「東洋のパリ」とも称され、近未来的な摩天楼と古き良き時代の租界建築が美しく融合する街、上海。その魅力は、訪れる季節によって全く異なる表情を見せてくれます。せっかくの上海旅行、最高の思い出にするためには、現地の気候を理解し、最適な服装と準備を整えることが何よりも大切です。雨に降られて残念な思いをしたり、予想外の寒さや暑さで体調を崩してしまっては、せっかくの旅も台無しになってしまいますから。
この記事では、上海の年間の天気と気候を徹底的に分析し、春・夏・秋・冬それぞれの季節に合わせた最適な服装や楽しみ方、そして旅行の目的別に「本当のベストシーズン」はいつなのかを、プロの視点から詳しく解説していきます。さらに、旅の準備に役立つ持ち物リストや、現地のネット事情、いざという時のトラブル対応まで、あなたが上海の地で一歩を踏み出すために必要な情報をすべて詰め込みました。
さあ、この記事を羅針盤にして、あなただけの完璧な上海旅行を計画し始めましょう。まずは、私たちがこれから旅するエキサイティングな都市の位置を、地図で確かめてみてください。
地図で位置を確認し、旅行へのイメージが膨らんだら、次にこの街の多様な魅力を知るために、上海の歩き方について詳しく見ていきましょう。
上海の気候をまるっと理解する

上海は日本の多くの地域と同様に温暖湿潤気候(亜熱帯モンスーン気候)に属し、四季がはっきりしていることが特徴です。地理的には日本の九州とほぼ同じ緯度に位置するため、気候面でも東京や大阪と似ている点が多く、日本人にはイメージしやすいかもしれません。
しかし、「似ている」という表現だけで片づけるのは早計です。上海の気候は日本の都市とは異なる独自の特徴を持っています。それは、「夏はより蒸し暑く、冬は身にしみるほど寒い」ということです。大陸の影響を強く受けるため、夏は高い湿度と熱気が街を包み込み、冬には乾燥した冷たい風が容赦なく吹きつけます。
年間を通じた平均気温は約17℃で、最も暑い7月と8月は平均30℃近くに達し、猛暑日には40℃近くまで上がることもあります。一方で、最も寒い1月と2月の平均気温は5℃前後で、氷点下にまで冷え込む日も少なくありません。
降水量は年間を通じて見られますが、特に多いのは6月から7月の「梅雨(メイユー)」期間と、8月から9月の台風シーズンです。この時期には、月の半分以上が雨になることも珍しくありません。
上海の気候を理解する際には、単に気温の数値だけでなく、湿度や風の影響が体感温度に大きな役割を果たすことを押さえておくことが重要です。夏の蒸し暑さや冬の冷たく肌を刺すような寒さといった、それぞれの季節の特徴をしっかり把握することが、快適な滞在の第一歩となります。
【季節別】上海の天気・気候とおすすめの服装・楽しみ方
それでは、季節ごとの上海の様子を詳しくご紹介します。各季節で推奨される服装や、その時期ならではの楽しみ方に加え、旅行者が準備すべきことや注意したいポイントもあわせて解説します。
春(3月~5月):希望に満ちた新しい始まりの季節
気候の特徴
厳しい冬が終わりを告げ、街が色鮮やかに染まり始める春の上海は、生き生きとした美しい季節です。3月に入ると徐々に気温は上がり始めますが、「寒の戻り」が度々訪れ、まだ冬の寒さを感じることもあります。日中は20℃近くまで上がって過ごしやすい反面、朝晩は10℃を下回ることもあり、雨天時は特に肌寒さが増すなど、一日のなかでの寒暖差が非常に大きいのが特徴です。天気は周期的に変わりやすく、「春に三日の晴れなし」と言われるように、晴天が続かず細かな雨が降る日が多くなります。
また、4月から5月にかけて現れる「柳絮(りゅうじょ)」もこの季節の厄介な現象のひとつです。柳の綿毛がまるで雪のように舞い空気を漂いますが、アレルギー体質の方は目のかゆみや鼻水などの症状が起こることがあるため、ご注意ください。さらに大陸から飛来する黄砂やPM2.5の濃度が高まる日も散見されます。
おすすめの服装
春の上海旅行で鍵となるのは「レイヤード(重ね着)」です。気温変化に対応しやすく、脱ぎ着が簡単な服装を心がけましょう。
- トップス: 長袖のカットソー、シャツ、ブラウスを基本に、カーディガンやパーカー、薄手のセーターなどを重ねるのがおすすめです。
- アウター: 薄手で風を通しにくいスプリングコートやトレンチコート、デニムジャケット、マウンテンパーカーなどが便利です。特に3月や4月の初旬は、軽いウールコートが活躍する日もあります。
- ボトムス: ジーンズやチノパン、ロングスカートなど、普段から履き慣れているもので問題ありません。
- 靴: 街中を歩くことが多いため、履き慣れたスニーカーやフラットシューズが最適です。雨の日が多いため、防水スプレーを事前にかけておくと安心です。
- 小物: 朝晩の寒さや急な冷え込みに備え、ストールやスカーフを一枚カバンに忍ばせておくと、首元を温められるうえに、ファッションのアクセントにもなります。
春ならではの過ごし方
過ごしやすい気候の春は、屋外のアクティビティにぴったりの季節です。
- お花見: 上海でも桜や桃の花、そして市の花である白木蓮など、色とりどりの花が街を彩ります。特に「顧村公園」の桜まつりは広大な敷地で多くの地元民が訪れる有名スポット。上海植物園や世紀公園もお花見に人気の場所です。
- 街歩き: 涼しく穏やかな春の気候は散策に最適。旧フランス租界のプラタナス並木の新緑を楽しんだり、芸術の街「田子坊」の迷路のような路地を歩いたり、古典的な「豫園」の庭園でゆったりとした時間を過ごすのもおすすめです。
準備しておくと安心:春の旅のチェックリスト
上海の春を快適に過ごすために、以下のポイントを準備しておきましょう。
- 折りたたみ傘は必携: 天候が変わりやすく、霧雨や小雨が多いため、折りたたみ傘を常にバッグに入れておくと安心です。現地でも調達可能ですが、日本から使い慣れたものを持参するのが便利です。
- 寒暖差に対応できる羽織りもの: 重ね着を前提に、脱ぎ着しやすい上着を必ず用意してください。
- アレルギー対策グッズ: 柳絮や黄砂、PM2.5による影響が気になる方は、マスク、サングラス、目薬、うがい薬を持参しましょう。日ごろ花粉症などのアレルギーがある方は、慣れた薬の携行も忘れずに。
- 保湿アイテム: 空気が乾燥しやすい日が多いため、ハンドクリームやリップクリームを準備すると快適に過ごせます。
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夏(6月~9月):情熱と湿気が交錯する季節
気候の特徴
上海の夏は、日本のそれ以上に厳しい暑さが特徴です。強烈な日差しと非常に高い湿度が重なり、体感温度はかなり高くなります。6月上旬から7月上旬は「梅雨(メイユー)」の時期で、湿気が高く毎日のように雨が降るじめじめとした日々が続きます。この期間はカビの発生にも注意が必要で、衛生面も気をつけたいところです。
梅雨が明けると一気に真夏が到来し、最高気温が35℃を連日超える猛暑日が続きます。アスファルトの照り返しも加わり、体感温度は40℃以上に感じられることもあり、まるでサウナの中にいるような蒸し暑さです。日中の屋外活動は熱中症の危険が大きいので、十分な対策を講じましょう。
また、8月から9月は台風シーズンであり、大型台風が直撃することも珍しくありません。その際は飛行機の欠航や市内の交通混乱が起きることがあるため、この時期に訪れる際は天気予報をこまめにチェックし、万一に備えましょう。
おすすめの服装
夏の上海では、「涼しく快適であること」を最優先に服装を選びましょう。
- トップス・ワンピース: 吸湿性・速乾性に優れた綿、麻、機能性素材のTシャツやワンピースが理想的です。ノースリーブもおすすめですが、日焼けや冷房対策として薄手のシャツを羽織ると安心。色は白やパステルカラーなど熱を吸収しにくいものが良いでしょう。
- ボトムス: 風通しの良いワイドパンツやガウチョパンツ、スカートが快適です。ショートパンツは使えますが、高級店などの服装規定に注意してください。
- アウター: これが意外に重要です。デパートや地下鉄、レストランの冷房は非常に強力なので、薄手のカーディガンやシャツ、パーカーなどサッと羽織れるものは必ず携帯しましょう。
- 靴: サンダルは涼しいですが、長時間歩くなら通気性の良いメッシュスニーカーがおすすめ。急な夕立に備え、水に濡れても乾きやすい靴を選ぶと安心です。
- 小物: 強い日差し対策に帽子やサングラス、日傘は必須。アームカバーやUVカット効果のあるストールも役立ちます。
夏ならではの楽しみ方
猛暑の季節は涼しい場所をメインにプランを立てると愉しめます。
- 夜景観賞: 日中の暑さが和らぐ夜は上海観光のベストタイム。ライトアップされた外灘の歴史的建造物群と浦東の近未来的な高層ビル群が織りなす夜景は圧巻です。黄浦江のナイトクルーズに参加すれば、心地よい川風を受けながら両岸の絶景を一度に満喫できます。
- 屋内施設巡り: 暑い昼間は冷房の効いた屋内で過ごすのが賢明です。「上海博物館」や「上海当代芸術館」といった文化施設や、「上海環球金融中心(上海ヒルズ)」「上海中心大厦(上海タワー)」の展望台もおすすめです。
- ナイトライフ: 上海の夜は活気に溢れます。外灘のルーフトップバーで夜景を楽しみながらカクテルを味わったり、賑やかなナイトクラブで音楽に没頭したり、大人の楽しみ方が満載です。
夏の旅に欠かせない持ち物と注意点
暑さが厳しい夏は特に準備と心構えが重要です。
- 必携アイテム: SPF50+・PA++++の日焼け止め、汗ふきシート、制汗剤、携帯扇風機、塩分補給のためのタブレットや飴、水分補給用のマイボトルは必ず持ち歩きましょう。虫よけスプレーも蚊対策に効果的です。
- 行動のポイント: 11時~15時の直射日光が強い時間帯は、屋外での長時間の観光を極力避け、こまめに水を飲んで休憩しましょう。熱中症予防に努めることが必要です。
- 服装規定に注意: 外灘エリアの高級レストランやバーにはドレスコードがある場合が多く、男性はタンクトップやショートパンツ、サンダルなどは入店を断られることが多いです。ディナーの際は男性なら襟付きシャツと長ズボン、女性はきれいめのワンピースやブラウス、そしてパンプスやきれいめのフラットシューズを用意すると安心です。
- 台風対策: この時期に訪れるなら海外旅行保険に加入し、「航空機遅延・欠航補償」がついていると安心です。台風接近時は利用航空会社のサイトや中国気象局の公式情報をこまめに確認し、欠航時には航空会社のカウンターやコールセンターに連絡して振替便や返金の手続きを行いましょう。
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秋(10月~11月):黄金色に輝く上海の最適シーズン
気候の特徴
夏の猛暑と湿気が嘘のように去り、澄み渡る青空と爽やかな空気が特徴的な秋。多くの人々が10月から11月の上海を「ベストシーズン」と評価します。日中の気温は20~25℃前後、快適に観光できます。
日差しはまだ残るものの、夏のそれとは異なり心地よく感じられます。朝晩はやや肌寒くなることもありますが春ほど寒暖差は激しくなく、安定した気候が続くのも嬉しい点です。降水量は年間で最も少なく、天気の心配が少ないため、予定が立てやすい季節でもあります。
ただし、10月初旬の「国慶節」大型連休は国内からの観光客が急増し、主要観光スポットは大混雑、宿泊や交通費も上昇するため、できればこの期間は避けるのが賢明です。
おすすめの服装
秋の服装は、日本の秋の感覚とほぼ同じで問題ありません。快適さとおしゃれの両立が楽しめます。
- トップス: 長袖シャツやブラウス、薄手のニットやスウェットが適しています。日中はこれ一枚で過ごしやすいでしょう。
- アウター: 朝晩の冷え込み対策にカーディガンやジャケット、軽めのコートがあると安心です。デニムジャケットやライダースも活躍します。
- ボトムス: ジーンズ、チノパン、コーデュロイパンツは幅広いスタイルに合います。女性ならロングスカートとショートブーツの組み合わせも素敵です。
- 靴: 歩きやすさを重視し、スニーカーやローファー、フラットシューズがおすすめです。
- 小物: 日差し対策のサングラスやファッションアクセントとなるスカーフがあるとより一層楽しめます。
秋の楽しみ方
気候に恵まれた秋は、上海の魅力を思う存分満喫できる季節です。
- 旧フランス租界の散策: 秋の見どころのひとつが旧フランス租界のプラタナス並木。黄金色に染まった葉が陽光を浴びて輝く中の散歩は、まるでヨーロッパの街角を歩いているかのような風情があります。カフェや雑貨店も多いため、ゆったりぶらり歩きがおすすめです。
- グルメの秋・上海蟹: 秋の上海といえば「上海蟹」が欠かせません。シーズンは9月下旬より始まり、最も美味しいのは10月から12月。コクのある雄蟹の味噌、卵たっぷりの雌蟹の内子、どちらも本場ならではの絶品です。旬の味覚をぜひ現地で味わってください。
- アート&カルチャー: 秋は国際的なアートイベントも多く、「上海ビエンナーレ」や「西岸アート&デザインフェア」など現代アートの祭典が街を盛り上げています。アート愛好者は必見の時期です。
秋の旅を充実させるポイント
最高の季節だからこそ、準備は入念に行いましょう。
- 航空券・ホテルは早期予約を: 秋は観光客が集中し、航空券や宿泊施設の料金は高騰し、予約も早々に埋まります。旅行を決めたら、できれば3カ月以上前から予約を始めるのが望ましいです。比較サイトを活用してお得なプランを探しましょう。
- 上海蟹レストランは予約必須: 人気の上海蟹レストランは秋のシーズン中無予約での入店が難しい場合が多く、特に週末の夜は争奪戦です。日本から事前予約をおすすめします。公式ウェブサイトや中国のレビューアプリ「大衆点評(Dianping)」で受付可能。言語に不安があれば、ホテルのコンシェルジュに依頼する手もあります。なお、偽物の上海蟹を出す店もあるため、信頼のおける名店を選びましょう。
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冬(12月~2月):凛とした空気が美しい季節
気候の特徴
上海の冬は厳しい寒さが特徴的です。気温自体は東京とさほど変わらないように見えますが、平均気温は5℃前後で最低気温は氷点下になることもあります。特に雪は稀ですが降ると交通網が混乱することがあります。
上海の冬の独特な寒さの理由は、湿気を含んだ季節風と建物の暖房事情にあります。大陸から吹く湿った冷たい風が肌を刺すような「底冷え」をもたらし、これが体感温度を一層下げます。また、上海は長江より南に位置しており、法律で集中暖房の設置が義務付けられている地域外のため、多くの建物で暖房が不十分なこともあります。新しいホテルや商業施設は問題ありませんが、古い建物や一部の飲食店では室内でも寒さを感じる場合があります。
おすすめの服装
冬の上海旅行では、日本の厳冬期以上の防寒対策をおすすめします。
- インナー: 保温性の高い機能性インナー(ヒートテックなど)を上下とも着用しましょう。これがあるかないかで体感温度に大きな差が出ます。
- トップス: 厚手のセーターやフリースなどを重ね着します。
- アウター: 風を通さない丈の長いダウンコートや厚手のウールコートが必須です。フード付きなら頭や耳も防寒できます。
- ボトムス: 裏起毛のパンツやタイツ・レギンスの重ね履きがおすすめです。
- 靴: 防寒・防水性の高いボア付きブーツやスノーブーツが快適です。靴用カイロもあるとさらに暖かく過ごせます。
- 小物: マフラー、手袋、ニット帽は欠かせません。耳当てや厚手靴下も用意しましょう。使い捨てカイロは指先の冷え対策に便利です。
冬ならではの過ごし方
寒さの中でも魅力的な上海を楽しめます。
- イルミネーションと春節: 12月はクリスマスのイルミネーションが街を彩り、冬の最大イベント・中国の旧正月「春節」(1月下旬~2月中旬頃)は、特に豫園のランタンフェスティバルが幻想的で華やかです。街中が赤い提灯で飾られ、新しい年の祝祭ムードに包まれます。
- 温かいグルメ: 寒い季節には熱々のものが一層美味しいものです。スパイシーな「火鍋」やジューシーな「小籠包」、焼き芋や焼き栗といった屋台の味覚も格別です。
- オフシーズンのメリット: 春節期間を除けば冬は観光の閑散期にあたり、航空券や宿泊費が安く、名所も空いているため、ゆったりと観光したい方には最適です。
冬の旅に向けた準備と心構え
寒さを快適に過ごすための準備を念入りに。
- 春節期間の注意: 春節の時期に訪れる場合、中国全土で「民族大移動」が起こり、交通機関は極度に混雑し予約が取りづらくなります。個人経営の店や多くの飲食店は休業するため、利用可能な施設を事前に調べ、移動手段も含めてすべて予約しておく必要があります。
- 持ち物リスト(冬用): 防寒アイテム一式に加え、乾燥対策としてハンドクリーム、リップクリーム、フェイスクリーム、のど飴を必ず持参しましょう。乾燥するホテル室内では濡れタオルを干すなど工夫も効果的です。
- 体調管理の備え: 冬の冷えや乾燥で体調を崩しやすいため、風邪薬やのど薬など、普段から使い慣れた常備薬の携帯をお忘れなく。緊急時には日本語対応可能な医療機関の情報を事前に確認しておくと安心です。在上海日本国総領事館のウェブサイトも参考にしてください。
上海旅行のベストシーズンはいつ?目的別徹底ガイド

ここまで季節ごとの特徴を確認してきましたが、「結局、いつ訪れるのが最も良いのか?」という疑問にお答えします。結論としては、あなたの旅の目的次第で最適な時期は変わってきます。
総合的におすすめのシーズンは「秋(10月~11月)」
初めて上海を訪れる場合、気候がもっとも安定し快適な秋が断然おすすめです。晴天の日が多く、気温も過ごしやすいため、街歩きやグルメ、ショッピングのすべてを最高の環境で楽しめます。また、この時期は名物の上海蟹も旬を迎えるため、食の楽しみも格別です。ただし、国慶節の連休期間(10月1日~7日頃)は混雑と料金高騰を避けるため、外すのが賢明でしょう。
旅費を節約したいなら「冬(12月~2月)」や「梅雨時期(6月~7月)」
できるだけ旅行費用を抑えたい方には、観光のオフシーズンが狙い目です。厳寒期の冬(春節の期間を除く)や、雨量が多く蒸し暑い梅雨の時期は、航空券や宿泊料金が比較的低くなる傾向にあります。気候面でのデメリットはありますが、その反面、人気の観光スポットをゆったりと巡れるという利点もあります。防寒や雨具の準備をしっかり行えば、割安に上海の魅力を堪能できるでしょう。
グルメが旅のメインなら「秋(10月~12月)」
食を楽しむための旅行なら、やはり上海蟹が最盛期を迎える秋が最適です。この季節は他の食材も豊富に揃い、気候も食べ歩きに適しているため、グルメ旅にはぴったりの時期です。最高の旬の上海蟹を味わう贅沢な体験は、この時期だけの特別なものです。
ショッピングや屋内アクティビティ重視なら「夏(6月~8月)」
夏の厳しい暑さは屋外観光には向きませんが、視点を変えればショッピングやインドア施設を楽しむ絶好の季節でもあります。上海には広大で最新設備のショッピングモールが多数あり、一日中快適に過ごせます。夏のセール期間と重なることも多く、お得にショッピングを満喫できる可能性も高いです。また、博物館や美術館、展望台からの景観など、屋内で楽しめるプランを中心に組めば夏でも十分に充実した旅が実現します。
上海旅行の準備、これだけは押さえておきたい持ち物リスト
季節ごとの持ち物リストに加え、上海旅行全体で必要な基本的な持ち物一覧です。出発前の最終確認にぜひご活用ください。
絶対に欠かせない必須アイテム
- パスポート: 有効期限が6ヶ月以上残っているかどうか、必ずチェックしてください。
- ビザ(査証): 2024年5月時点で、日本人観光客が15日以内の滞在ならビザ免除となっていますが、最新情報は在中国日本国大使館の公式サイトなどで必ずご確認ください。
- 航空券(eチケットの控え)およびホテル予約確認書: すぐに提示できるよう、印刷したものかスマートフォンに保存しておきましょう。
- 海外旅行保険証: 急病やケガ、盗難に備え加入が必須です。保険証の番号や緊急連絡先も忘れず控えておきましょう。
- 現金(日本円と人民元): 日本の空港や現地の空港、銀行、ホテルで両替が可能です。少額の人民元を日本で準備しておくと、到着後すぐに使えて便利です。キャッシュレス化が進んでいますが、タクシーや地元の店舗では現金が必要な場合もあります。
- クレジットカード: VISAやMastercardは広く使えますが、JCBは利用できる場所が限られます。銀聯(UnionPay)のカードも持っていると便利です。
- スマートフォンと周辺機器: モバイルバッテリー、充電器、ケーブル類は必ず携帯しましょう。
持っていると旅行が格段に快適になるアイテム
- 変換プラグ: 中国のコンセント形状は様々ですが、日本のAタイプが使えることも多いです。それでも使えない場合に備え、OタイプやSEタイプも対応可能なマルチ変換プラグを1つ用意すると安心です。
- ポケットWi-FiまたはSIMカード(VPN機能付き): 後述しますが、中国のインターネット環境は特殊です。日本で普段使っているSNSやGoogleマップを利用するにはVPNが必要です。VPN付きのWi-Fiルーターをレンタルするか、VPN機能対応のSIMカードを準備しましょう。
- 常備薬: 胃腸薬、頭痛薬、酔い止め、絆創膏など、普段から使い慣れた薬を持参するのが最も安心です。
- ウェットティッシュ・ポケットティッシュ: 現地のレストランでおしぼりが出なかったり、トイレに紙が備え付けられていないことがあります。多めに持っていくと非常に役立ちます。
- エコバッグ: 中国ではレジ袋のほとんどが有料です。折りたたみタイプのエコバッグを持っていると、買い物時に便利です。
- ボールペン: 入国カードの記入などで、何かと筆記用具が必要になります。
知っておくべき中国のネット事情と必須の対策

上海旅行を計画する際に、必ず知っておきたいのが中国特有のインターネット規制、通称「金盾(グレート・ファイアウォール)」の存在です。
GoogleやLINEは使えない?金盾による壁
この検閲システムによって、中国国内からは私たちが日常的に利用している多くのウェブサイトやアプリへのアクセスが制限されています。
- アクセス不可の主なサービス: Google(検索、マップ、Gmail、翻訳など全て)、LINE、X(旧Twitter)、Facebook、Instagram、YouTube、TikTok(国際版)、WhatsAppなど。
特にGoogleマップが使えないと、現地で目的地までのルート確認が非常に難しくなりますし、LINEが使えないと友人や家族との連絡も困難になります。この「壁」を越えるために欠かせないのが、「VPN」という技術です。
解決策は「VPN」一択!日本での事前準備が必須
VPN(Virtual Private Network)とは簡単に言うと、インターネット上に専用の仮想トンネルを作り、安全に通信するための技術です。これにより、中国の厳しいネット規制を回避し、まるで日本やその他の国から接続しているかのように見せることができます。
読者ができること:VPNの準備方法
VPNの設定は必ず中国へ出発する前に日本国内で済ませておきましょう。現地に到着してからでは、VPNサービスの公式サイトすら閲覧できなかったり、アプリのダウンロードができなくなる可能性が非常に高いです。
- 方法1:VPNアプリを契約・インストールする
- 日本にいるうちに、信頼できる有料VPNサービス(例:ExpressVPN、NordVPN、Astrill VPNなど)に申し込みましょう。無料VPNはセキュリティ面や通信の安定性に不安があるため、たとえ短期の旅行でも有料サービスをおすすめします。
- スマートフォンやパソコンに専用のVPNアプリをダウンロードしてインストールします。
- アプリを起動しログインした後、日本やアメリカなど中国以外の国のサーバーに接続できるか確認してください。これで準備完了です。現地に着いたらアプリを開き接続するだけで、普段通りのインターネット利用が可能になります。
- 方法2:VPN機能付きの海外用Wi-Fiルーターをレンタルする
アプリの設定が面倒な場合は、VPN機能が搭載された海外用Wi-Fiルーターをレンタルするのが手軽で確実な方法です。多くのサービスが日本の空港でレンタル・返却ができ、複数のデバイス(スマホ、PCなど)も同時に接続可能な点が魅力です。
現金はほぼ不要?急速に進むキャッシュレス決済
中国の都市部ではキャッシュレス決済が急速に普及し、小さな屋台でもQRコード決済が主流となっています。主に利用されているのが「支付宝(Alipay)」と「微信支付(WeChat Pay)」の二大サービスです。
かつては中国の銀行口座がなければ利用が困難でしたが、現在はシステムが改善され、外国人観光客も日本のクレジットカードを紐づけて使えるようになっています。
読者ができること:キャッシュレス決済の準備
- 日本にいる間に「Alipay」アプリをスマートフォンにインストールしましょう。
- アプリの案内に従い、電話番号認証などを行ってアカウントを作成します。
- 支払い方法として、ご自身のクレジットカード(VISAやMastercardなど)を登録してください。
これで現地で店頭のQRコードをスキャンしたり、自分のQRコードを提示したりするだけでスムーズに支払いが完了します。ただし、すべてのクレジットカードに対応しているわけではないほか、時折エラーが発生することもあるため、念のため少量の現金も持参することをおすすめします。
上海の天気予borist、どこでチェックする?
旅行中の服装を選んだり、一日のスケジュールを組む際には、正確な天気予報を確認することが不可欠です。信頼性の高い情報源を複数把握しておくと便利です。
- 中国気象局 (China Meteorological Administration): 中国の公式気象機関であり、最も信頼のおける情報提供元です。公式サイトには英語版もあり、上海の週間天気予報などを確認できます。旅行前にブックマークしておくと役立ちます。
- 日本の天気予報サイト: tenki.jpやウェザーニュースなどの日本の主要な気象情報サイトも、海外都市の天気予報をかなり正確に提供しています。日本の気象予報士による解説があるため、日本人にとって馴染みやすく、感覚的に理解しやすい点が利点です。
- スマートフォンの天気アプリ: iPhone標準の天気アプリやAccuWeather、The Weather Channelなど、世界的に利用されているアプリも高い精度でおすすめです。特にPM2.5などの大気質指数(AQI)を同時に確認できるアプリは、上海滞在時に非常に役立ちます。
これらの情報源を複数活用することで、より正確な情報を得られます。特に、出発直前と毎朝ホテルを出る前にその日の天気をチェックする習慣をつけることをおすすめします。
旅の終わりは、次への始まり

目まぐるしく変わる摩天楼のシルエット、租界時代の趣を残す懐かしい街並み、そして世界中の美食家を魅了するグルメ。上海は、訪れる季節ごとにまったく異なる表情を見せる、非常に奥深い都市です。
夏の蒸し暑さや冬の厳しい寒さも、その季節ならではの体験として、旅の思い出をより鮮やかに彩るスパイスのような存在かもしれません。とはいえ、準備があれば安心です。この記事でご紹介した情報が、あなたの旅をより快適で安全に、そして忘れがたいものにする一助となれば幸いです。
さあ、あなたはどの季節の上海に出かけますか?ベストシーズンを選ぶのも良し、あえてオフシーズンに新しい魅力を探るのも良しです。しっかりと準備を整え、あなただけの理想的なプランを練り上げてください。
どの時期に訪れても、上海という街はきっとあなたの五感を刺激し、新たなインスピレーションを与えてくれるはずです。素晴らしい旅の扉は、今まさにあなたの目の前で開かれています。

