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絶景の連続!「大西洋の真珠」マデイラ島を巡る、忘れられないドライブコース完全ガイド

大西洋にぽつんと浮かぶ、緑豊かな宝石のような島、マデイラ。一年を通して温暖な気候に恵まれ、「常春の島」とも呼ばれるこの場所は、息をのむような断崖絶壁、咲き誇る花々、そしてどこまでも続く紺碧の海が織りなす、まさに楽園です。リスボンから飛行機でわずか1時間半。ヨーロッパの喧騒から逃れ、手つかずの自然に抱かれたいと願う旅人たちが、こぞってこの島を目指します。

そんなマデイラ島の魅力を、心ゆくまで味わい尽くすための最高の手段、それが「ドライブ」です。公共交通機関も整備されていますが、島の隅々に隠された絶景や、地図には載っていない小さな村の温かい日常に触れるには、やはり自分のペースで自由に巡れるレンタカーが欠かせません。曲がりくねった海岸線を風と共に走り抜け、ふと気になった展望台で車を停めて深呼吸する。そんな気ままな旅こそ、マデイラが与えてくれる最高の贅沢なのです。

この記事では、私が実際にハンドルを握って駆け抜けた、とっておきのドライブコースを3つ、たっぷりの写真と共にご紹介します。東海岸の荒々しい絶景から、西海岸の天然プール、そして雲の上に広がる幻想的な山岳地帯まで。それぞれのコースで出会える景色や体験、そして安全に楽しむための具体的なアドバイスまで、詳しく解説していきます。さあ、シートベルトを締めて。マデイラの心臓部へと続く、感動のドライブ旅行へ出発しましょう。

ドライブで島の魅力を堪能した後は、地元の活気あふれるサント・ダ・セラ市場を訪れて、マデイラの心に触れる旅を続けてみませんか。

目次

旅の翼を手に入れる!マデイラ島ドライブの基本とレンタカー準備

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最高のドライブ旅行は、しっかりとした準備から始まります。まずは、マデイラ島でレンタカーを借りるにあたっての基本情報と、運転のポイントについて詳しく見ていきましょう。これらを押さえておくことで、旅の自由度や安心感が格段に高まります。

なぜマデイラ島でのドライブが特別なのか

マデイラ島には、フンシャル市内を中心にバス路線も整備されていますが、島の魅力を存分に味わうなら、やはりドライブが一番です。その大きな理由は「自由度」にあります。

  • 絶景スポットを見逃さない: 海岸線や山間部には「ミラドゥーロ」と呼ばれる展望台が点在しています。バスでは素通りしてしまうような小さな展望台でも、自分のペースで立ち寄れるのがドライブの強みです。息をのむ美しい景色を前に、時間を忘れてのんびり過ごせるのはドライブならではの贅沢です。
  • 計画の柔軟性が高い: その日の天候や気分に合わせて目的地を変えられます。「今日は東の空が美しいから、日の出を見にピコ・ド・アリエイロへ行こう」「午後は暑いから、ポルト・モニスの天然プールで涼もう」といった臨機応変な旅が叶います。
  • 隠れた名店に出合える: 観光の中心地から少し離れた山間の村には、地元の人に愛される隠れた名店が存在します。ドライブならではの偶然の出会いが、旅をより豊かにしてくれます。

レンタカー予約と手続き:スムーズに旅を始めるために

マデイラ・クリスティアーノ・ロナウド国際空港(FNC)には、多くのレンタカー会社のカウンターが並び、到着後すぐに手続きを行えます。ただし、特に夏のピークシーズンは混雑して希望の車種がなくなることも多いため、日本から事前にオンラインで予約しておくのがおすすめです。

準備すべきもの一覧

  • 国際運転免許証: 日本で発行される国際運転免許証は必須です。必ず日本の運転免許証とパスポートも携帯し、忘れないよう出発前に何度も確認してください。
  • クレジットカード: 予約名義人のクレジットカードが必要です。デポジットの支払いに使われるため、利用可能額が十分あるか確認しましょう。デビットカードは使えないことが多いので注意が必要です。
  • 予約確認書: オンライン予約時の確認書を印刷するか、スマホに保存しておきましょう。

レンタカーの借り方の流れ

  • オンライン予約: 大手のレンタカー比較サイトを利用すると複数の会社の料金やサービスが一度に比較でき便利です。フルカバー保険付きプランを選択すると、万が一の場合も安心です。予約はRentalcars.comなどの国際的なサイトで簡単に行えます。
  • 空港カウンターで手続き: 到着ロビーには各社のカウンターが並んでいますので、予約した会社の窓口で予約確認書、パスポート、日本の運転免許証、国際運転免許証、クレジットカードを提示します。
  • 契約書の確認と署名: 保険内容や返却場所・時間などをよく確認し、契約書に署名します。疑問点があれば、この時点で必ず質問しましょう。
  • 車両のチェック: 鍵を受け取り、指定された駐車スペースで車体の傷やへこみ、タイヤの状態などをスマホで撮影しておくと返却時のトラブルが避けられます。操作方法(AT/MTやライト、ワイパーなど)が不明なら、遠慮なくスタッフに尋ねてください。

マデイラ島の道路事情と運転ポイント

マデイラの道路は、まるでアトラクションのような変化に富んだ地形で、飽きることはありませんが注意も必要です。島の主要都市間は「Via Rápida(ヴィア・ラピダ)」と呼ばれる高速道路(VR1)で結ばれ、とても走りやすいです。しかし、一歩脇道に入ると様子は一変します。

  • 山道と急カーブの連続: 内陸部や海沿いの旧道は道幅が狭く、急勾配やヘアピンカーブが続きます。対向車とすれ違うのが困難な場所も多いため、速度を抑え、先の見通しを常に意識しながら運転しましょう。
  • 多くのトンネル: マデイラは「トンネルの島」といわれるほどトンネルが多いです。新しいトンネルは明るく走りやすいですが、古いトンネルは照明が暗い場合もあるため、入る際は必ずヘッドライトを点灯してください。
  • ラウンドアバウトの多さ: ヨーロッパでよく見られる環状交差点「ラウンドアバウト」が非常に多いです。基本ルールは「内側を走っている車が優先」。進入の際は右側から来る車を確認し、安全なタイミングで合流しましょう。出口付近では、一つ手前の出口を通過したあたりで左ウィンカーを出すのがマナーです。
  • 天候の急変に注意: 山岳地帯では天気が急変します。麓は晴れていても山頂は霧に覆われたり、突然の雨に見舞われることもあります。こまめに天気情報を確認し、安全運転を心がけてください。

トラブル発生時の対応法

万が一事故や故障が起きた場合は、まず冷静に対応しましょう。

  • 安全確保: ハザードランプを点け、後続車に注意を促しながらできるだけ路肩など安全な場所へ車を移動させます。
  • 連絡を取る: 契約書や車内ダッシュボードに記載されている緊急連絡先に連絡しましょう。ポルトガルの緊急番号は「112」です。状況を伝え、指示を仰いでください。
  • 位置情報の確認: 現在地を正確に伝えるために、Googleマップなどの地図アプリで位置情報を確認しておくとスムーズです。

これらの準備が整えば、いよいよ絶景ドライブのスタートです。まずは、マデイラらしい原風景を楽しめる東海岸ルートをご案内します。

コース1:荒々しい地球の息吹を感じる、東海岸絶景ルート

フンシャルを出発し、マデイラ島の東端に位置するサン・ロレンソ岬を目指すこのルートでは、島の持つ力強く男性的な自然の一面を存分に味わうことができます。植物の少ない赤茶けた大地がむき出しとなった荒涼とした景観は、他の場所では見られない独特の表情を見せてくれます。所要時間は観光を含めて約半日ほどで、午前中の出発がおすすめです。

ルートの概要

フンシャル → カニサル(Caniçal)→ サン・ロレンソ岬(Ponta de São Lourenço)→ マシコ(Machico)→ フンシャル

フンシャルからサン・ロレンソ岬へ(VR1、ER109)

フンシャルの中心街から高速道路「VR1」を東へ進みます。空港を通り過ぎ、マシコの標識が見えたら、その先で「Caniçal」方面へ進路を変えます。高速を降りて「ER109」を進むと、景色は一変。緑が豊かだった車窓の風景が徐々に低木とごつごつとした岩肌が目立つ荒涼とした風景に変わっていきます。この景色の変化こそ、東海岸ルートの醍醐味の始まりです。

道はサン・ロレンソ岬の先端にある駐車場まで続いています。終点のロータリーが駐車場になっており、無料で利用可能ですが、ハイシーズンや週末の昼間は満車になることもあるため注意が必要です。手前の路肩にはいくつか駐車スペースがあるので、空きがあれば早めに停めるのが賢明です。

Ponta de São Lourenço:地球の果てを歩く体験

駐車場に車を停めたら、ここからトレッキングが始まります。マデイラ島が火山活動によって形作られたことを実感させる、壮大な断崖が果てしなく続きます。岬の先端までのトレイルは往復約8kmで、所要時間はおよそ3時間です。アップダウンがあり、日差しを遮る場所がないため、十分な準備が必要です。

ハイキングの準備と持ち物のポイント

  • 服装: 動きやすく速乾性のある服装が基本。風が強いことが多いため、薄手のウィンドブレーカーは必携です。夏でも冷たい風を感じる場合があります。
  • 靴: 履き慣れたスニーカーやトレッキングシューズを必ず着用。サンダルは危険です。
  • 持ち物: 十分な飲料水(目安は1人あたり1.5リットル以上)、帽子、サングラス、日焼け止めは欠かせません。軽食や行動食(ナッツやドライフルーツなど)があると安心です。
  • 注意点: トレイルには柵のない場所が多く、崖のすぐそばを歩く区間もあります。特に強風時は注意が必要で、足元から目を離さずに歩きましょう。無理をせず、自分のペースで楽しむことが大切です。

トレイルの途中には、息をのむ絶景ポイントが多数あります。大西洋の荒波が削り取った奇岩や、限りなく広がる青い海と空。まるで地の果てに到達したかのような孤独感と、地球の壮大さを同時に味わえる特別な場所です。時間や体力に自信がない方も、駐車場周辺を少し散策するだけで、その圧倒的なスケールの一端を体感できます。

マシコ:マデイラの初代首都でのんびりランチを楽しむ

サン・ロレンソ岬で自然の力強さを堪能した後は、歴史的な港町マシコへ向かいます。岬から「ER109」を戻り、VR1の手前で「Machico」の標識に従って進みましょう。マシコは15世紀、ポルトガル人がマデイラ島に最初に上陸した地であり、かつては島の首都でした。現在は静かで美しいビーチタウンとして知られています。

マシコの魅力は、黄金色の人工砂浜。モロッコから運ばれた砂で作られたこのビーチは、家族連れや海水浴客で賑わい、サン・ロレンソ岬の荒々しい風景とは対照的に穏やかな雰囲気が漂います。ビーチ沿いにはシーフード料理が自慢のレストランやカフェが立ち並びます。

新鮮な魚のグリル「ペイシェ・エスパーダ(太刀魚)」や、マデイラ名物の串焼き「エスペターダ」などを味わいながら、ドライブの疲れを癒してみてはいかがでしょうか。海を眺めながら飲む冷たいコーラルビールは、まさに至福のひとときです。

フンシャルへの帰路

満腹と満足を得たら、再びVR1を利用してフンシャルへ戻ります。マシコからフンシャルまでは約30分の快適なドライブです。車窓に広がる東海岸の景色を後にしながら、今日の冒険を振り返る時間も、ドライブ旅の楽しみの一つとなるでしょう。

コース2:紺碧の海と天然プールを巡る、西海岸ハイライトルート

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島の西側を巡るこのルートは、マデイラを象徴する美しい漁村や、ヨーロッパ一の高さを誇る断崖、さらには自然が生み出した独特の溶岩プールなど、見どころが豊富な定番コースです。太陽の光を浴びて輝く海沿いの道を、オープンカーで爽快に駆け抜けたくなるような、さわやかな一日が約束されています。所要時間はまる一日で、水着とタオルは必ずお持ちください。

コース概要

フンシャル → カマラ・デ・ロボス(Câmara de Lobos)→ カボ・ジロン(Cabo Girão)→ ポルト・モニス(Porto Moniz)→ セイシャル(Seixal)→ フンシャル

フンシャルからカラフルな漁村カマラ・デ・ロボスへ(VR1)

フンシャルから高速道路VR1を西へ約10分走ると、まず目に飛び込んでくるのが絵のように美しい漁村、カマラ・デ・ロボスです。かつてイギリスの首相ウィンストン・チャーチルがこの地の風景を愛し、多数の絵を遺したことでも知られています。高速道路を降りるとすぐに港が見え、その鮮やかな景色が心に残ります。

港には色とりどりに塗られた小型漁船「Xavelhas(シャヴェーリャス)」が浮かび、ゆったりとした時間が流れています。白い壁とオレンジ色の屋根の家々が斜面に密集しており、まるで地中海の港町のような趣きです。村の中心部は道幅が狭く駐車スペースが限られるため、港周辺の有料駐車場を利用するのが便利です。

ここではぜひ、名物ドリンク「ポンシャ(Poncha)」を味わってみてください。サトウキビを蒸留した酒「アグアルデンテ」にハチミツとレモン汁(またはオレンジやパッションフルーツ)を加えたカクテルで、アルコール度数は高めですが甘酸っぱくて飲みやすいのが特徴です。運転される方はノンアルコールで楽しみ、港のカフェでその雰囲気を味わうだけでも満足できるでしょう。

カボ・ジロン:天空の展望台で足がすくむ体験(VE3)

カマラ・デ・ロボスの後は、海岸線から少し内陸へ入る「VE3」道路を通ってカボ・ジロンの展望台を目指します。カボ・ジロンは海抜580mの断崖絶壁で、ヨーロッパ一、世界でも二番目に高い断崖として知られています。ここでの目玉は、ガラス張りのスカイウォークです。

駐車場に車を停め展望台へ足を踏み入れると、目の前に広がるのは吸い込まれそうな断崖と果てしない大西洋。そして真下は透明なガラスに覆われており、その下に海岸線や段々畑が透けて見え、まるで空中に浮かんでいるかのようなスリルを味わえます。高所恐怖症の方は少し躊躇するかもしれませんが、一歩踏み出せばここでしか見ることのできない絶景が待っています。入場は無料で楽しめます。

ポルト・モニス:自然が生んだ究極のインフィニティプール(VE3、VE2、ER101)

カボ・ジロンの感動を味わった後は、島の北西端にあるポルト・モニスへ向かう長距離ドライブが始まります。VR1をさらに西へ走り、リベイラ・ブラヴァ(Ribeira Brava)を抜けてから、北部へ通じる「VE4」または「ER101」へと進みます。高原地帯を通る道は霧が発生しやすいものの、晴れた日のドライブは圧巻です。続く海岸線沿いの「ER101」はマデイラを代表する絶景ドライブルートで、多くのトンネルやカーブを越えると、目の前にポルト・モニスの町が現れ、その瞬間の感動は忘れがたいものがあります。

ポルト・モニスは、火山活動で流れ出た溶岩が海水に冷やされて誕生した天然溶岩プールで世界的にも有名です。黒くごつごつした溶岩に囲まれたプールは、まるで自然が生み出した芸術作品のようで、波しぶきがかかるほど海に近い場所に位置しながらも、プール内は穏やかで安全に泳ぐことができます。

天然プールの楽しみ方と注意事項

  • 施設設備: 有料の施設(Piscinas Naturais do Porto Moniz)と無料エリアがあります。有料のほうには更衣室、シャワー、ロッカー、ライフガードがあり、家族連れでも安心して楽しめます。入場料は数ユーロ程度です。
  • 持ち物: 水着、タオル、ビーチサンダルは必携です。溶岩は非常にごつごつしているため、足を傷つけないようサンダルが役立ちます。日差しも強いため防水の日焼け止めもお忘れなく。
  • 禁止事項: プールサイドは滑りやすいため走らないでください。波が高い日や悪天候時は安全面から遊泳禁止になることもあります。現地スタッフの指示には必ず従いましょう。
  • 利用の流れ: チケット購入後、更衣室で着替えて貴重品はロッカーへ。シャワーで体を流してからプールに入りましょう。海水のため少し冷たいですが、慣れると非常に快適に過ごせます。最新の営業時間や料金はポルト・モニス市の公式サイトをご覧ください。

セイシャル:黒砂ビーチと滝の息をのむ絶景

ポルト・モニスでリフレッシュした後は、帰路の途中にある小さな村セイシャルに立ち寄ります。ポルト・モニスから「ER101」を東へ少し戻った場所にあり、マデイラでは珍しい天然の黒砂ビーチが楽しめます。ポルト・モニスとはまた異なる落ち着いた海岸美を堪能できるスポットです。

黒い砂浜の背後には緑豊かな崖がそびえ、黒砂と青い海のコントラストが見事に映えます。また、セイシャル近郊には「花嫁のヴェール(Véu da Noiva)」と呼ばれる有名な滝もあり、道路沿いに直接流れ落ちています。旧道ER101沿いの展望台からその美しい姿を鑑賞でき、自然の力強さと繊細さを同時に感じられる場所です。

フンシャルへ戻るには、サン・ヴィセンテ(São Vicente)を経由し島を縦断する「VE4」を進み、南海岸へ向かうルートが最短かつ快適。西海岸の多彩な自然美を一日でたっぷり満喫できる充実のコースです。

コース3:雲上の道を走る、天空と緑の山岳ルート

マデイラの魅力は海だけにとどまりません。島の中心部には標高1800メートルを超える険しい山々が連なり、まるで異世界のような壮大な景観が広がっています。このルートは、島の最高峰ピコ・ルイヴォの麓まで足を伸ばし、まるで雲の上をドライブしているかのような非日常的な体験を提供します。天候に左右されやすいものの、晴れた日には言葉にできないほどの感動が味わえます。防寒対策は必ずお忘れなく。

ルート概要

フンシャル → ピコ・ド・アリエイロ(Pico do Arieiro)→ リベイロ・フリオ(Ribeiro Frio)→ サンタナ(Santana)→ フンシャル

フンシャルから雲上の展望台ピコ・ド・アリエイロへ(ER103, ER202)

フンシャルから内陸方面へ、「ER103」を北へ進みます。モンテ地区を過ぎると道は急激に標高を上げ始め、ユーカリや松の林を抜ける曲がりくねった道路が続きます。途中、ポイゾ峠(Poiso)を越えて「Pico do Arieiro」の案内に従い「ER202」へ進むと、まさに天空へと続く道が現れます。

標高が上がるにつれて周囲の植生が変化し、視界が一気に開けてきます。やがて、自分たちが雲の上を走っていることに気づき、驚くはずです。眼下に広がる雲海は、まるで白い絨毯のような美しさです。この景色を目の当たりにするだけでも、マデイラへの訪問価値を感じられる絶景です。ピコ・ド・アリエイロの標高は1818メートルで、島内で3番目に高い山ですが、山頂近くまで車でアクセスできるのが魅力です。

山頂にはポルトガル空軍のレーダードームのほか、展望台やカフェ、お土産店もあります。駐車場は無料ですが、日の出の時間帯は特に多くの観光客で賑わいます。ここはマデイラで最も美しい日の出スポットとして知られ、雲海から昇る太陽の瞬間はまさに神秘的で一生心に残る絶景です。

山頂での準備と注意事項

  • 服装について: 麓は暖かくても、山頂は平気で10度以上気温が下がることがあります。夏場でもフリースやダウンジャケットなどの防寒具を必ず用意しましょう。風も強いため、ウィンドブレーカーがあると安心です。
  • 天候チェック: 山の天気は急変しやすいため、出発前にウェブカメラで山頂の様子を確認することをおすすめします。Net Madeiraのウェブカメラでリアルタイム映像が見られます。霧などで視界が悪ければ、日を改めるのが賢明です。
  • 高山病に注意: 標高自体は高くありませんが、急激に標高を上げるため、軽い頭痛など高山病の兆候を感じる人もいるかもしれません。無理せずゆっくり行動し、こまめな水分補給を心がけてください。

ピコ・ド・アリエイロからは島の最高峰ピコ・ルイヴォ(1862m)へ向かう、マデイラで最も有名かつ過酷なトレッキングコースが延びています。体力に自信のある方はぜひ挑戦してみてください。

リベイロ・フリオの森とサンタナの三角屋根の家を訪ねて(ER103)

天空の絶景を満喫したのち、再びER103を北へ下り、リベイロ・フリオ(Ribeiro Frio)へ向かいます。ここはマデイラ固有の植物が茂るラウリシルヴァ(照葉樹林)が見事なエリアで、マス(トラウト)の養殖場としても知られています。ひんやりとした森の空気はドライブの合間のリフレッシュにぴったりです。レヴァダと呼ばれる用水路に沿った手軽なウォーキングコース「Vereda dos Balcões」は往復約30分で、終点の展望台からは深い緑の谷や山々の壮大な景色が楽しめます。

リベイロ・フリオから更に北へ進むと、北海岸の町サンタナに到着します。サンタナは伝統的な三角屋根の茅葺き家「カジーニャス・デ・サンタナ(Casinhas de Santana)」で有名です。赤や青、白に彩られたかわいらしい家々はまるで童話の世界のよう。現在は土産物店や観光案内所として活用されており、マデイラの伝統的な生活が垣間見られる貴重な場所です。写真撮影スポットとしても大変人気があります。

北海岸からフンシャルへ戻る

サンタナからは、高速道路VR1と接続する道(VE1)を利用して島の東側を回り、フンシャルへ向かうのが便利です。山岳地帯の険しい道とは対照的に、快適なドライブで旅の締めくくりにふさわしいルートです。雲の上のドライブ、太古の森の散策、伝統文化との触れ合い――マデイラの深い魅力を1日で存分に味わえる忘れがたい旅となることでしょう。

マデイラの道が教えてくれる、自由という名の贅沢

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これまでに、マデイラ島の魅力を堪能するための3つのドライブコースをご紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。今回ご案内したルートは、あくまで数多くある選択肢の一つにすぎません。マデイラには、この記事で紹介しきれなかった数えきれないほどの絶景ルートや、魅力あふれる村々が隠されています。

最高のドライブコースはガイドブックに載っているものではなく、あなた自身が見つけ出すものかもしれません。地図を手に、気になる脇道にふらりと足を踏み入れてみる。偶然見つけた展望台でコーヒーを飲みながら、ゆっくりと流れる雲を眺める。そんな予定調和ではない、偶発的な出会いに満ちた旅こそが、ドライブ旅行の醍醐味であり、マデイラがもたらす最高の贈り物なのです。

運転中は、安全に最大限の配慮をする必要がありますが、ハンドルを握るあなたの手には、どこへでも行ける「自由」があります。海岸線の曲がり角を曲がるたびに広がる新たな景色、山道を登りきった先で出会う息をのむようなパノラマ。その一つひとつが、きっとあなたの心に深く刻まれ、旅の思い出をより鮮やかに彩ってくれるでしょう。

次にマデイラを訪れる際は、ぜひレンタカーを借りて、あなた自身の宝物を探しに出かけてみてください。島の道はいつも新しい発見と感動を用意し、あなたを待っています。さあ、次はどの道を走り出しますか?

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この記事を書いたトラベルライター

アパレル企業で培ったセンスを活かして、ヨーロッパの街角を歩き回っています。初めての海外旅行でも安心できるよう、ちょっとお洒落で実用的な旅のヒントをお届け。アートとファッション好きな方、一緒に旅しましょう!

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