ・ムーラ大聖堂(Basilica di San Paolo fuori le Mura)周辺を起点に、オスティエンセ駅方面へ歩くと主要な作品に巡り会えるでしょう。
  • 守るべきマナー: ストリートアートは公共スペースに描かれているものの、作品の多くは集合住宅や個人の建物の壁にあります。見学や撮影の際は、住民に迷惑をかけないよう静かにし、敷地内に無断で立ち入らないよう十分に注意しましょう。また、夜間の一人歩きは避け、明るい日中の時間帯に散策することをおすすめします。
  • 公式ガイドツアーの利用: 地元のアーティストやアートに詳しいガイドと共にツアーに参加するのも良い方法です。作品の背景や作者のストーリーを深く知ることができ、個人で回るだけでは気づけない魅力を発見できるかもしれません。ローマ市観光局の公式サイトには、アート関連のイベントやツアー情報が掲載されていることがあるので、旅行前にチェックしてみると良いでしょう。

「永遠の都」の喧騒を忘れる、緑のオアシスで過ごす豊かな時間

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ローマは「石畳と古代遺跡の街」というイメージが強いかもしれませんが、実はヨーロッパ屈指の緑あふれる都市でもあります。中心に位置するボルゲーゼ公園は広く知られていますが、そこから少し歩みを進めると、ローマの別の顔を見せる広大な公園群が広がっています。観光の合間に疲れた身体と心をリフレッシュするために、地元の人たちのように公園でゆったりとした時間を過ごしてみてはいかがでしょうか。

古代ローマの主要幹線を辿る、アッピア街道州立公園

「あらゆる道はローマへ通ず」という言葉の由来となったのが、このアッピア街道です。かつてローマ軍が南方へ進軍するために築かれたこの道は、いまや広大な州立公園として保存されています。石畳の道を歩けば、沿道に点在する古代の墓所や地下墓地(カタコンベ)、水道橋の遺跡が次々と姿を現し、まるで時間を遡ったかのような不思議な感覚を味わえます。

この公園の広大さを実感するには、レンタサイクルが最適です。入り口近くの案内所で自転車を借り、風を感じながら古代の道を走り抜ける爽快感は格別です。途中では、羊の群れがのんびり草を食む牧歌的な風景にも出会えます。都会の喧騒から離れ、ずっと続くかのような松並木の小道の静けさを満喫してください。

実践ガイド:アッピア街道サイクリングを楽しむために

  • 準備と持ち物: 動きやすく、汚れても構わない服装がおすすめです。特に夏場は強い日差しが予想されるため、日焼け止め、帽子、サングラスは必携アイテムです。水分補給用のボトルも忘れずに。公園内には「ナゾーネ」と呼ばれる公共の水飲み場が点在しているので、空になっても補充が可能です。また、軽食やサンドイッチを持ち込んでピクニックを楽しむのも良いでしょう。
  • レンタサイクルの利用手順: 公園のメインゲート近くにあるインフォメーションスポット「Appia Antica Caffè」で自転車を借りられます。パスポートなどの身分証明書の提示が求められることが多いため、必ず持参してください。利用料金は時間制や一日レンタルなど多様で、マウンテンバイクや電動アシスト付き自転車も選べます。事前に公式サイトで料金や営業時間を確認しておくと安心です。アッピア街道州立公園の公式サイト(イタリア語ですが、ブラウザの翻訳機能で閲覧可能)で最新情報を入手できます。
  • トラブルが起きた場合の対処法: 自転車のパンクやチェーン外れなどの軽微なトラブルには、レンタルショップで修理キットを貸し出していることがあります。借りる際に緊急連絡先を確認しておくとよいでしょう。もし迷子になってしまった場合は、スマートフォンの地図アプリが役立ちますが、電波が届きにくい場所もあるため、オフライン地図を事前にダウンロードしておくと安心です。

ローマの水道技術の象徴、水道橋公園

また、ローマ郊外でおすすめしたい場所が「水道橋公園(Parco degli Acquedotti)」です。その名が示す通り、古代ローマ時代に築かれた巨大な水道橋の遺跡群が、緑豊かな丘陵地に連なってそびえ立つさまは圧巻です。観光客は少なく、犬の散歩やジョギング、読書に興じる地元の人々が思い思いの時間を過ごす憩いの場となっています。

夕暮れ時には、茜色の空を背景に水道橋のシルエットが浮かび上がり、言葉を失うほどの美しさを見せます。その壮大な景観の中にいると、2000年以上前にこれほど巨大な構造物を築きあげた古代ローマ人の技術力と情熱に、自然と畏敬の念が湧いてきます。ここでは、歴史の重みと自然の雄大さを同時に感じることができるのです。

猫好き必見!古代遺跡に暮らす自由な魂との出会い

ローマの街を歩いていると、ふとした瞬間に猫の姿が目に入ることがあります。彼らは、この街の真の支配者であるかのように、古代遺跡の瓦礫の上で昼寝をしたり、教会の階段で毛づくろいをしたりと、自由気ままに暮らしています。そんなローマの猫たちと確実に出会える、猫好きにとっての聖地ともいえるスポットがあります。

それが市の中心部に位置する「トッレ・アルジェンティーナ広場(Largo di Torre Argentina)」です。この広場には、共和政ローマ時代の4つの神殿の遺跡が発掘された場所があり、現在は数百匹の猫たちの楽園となっています。さらに驚くべき点は、ここがあのユリウス・カエサル(ジュリアス・シーザー)が暗殺された歴史的な舞台でもあることです。歴史の大事件の現場が、今では猫たちの安住の地となっている事実は、ローマという街の懐の深さを感じさせます。

遺跡エリア自体は立ち入り禁止ですが、その周囲のフェンス越しに、様々な猫たちがくつろぐ様子をゆったりと眺めることが可能です。遺跡の内部には、ボランティアが運営する猫の保護シェルターがあり、病気や怪我をした猫たちの世話をしています。

読者が実際にできること:猫たちとの優しい接し方

  • 禁止事項やルール: 猫たちは非常に愛らしい存在ですが、彼らは野生の猫であり保護対象でもあります。むやみに触れたり、人間の食べ物を与えたりすることは避けましょう。特にフラッシュを使っての撮影は、猫たちを驚かせてしまうため禁止されています。静かに、猫たちの生活を尊重しながら見守ることが最も重要です。
  • 保護施設への支援: 猫たちの楽園は、世界中からの寄付によって成り立っています。もし猫たちの活動を支援したい場合は、広場に隣接する小さなオフィス兼ショップを訪れてみてください。ここでは寄付の受付のほか、猫をモチーフにしたオリジナルグッズが販売されており、その収益は猫たちの医療費や食費に充てられます。遠方からでも参加できる「遠距離里親制度」のようなプログラムも用意されています。詳しくはTorre Argentina Cat Sanctuaryの公式サイトをご覧ください。
  • アレルギーへの注意: 猫好きにはたまらない場所ですが、猫アレルギーのある方は注意が必要です。遺跡周辺には多くの猫がいるため、アレルギー症状が出る可能性があります。自身の体調を考慮したうえで訪問を検討しましょう。

ムッソリーニが夢見た「新ローマ」?異質の空気が流れるエウル地区

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古代遺跡やバロック様式の教会が軒を連ねるローマの中に、まったく異質でどこか近未来的かつ無機質な雰囲気を漂わせるエリアがあります。それが、市の南部に位置する「エウル(EUR)地区」です。

EURは「Esposizione Universale di Roma(ローマ万国博覧会)」の略称で、この地区は1942年に予定されていた万博に向けて、ベニート・ムッソリーニ率いるファシスト政権時代に計画・建設されました。古代ローマ帝国の栄光を現代に蘇らせるという壮大なビジョンのもと、合理的かつ記念碑的な巨大建造物が次々と築かれたのです。

この地区の象徴とも言えるのが、通称「四角いコロッセオ」と呼ばれる「イタリア文明宮(Palazzo della Civiltà Italiana)」です。無数のアーチが整然と並ぶその外観は、古代ローマのコロッセオを彷彿とさせますが、一切の装飾を排したミニマルなデザインが見る者に強烈な印象を与えます。ほかにも、大きな円柱が特徴的な会議宮(Palazzo dei Congressi)やサンティ・ピエトロ・エ・パオロ大聖堂など、地区全体が統一美学のもとにデザインされており、歴史的な街並みとは異なるローマの異なる顔を見せています。

第二次世界大戦の勃発により万博は中止となりましたが、その後も開発は継続され、現在はオフィス街や高級住宅地として機能しています。映画のロケ地に使われることも多く、その独特の雰囲気は多くのクリエイターにインスピレーションを与えてきました。人で賑わう中心地とは対照的に、広々とした通りや整然とした街並みが広がるエウル地区を歩けば、ローマの歴史の複雑な一面に触れることができるでしょう。

読者向け散策ガイド:エウル地区の楽しみ方

  • アクセス方法: エウル地区への移動は、テルミニ駅などから地下鉄B線を利用するのが便利です。「EUR Magliana」「EUR Palasport」「EUR Fermi」のいずれかの駅で下車すると、主要な建築物が集中するエリアに簡単にアクセスできます。
  • 散策のおすすめスポット: まずは「四角いコロッセオ」として知られるイタリア文明宮を目指しましょう。現在は高級ブランドFENDIの本社が入っており内部には入れませんが、その圧倒的な存在感を外観から見るだけでも十分に価値があります。続いては中央にある大きな池「Laghetto dell’EUR」の周りを散策してみてください。ボートに乗ったり、池畔のカフェで休憩したりすることができ、地元の人々とともにゆったりとした時間を過ごせます。また、池の近くには日本の建築家・山口文象が設計した日本文化会館があり、美しい日本庭園の見学も可能です。
  • 注意点: エウル地区はオフィスや住宅が主体のエリアのため、夜間や週末になると人通りが減ります。特に日没後の一人歩きは、大通りから外れた場所で避けた方が安全です。日中の明るい時間帯に、その独自の建築美を楽しむのが最適でしょう。

サステナブルに旅する、新しいローマの歩き方

「永遠の都」と称されるローマの美しさを、未来の世代へと繋いでいくために、私たち旅行者ができることは何でしょうか。環境負荷を軽減し、地域の文化や経済に寄与する「サステナブルな旅」は、決して難しいものではありません。むしろ、少しの意識の変化が旅を一層深く、豊かなものにしてくれます。

  • 賢明な移動手段の選択: ローマの歴史地区は、多くが徒歩で十分に散策できる範囲です。石畳の道を自分の足で歩くことで、車では見逃してしまいがちな小さな発見や出会いが生まれます。やや距離のある場所へは、バスや地下鉄、トラムといった公共交通機関を積極的に利用しましょう。ATAC(ローマ公共交通会社)が発行する一日券や複数日券を購入すれば、乗り降り自由でコストも抑えられます。チケットはタバッキ(タバコ屋兼雑貨店)、駅の券売機、もしくは公式アプリ「TicketAppy」から買うことが可能です。
  • マイボトルとナゾーネの利用: ローマの街中には、「ナゾーネ(大きな鼻)」と呼ばれる公共の水飲み場が至る所に設けられています。この水飲み場の水は、古代ローマの水道橋の技術を受け継いだ清らかで美味しい飲料水です。常にマイボトル(水筒)を携帯し、ナゾーネで水分補給を行う習慣を心がけましょう。そうすることでペットボトルの水を買う必要がなくなり、プラスチックごみを大幅に削減できます。環境にもお財布にも優しい、ローマならではの素敵な習慣です。
  • 地産地消で地域を支援: レストランを選ぶ際には、「Km 0(キロメートル・ゼロ)」の表記を探してみてください。これは地元や近郊で収穫された食材を積極的に使用している証です。地域の農家を応援し、輸送に伴うエネルギー消費の削減にもつながります。また、テスタッチョ市場のような地元市場で食材を購入し、アパートメントタイプの宿泊施設で自炊するのも良いサステナブルな体験です。注文は食べきれる量にし、食べ残しを出さないことも心がけましょう。
  • 責任ある買い物: お土産を選ぶ際は、大量生産品ではなく、地元の職人が手作業で作った工芸品を選ぶのがおすすめです。小さな工房や個人商店を訪れることで、作り手の顔が見えるだけでなく、その地域の伝統文化の支援にもなります。買い物時にはエコバッグを持参し、不必要な包装は遠慮するよう心がけましょう。

旅のトラブルも想定内に。安心してローマを楽しむための準備

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どんなに素晴らしい旅であっても、予期しないトラブルが起こる可能性はあります。しかし、あらかじめ情報収集と準備を行うことで、多くの問題は防げたり、被害を最小限に抑えたりすることができます。安心してローマの魅力を満喫するために、最後に知っておきたい実用的なポイントをご紹介します。

  • スリ・置き引き対策: ローマは比較的安全な街ですが、観光客を狙ったスリや置き引きは残念ながら存在します。特に混雑した地下鉄やバス、観光地周辺では注意が必要です。バッグは必ず体の前で抱え、ファスナー付きのものを選ぶことが大切です。リュックを使う場合は前に抱えるのが最も安全です。貴重品は一か所にまとめずホテルのセーフティボックスも利用し、持ち歩く現金はできるだけ少なくしましょう。
  • 公共交通機関のストライキ(Sciopero)について: イタリアでは公共交通機関のストライキが比較的頻繁に発生します。ストライキの予定は事前に告知されることが多いため、旅行前にATACの公式サイトやニュースで「Sciopero」の情報をこまめにチェックする習慣をつけると安心です。もし滞在中にストライキに出くわした場合でも、慌てず徒歩移動に切り替えたり、タクシー配車アプリ(FREE NOWなど)を活用したりして代替手段を確保しましょう。時間に余裕をもったスケジュールを心がけることがポイントです。
  • レストランでの会計トラブルを防ぐ: イタリアの多くのレストランでは、「コペルト(Coperto)」という席料(パン代を含む)が別途加算されます。これは違法なものではなく、メニューに明記されています。また、サービス料が追加される店もあります。会計時に驚かないためにも、注文前にメニューでコペルトやサービス料の有無を確認しておくとよいでしょう。もし不明瞭な請求があれば、遠慮せずにスタッフに確認することが重要です。観光客向けの強引な客引きがいる店よりも、地元の人たちで賑わう店を選ぶのがトラブル回避のコツのひとつです。
  • 緊急時の備えについて: 万が一の状況に備え、警察(113)や救急(118)などの緊急連絡先、さらに在イタリア日本国大使館の連絡先をメモしておきましょう。また、海外旅行保険への加入は必須事項です。病気や怪我、盗難など多様なトラブルに対応してくれる保険に入っていると、精神的な安心感が大きく異なります。自分が加入している保険がどのようなケースをカバーしているのか、必ず出発前に確認しておきましょう。
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この記事を書いたトラベルライター

サステナブルな旅がテーマ。地球に優しく、でも旅を諦めない。そんな旅先やホテル、エコな選び方をスタイリッシュに発信しています!

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