日本航空(JAL)グループは、2024年2月1日発券分からの国際線「燃油特別付加運賃(燃油サーチャージ)」の改定を発表しました。今回の改定では多くの路線で金額が引き上げられ、特に欧米などの長距離路線では往復で5万8,000円となり、海外旅行を計画している多くの人々に影響を与えそうです。
simvoyageでは、このニュースの背景と今後の見通しについて、詳しく解説していきます。
なぜ今、燃油サーチャージが上がるのか?その背景を探る
通常、燃油サーチャージは航空燃料の市況価格に連動して2ヶ月ごとに見直されます。今回の改定は、2023年10月から11月のシンガポールケロシン(航空燃料)の市況価格を基準に決定されました。
しかし、ここで注目すべきは、基準となる燃料価格そのものは前期(8月〜9月)に比べて下落している点です。にもかかわらず、サーチャージ額が引き上げられるという、一見すると矛盾した事態が起きています。
その最大の理由は、JALが燃油サーチャージの算出基準となる「料金テーブル」そのものを改定したためです。JALは今回の発表で、「燃油価格変動および為替変動に応じた適切な運賃体系とするため」と説明しており、近年の急激な円安進行や、燃油以外のさまざまなコスト上昇を運賃体系に反映させるための構造的な見直しに踏み切った形です。
つまり、今回の値上げは単なる燃料価格の上下動によるものではなく、航空会社の収益構造の変化に対応するための、より本質的な価格改定と言えるでしょう。なお、全日本空輸(ANA)も同日に同様の料金改定を発表しており、日本の航空業界全体での動きとなっています。
新料金をチェック!主要路線のサーチャージ額
2024年2月1日以降に発券する場合の、日本発着の主要な路線の燃油サーチャージ額(片道)は以下の通りです。往復の場合はこの2倍の金額が必要となります。
- 北米・欧州・中東・オセアニア
- 新料金: 29,000円
- (現行: 23,500円)
- 往復で11,000円の値上げ
- ハワイ・インドネシア・インド・スリランカ
- 新料金: 18,500円
- (現行: 15,000円)
- タイ・シンガポール・マレーシア・ベトナム・カンボジア・フィリピン
- 新料金: 15,000円
- (現行: 12,000円)
- グアム・パラオ・中国・香港・台湾
- 新料金: 9,500円
- (現行: 8,500円)
- 韓国・ウラジオストク
- 新料金: 3,000円
- (現行: 2,500円)
旅行者への影響と今後の見通し
この燃油サーチャージの引き上げは、私たち旅行者にとって海外旅行の総費用が直接的に増加することを意味します。特に、家族での旅行や長距離路線を利用する場合には、家計への負担が大きくなることは避けられません。
今、旅行を計画するなら
- 1月中の発券を検討する
今回の新料金は2024年2月1日以降の発券分から適用されます。したがって、春休みやゴールデンウィークの旅行計画がすでに固まっている場合は、1月31日までに航空券を発券することで、値上げ前の旧料金が適用され、費用を抑えることが可能です。
- LCCや外資系航空会社も選択肢に
燃油サーチャージは航空会社によって設定が異なります。LCC(格安航空会社)の中には燃油サーチャージを徴収しない、あるいは運賃に含めている会社もあります。また、外資系航空会社も日系とは異なる料金体系を持っている場合が多いため、複数の航空会社を比較検討することが、これまで以上に重要になるでしょう。
今後の予測
燃油サーチャージの今後の動向は、引き続き「原油価格」と「為替レート」という2つの大きな要因に左右されます。不安定な中東情勢は原油価格の上昇リスクをはらんでおり、また、円安トレンドが継続すれば、円建てのサーチャージ額は高止まりする可能性があります。
今回の料金テーブル自体の見直しは、航空会社が不安定な経済環境の中でも安定した経営基盤を確保するための動きであり、今後、この新しい基準が日本の航空業界のスタンダードとなるでしょう。私たち旅行者は、航空券の価格に燃油サーチャージが大きな変動要因として含まれることを常に意識し、最新の情報をチェックしながら、賢く旅行計画を立てていく必要があります。

