フランスと聞いて、多くの人がパリのエッフェル塔やルーブル美術館を思い浮かべるかもしれません。しかし、フランスの魅力は首都だけにとどまりません。パリから高速鉄道TGVでわずか2時間。そこには、歴史と美食、そして熱狂が渦巻く、もうひとつのフランスの顔があります。その街の名は、リヨン。
ローヌ川とソーヌ川という二つの川が合流するこの街は、古代ローマ時代からの長い歴史を持ち、その旧市街は「リヨン歴史地区」としてユネスコの世界遺産に登録されています。石畳の小道を歩けば、まるでタイムスリップしたかのような感覚に。かと思えば、美食の都として世界に名を馳せ、三つ星レストランから庶民的な「ブション」まで、食を愛する人々を魅了してやみません。
そして、忘れてはならないのがサッカー。地元クラブ「オリンピック・リヨネ」は、ヨーロッパでも屈指の強豪として知られ、試合のある日には街中がチームカラーの赤と青に染まります。
歴史も、グルメも、スポーツも。大人だけでなく、子供たちの好奇心をもくすぐる魅力が詰まった街、リヨン。今回は、小学生の子供二人を連れた私が、家族でリヨンを最大限に楽しむための方法を、実体験を交えながら徹底的にご紹介します。この記事を読み終える頃には、きっとあなたの次の旅の目的地はリヨンになっているはずです。
リヨンの豊かな食文化を存分に体験し、暮らすような旅を叶えるためのガイドもぜひ参考にしてください。
なぜ今、リヨンが家族旅行におすすめなのか?

数多くのヨーロッパの都市の中で、なぜリヨンがとりわけ家族旅行に適しているのでしょうか。その理由は、便利な交通アクセス、子どもも楽しめる豊かな食文化、そして街全体がまるでテーマパークのように遊び心あふれる場所であるからです。
アクセスの良さ—パリから日帰りも可能な便利な立地
リヨンの大きな魅力のひとつは、そのアクセスの良さにあります。パリの主要駅(リヨン駅など)から高速鉄道TGVに乗れば、乗り換えなしで約2時間でリヨン中心部のパールデュー駅へ到着します。新幹線のような快適な乗車感覚で、車窓の景色を楽しんでいるうちにあっという間に到着するため、移動中に飽きやすい子どもたちも退屈しません。
早朝のTGVを利用すれば、日帰りでリヨンの主要観光地を巡ることも十分に可能です。ただし、美食の都の魅力を存分に味わい、街の隅々まで楽しみたいなら、1泊か2泊の滞在を強くおすすめします。
さらに、リヨンにはリヨン・サン=テグジュペリ空港(LYS)があり、ヨーロッパ各地からの直行便が多数運航されています。日本からのアクセスは一般的にパリ経由ですが、ヨーロッパ内の他都市と組み合わせて周遊旅行の拠点としても非常に便利です。空港から市街地までは専用のトラム「ローヌエクスプレス」で約30分と、こちらも抜群のアクセス環境です。
子どもも満足できる「美食の都」
リヨンは「美食の都」や「フランスの胃袋」として知られるほど、豊富な食文化が根付いています。著名な料理人ポール・ボキューズ氏の故郷でもあり、その名を冠した市場やレストランも街に点在しています。
「美食と聞くと子どもにはハードルが高いのでは?」と思うかもしれませんが、その心配は不要です。リヨンの食文化の魅力は、高級レストランだけにとどまりません。リヨン独自の庶民的なレストラン「ブション(Bouchon)」では、家庭的で温かみのある郷土料理を手ごろな価格で味わうことができます。
たとえば、魚のすり身をふんわり蒸し焼きにした「クネル」は、やさしい味わいで子どもたちにも大人気。豚肉の加工品「シャルキュトリー」の盛り合わせや、カリカリベーコンとポーチドエッグがのった「リヨン風サラダ」も、家族でシェアしながら楽しむのにぴったりです。
また、子どもたちがわくわくするのは「ポール・ボキューズ市場」。色鮮やかな野菜や果物、巨大なチーズの塊、芸術品のようなケーキがずらりと並ぶ光景は、見ているだけでも心躍ります。市場内のイートインスペースで新鮮なシーフードや焼きたてのパンを味わうのも、素晴らしい体験です。ここでおいしいものを少しずつ買い揃え、近くの公園でピクニックを楽しむのも素敵な過ごし方でしょう。
歩くだけで楽しい、2つの世界遺産地区
リヨンの街は大きく3つのエリアに分かれています。ソーヌ川の西岸に広がる旧市街「ヴュー・リヨン」、二つの川に挟まれた中心部「プレスキル(半島)」、そしてプレスキルの北に位置する絹織物職人の街「クロワ・ルースの丘」です。
この中で、「ヴュー・リヨン」と「クロワ・ルースの丘」はリヨン歴史地区として世界遺産に登録されています。
ヴュー・リヨンは中世からルネサンス期の建物が美しく保存されているエリア。石畳の道を歩けば、「トラブール(Traboule)」と呼ばれる秘密の抜け道が見つかることもあります。かつて絹織物職人たちが雨に濡れずに商品を運ぶために利用していたこの通路は、中庭を通り抜けて別の通りへ続く迷路のような仕組みで、子どもたちにとっては最高の冒険スポットとなるでしょう。
一方、クロワ・ルースの丘はかつて絹織物産業の中心地で、今も当時の工房が残り、巨大な「だまし絵」の壁画が街歩きをさらに楽しいものにしてくれます。
さらに、ヴュー・リヨンの背後にあるフルヴィエールの丘へはケーブルカー(フニクラ)で登ることができ、乗車そのものが子どもたちにはアトラクションです。丘の上からの景色は、リヨン旅行の忘れがたい思い出となることでしょう。
リヨン観光のハイライト!家族で巡るモデルコース
リヨンは見どころがコンパクトに集まっている街ですが、家族みんなが効率よく楽しむためには、ある程度の計画を立てることが大切です。ここでは、私たちが実際に体験した1泊2日のモデルルートをご紹介します。
1日目:旧市街とグルメを堪能する日
午前:絶景のフルヴィエールの丘へ
リヨン観光はまず、街を見渡せるフルヴィエールの丘から始めるのがおすすめです。ヴュー・リヨンのサン・ジャン駅から出ているケーブルカー「フニクラ」に乗って丘の上を目指しましょう。急勾配をぐんぐん登るレトロな車両に、子供たちもワクワクするはずです。
丘の上に着くと、まず目に飛び込んでくるのは真っ白な「ノートルダム・ド・フルヴィエール・バジリカ聖堂」。その荘厳な姿は圧倒的です。内部はビザンチン様式とロマネスク様式が折り重なる豪華な装飾で満たされており、壁や天井に広がる精緻なモザイク画に思わず息を呑むことでしょう。
- 実際にできること:教会でのマナー
- 教会は神聖な祈りの場です。内部では大声を出したり走り回ったりしないよう、子供たちにもあらかじめ伝えておきましょう。
- 服装は厳格ではありませんが、タンクトップやショートパンツなど極端な肌の露出は避けたほうが無難です。夏でも一枚羽織るものを持っておくと安心です。
- 写真撮影は可能ですが、フラッシュの使用は控えてください。
聖堂の裏手にある展望台からは、オレンジ色の瓦屋根が並ぶリヨンの街並みと、その向こうに広がるローヌ川とソーヌ川の景色を一望できます。天気が良ければ、遠くのアルプスの山々も見渡せるでしょう。この眺めは、リヨンに来た実感を味わえる感動的な瞬間です。
さらに少し丘を下ると、古代ローマ時代の遺跡「ローマ劇場」と「オデオン(小劇場)」が見えてきます。約2000年前に建てられた円形劇場が今も現役でコンサートなどに使われているのには驚かされます。観客席に座って、古代ローマ人になった気分を味わうのも楽しいです。子供たちは広大な遺跡を走り回り、かくれんぼをして夢中になっていました。
昼食:ヴュー・リヨンの「ブション」で郷土料理を味わう
フルヴィエールの丘からケーブルカーで下りたら、ヴュー・リヨンの中心・サン・ジャン地区でランチをとりましょう。このエリアには、リヨン名物の郷土料理を提供する「ブション」が数多く軒を連ねています。
- 実際にできること:子連れにおすすめのブションの選び方
- 人気店は行列ができることも多いので、12時前の早めの時間に訪れたり、事前に予約を入れたりするのが良いでしょう。
- メニューがフランス語のみの店も多いですが、怖がらずにスマートフォンの翻訳アプリを活用したり、店員さんにおすすめを尋ねたりしてみてください。「Pour les enfants(子供用メニューはありますか?)」と聞くと親切に教えてくれます。
- 私たちは「Le Pique Assiette」というお店を利用しました。赤と白のチェック柄のテーブルクロスが温かみのある雰囲気で、クネルやリヨン風サラダ、そしてソシソン(ソーセージ)のブリオッシュ包みを注文。どれもボリューム満点でシェアにぴったり、子供たちも美味しいと大満足でした。
午後:トラブール探検とギニョール人形鑑賞
ランチの後はヴュー・リヨンの散策を続けます。この地区最大の楽しみは、隠れた通路「トラブール」探しです。一見何でもない建物の入口ですが、扉を押してみると美しい中庭や螺旋階段が現れ、別の通りへとつながっています。
- 実際にできること:トラブール探検のマナー
- トラブールは今も人が生活する集合住宅の通路であり、観光客に開放されていますが私有地です。大声や迷惑行為は厳禁です。
- 静かに敬意をもって通り抜けましょう。扉が閉まっている場合は無理に開けず、開いている別のトラブールを探してください。
- 観光案内所でトラブールの地図を入手できます。
サン・ジャン大司教教会で天文時計を見学した後は、リヨン名物の人形劇「ギニョール」の博物館や劇場へも立ち寄るのがおすすめです。味わい深いギニョール人形は子供たちに大人気。記念に小さな人形をお土産に買うと良い思い出になります。
2日目:プレスキルとクロワ・ルースで文化に触れる日
午前:リヨン中心部「プレスキル」散策
2日目はソーヌ川とローヌ川に挟まれた「プレスキル(半島)」地区からスタート。リヨンの商業と文化の中心地です。
最初に訪れたいのは、ヨーロッパ有数の広さを誇る「ベルクール広場」。中央にはルイ14世の騎馬像が堂々と立ち、冬には大きな観覧車が登場します。子供たちは広場の広さに大喜びで駆け回っていました。
その北側には、市庁舎やリヨン美術館に囲まれた「テロー広場」があります。広場中央のバルトルディ作の噴水は、ニューヨークの自由の女神を生んだ彫刻家の作品で、その迫力に圧倒されます。
時間があれば、「リヨン美術館」もぜひ訪れてみましょう。古代エジプトから現代美術まで幅広いコレクションを展示しており、特に印象派の作品が充実しています。
- 実際にできること:子連れ美術館鑑賞の工夫
- すべての作品をじっくり見ると子供はすぐ飽きてしまうので、事前に公式サイトなどで気になる作品をいくつか選んで、「宝探しゲーム」のように親子で見つけるのがおすすめです。
- 「この絵の中で好きな色は?」「この人はどんな気持ちだと思う?」など、質問しながら対話形式で鑑賞すると子供の興味を引きやすくなります。
- 多くの美術館では子供向けワークショップやガイドブックがありますので、事前に確認しましょう。
昼食:ポール・ボキューズ市場で食べ歩きを満喫
プレスキル散策の後は、少し足を伸ばして「ポール・ボキューズ・リヨン中央市場」へ。リヨンの食文化が集結した聖地で、新鮮な食材からチーズ、シャルキュトリー、デザート、ワインまで豊富にそろっています。
市場は活気にあふれ、歩くだけで食欲が刺激されます。私たちはまず生牡蠣のスタンドで新鮮な牡蠣を味わい、レモンを絞った絶妙な美味しさに感激。その後チーズ専門店で数種試食し、子供たちはピンクの砂糖菓子「プラリーヌ・ローズ」がたっぷり入ったブリオッシュに夢中になっていました。
- 実際にできること:市場での楽しみ方
- 市場にはイートインがあるスタンドが多いので、気になるお店で少しずつ買いながら様々な味を試すのがおすすめです。
- お昼時は混雑します。席の確保が難しいこともあるため、ピーク時間を避けるのが賢明です。
- 市場の活気を感じつつ、地元の人のように買い物を楽しみ、お土産にチョコレートやソーセージなどを選ぶのも旅の醍醐味です。
午後:絹織物の街「クロワ・ルース」とだまし絵巡り
午後はメトロで「クロワ・ルースの丘」に足を運びましょう。19世紀に絹織物産業で発展したエリアで、当時の面影が色濃く残っています。
まずは絹織物工房「ソワユーズ・ヴィヴァン(Soierie Vivante)」へ。かつて使われていた巨大な織機を見学したり、織りの実演を間近で見ることができます。複雑なジャカード織の技術を解説付きで体験でき、子供たちも興味津々でした。見学はガイドツアー形式のため、事前に公式サイトで時間を確認し予約すると安心です。
また、クロワ・ルースの名物といえば建物の壁に描かれた巨大な「だまし絵(トロンプ・ルイユ)」。特に有名なのが「Le Mur des Canuts(カニュの壁)」。リヨンの街並みや織物職人の生活がリアルに描かれており、本物の建物と絵の境界を見分けるのが楽しい絶好の写真スポットです。
サッカーファン必見!オリンピック・リヨネ観戦パーフェクトガイド

リヨン旅行のもう一つの大きな楽しみは、サッカー観戦です。わが家は家族全員がサッカー好きで、とくに小学生の息子はヨーロッパのスタジアムで試合を見ることをずっと夢見ていました。リヨンを訪れるなら、地元クラブ「オリンピック・リヨネ(OL)」の試合観戦はぜひ体験したいところです。
熱狂の舞台、「グルパマ・スタジアム」へ
オリンピック・リヨネのホームスタジアムは、リヨン郊外デシーヌ=シャルピューに位置する「グルパマ・スタジアム」。2016年に完成した最新設備のスタジアムで、約6万人を収容可能。そのモダンで洗練された外観は、試合前の期待感を一層高めてくれます。
市内中心部からスタジアムへは、トラムのT7線が最も便利なアクセス手段です。試合開催日にはパールデュー駅やヴォー=アン=ヴラン・ラ・ソワ駅から、スタジアム直通のシャトルトラムも運行されます。ただし、試合の前後は非常に混み合うため、余裕を持って移動することが大切です。私たちは試合開始の3時間前には市内を出発しました。
- 読者が実践できるポイント:スタジアムへのアクセス方法
- 試合当日の交通状況は、オリンピック・リヨネの公式サイトやリヨンの公共交通機関TCLのサイトで事前に必ず確認してください。TCL公式サイトではリアルタイムの運行情報も得られます。
- 直通シャトルトラムを利用する際は、試合チケットとは別に交通チケットが必要になる場合があります。オンラインで事前購入するとスムーズです。
チケット購入から観戦までの流れを解説
海外でのサッカー観戦で最も難しいと感じるのがチケット入手かもしれませんが、手順さえ押さえれば案外簡単です。
チケットの買い方:公式サイトからが一番安心
一番安全かつ確実に購入できるのは、オリンピック・リヨネの公式サイトから直接チケットを買う方法です。
- 公式サイトでの購入ステップ
- アカウント登録: まず、公式サイトでアカウントを作成。名前やメールアドレス、住所などの基本情報を入力します。
- 試合選択: チケット販売ページ(Billetterie)で観たい試合を選択。人気カードは発売と同時に売り切れることも多いので、日程がわかったらこまめにチェックしましょう。
- 座席選択: スタジアムの座席図が表示されるので、希望のエリアと席を選びます。家族連れならゴール裏(Virage Nord / Virage Sud)の熱烈なサポーター席より、メインスタンドやバックスタンドの端寄りの方が落ち着いて観戦できます。わが家はバックスタンドの中央寄りの席を選びました。座席の位置で料金は異なります。
- 支払い: クレジットカードで決済を完了させます。
- チケット受取: 支払い後、Eチケット(PDFかモバイルチケット)がメールで届くか、アカウントページからダウンロード可能になります。
- 注意事項:リセールサイトの利用について
公式サイトで完売の場合、Viagogoなどの転売サイトを利用する手もありますが、定価を大きく上回る価格だったり、偽チケットのリスクもあるため注意が必要です。なるべく公式で購入することをおすすめします。
観戦準備と持ち物チェックリスト
快適に観戦を楽しむため、必要なものを確認しておきましょう。
- 必携アイテム
- 観戦チケット: スマホのモバイルチケット、または印刷したEチケット。スマホの充電切れに備えて印刷もしておくと安心です。
- 身分証明書: パスポートのコピーなど。本人確認を求められることがあります。
- クレジットカード・現金: スタジアム内での飲食やグッズ購入用。カードが使える場所が多いですが、小銭もあると便利です。
- あると便利なもの
- チームカラーグッズ: ユニフォームやマフラーを身につけると、サポーターと一体感が生まれ、楽しさが増します。スタジアムのメガストアでも購入可能です。
- モバイルバッテリー: 写真や動画撮影でスマホの充電がすぐ減るため重宝します。
- 双眼鏡: 選手の細かな表情やプレーを近くで見たい方におすすめ。
- 雨具: 屋根付きとはいえ席によっては雨がかかることも。折りたたみのレインコートが便利(傘は不可の場合が多い)。
- 服装のポイント
- 季節に合った服装を心がけましょう。とくに夜の試合は冷えることが多いので、冬場は防寒対策を万全に。
- スタジアムは階段が多く、歩きやすい靴が必須です。
スタジアムのルールと禁止事項:安全に楽しむために
安全確保のため、以下のルールがあります。
- 持ち込み禁止のもの
- 大型バッグ・リュック: A4サイズを超える荷物は持ち込み不可。クロークはありますが有料かつ混雑するため、最小限の荷物でホテルに置いてから向かいましょう。
- 飲食物: 瓶や缶入りの飲料は持ち込み禁止。ペットボトルもキャップを外すよう求められる場合があります。
- 危険物: 花火、発煙筒、武器など。
- プロ仕様のカメラ: 望遠レンズ付き一眼レフなど商業利用とみなされやすく、持ち込みが禁止されることもあります。
- その他: 傘や自撮り棒なども多くの場合持ち込み不可です。
これらの規則は変更される可能性があるため、来場前に公式の観戦ガイド(Matchday Info)で最新情報を必ず確認してください。
試合当日の流れと楽しみ方
トラムを降りると、すでにお祭りさながらの熱気。ユニフォームを着たファンたちが応援歌(チャント)を歌いながらスタジアムへ進んでいます。この高揚感は現地ならではの体験です。
- 試合開始2時間前:スタジアム到着&周辺散策
早めに着いたらスタジアム周辺を散策しましょう。ファンゾーンではイベントやフードトラックが出ていて、ホットドッグやビールを楽しみながら盛り上がれます。公式グッズショップ「OL Store」も要チェック。ユニフォームやマフラー、記念品を探しましょう。
- 試合開始1時間前:セキュリティチェック&入場
入場時はセキュリティチェックがあり、チケットのQRコードをゲートにかざして手荷物検査を受けます。混雑するため、早めに到着しておくのがおすすめです。
- 試合開始30分前:着席しながらウォーミングアップ観戦
座席に着いたら番号を確認し、ピッチ上で選手がウォーミングアップする様子を見ながら徐々に高まる熱気を楽しみます。選手紹介や国歌斉唱は圧巻の迫力で、思わず鳥肌が立ちます。
- キックオフ!
いよいよ試合開始。ゴールが決まった瞬間に沸き起こるスタジアム全体の歓声と一体感は、忘れがたい経験です。言葉がわからなくても周囲の熱気に触れ、一緒に声援を送るだけで十分楽しめます。息子も周りの大人の真似をしながら必死にチャントを歌っていました。
万が一のためのトラブル対策
楽しい観戦を台無しにしないため、いくつかのトラブルへの備えをしておきましょう。
- チケットを紛失・忘れた場合
- 慌てずスタジアム内のチケットオフィス(Billetterie)へ向かい、購入確認メールや身分証明書を提示すると再発行してもらえる可能性があります。
- 交通機関のストライキや遅延時
- フランスでは公共交通機関のストライキ(Grève)がよくあります。事前にTCLの公式サイトなどで最新情報を確認しましょう。万一の際はタクシーやUberを利用せざるを得ませんが、試合日は非常に混雑し料金も高騰するため、相乗りや早めの移動を検討しましょう。
- 試合の延期・中止の場合
- 悪天候などの理由で試合が延期・中止される可能性もあります。チケットの払い戻しや振替試合についてはクラブの公式サイトで案内があり、購入時に登録したメールにも通知されます。返金手続きは購入元(公式サイトなど)を通じて行います。
スタジアムを後にするころには、すっかりオリンピック・リヨネのサポーターになっている自分に気づきました。スポーツには言葉や文化の壁を越えて人と人を繋げる力があることを、肌で感じられた貴重な体験でした。
家族旅行を快適に!リヨン滞在の実用情報
リヨンでの滞在をより快適かつスムーズにするための、実用的な情報をお届けします。
リヨンの移動手段 – TCLをマスターしよう
リヨン市内の移動には、TCL(Transports en Commun Lyonnais)が提供する公共交通機関(メトロ、トラム、バス、フニクラ)が充実しており、観光客でも簡単に利用可能です。
- リヨン・シティ・カードが圧倒的にお得
- 美術館巡りなどを予定しているなら、「リヨン・シティ・カード(Lyon City Card)」の購入を強くおすすめします。このカードは市内の公共交通機関が乗り放題になるだけでなく、25以上の美術館や博物館の入場料が無料となり、セーヌ川のクルーズやギニョール劇場なども割引で楽しめる、まさに魔法のカードです。1日券から4日券まであり、リヨン観光局の公式サイトや市内の観光案内所で購入が可能です。
- チケットの種類と購入方法
- シティ・カードを利用しない場合は、都度チケットを購入することになります。1回有効(1時間以内・乗り換え自由)、10枚綴りの回数券(Carnet de 10 tickets)、24時間券などがあり、滞在期間や移動の頻度に合わせて選択しましょう。
- チケットはメトロ駅の券売機で購入可能で、英語表示にも切り替えられるため安心です。クレジットカードも利用できます。
- 子連れで乗車する際の注意点
- メトロ駅にはエレベーターやエスカレーターが設置されていない箇所も多いため、ベビーカーの利用は少々手間がかかることがあります。その点、トラムは乗り降りがスムーズなのでおすすめです。
- 乗車後は必ずチケットを刻印機で打刻しましょう。これを怠ると検札時に高額な罰金を科せられる恐れがあります。
ファミリーに優しいホテル選びのポイント
家族旅行において、宿泊先の選択は旅の快適さを大きく左右します。
- エリアの選択
- パールデュー駅周辺: TGVでリヨンに到着する場合や空港へのアクセスを重視するなら、このエリアが便利です。大型ショッピングモールもあり、買い物にも便利な環境です。
- プレスキル地区: 観光の中心地に滞在したい場合はこちらがおすすめ。多数の観光スポットに徒歩でアクセスでき、レストランやショップも充実しています。
- ホテル選びの基準
- ファミリールーム/コネクティングルーム: 家族4人で一部屋に泊まれるファミリールームや、隣接する部屋同士が内側で繋がっているコネクティングルームがあると便利です。
- アパートメントホテル: 簡易キッチンが付いたアパートメントタイプのホテルもおすすめです。市場で購入した食材で簡単に朝食を作ったり、子どもが疲れた日は部屋で食事を済ませられるため、柔軟に対応できます。
- 朝食サービス: 子連れの朝は慌ただしくなりがちなので、ホテルで朝食がいただけると朝の時間を有効活用できます。
私たちはパールデュー駅近くの「Ibis Styles Lyon Centre – Gare Part Dieu」に宿泊しました。ポップなインテリアが子どもたちに好評で、ファミリールームも快適でした。朝食ビュッフェも充実しており、家族連れに非常に適したホテルです。
安全に楽しむための注意事項
リヨンは比較的治安の良い都市ですが、ヨーロッパのほかの大都市同様、最低限の注意は必要です。
- スリ・置き引きへの対策
- 観光客で混み合う場所(ヴュー・リヨン、パールデュー駅、公共交通機関の車内など)では特にスリに注意を払いましょう。
- リュックは前に抱える、バッグはきちんと口を閉じて体の前で持つ、ポケットにスマートフォンや財布を無造作に入れないなど、基本的な防犯対策を心がけてください。
- レストランやカフェでは、椅子に荷物を置いたまま席を離れないようにしましょう。
- 緊急連絡先の把握
- もしもの場合に備え、以下の連絡先は控えておくと安心です。
- 警察:17
- 救急(SAMU):15
- 消防:18
- 欧州共通緊急電話番号:112
- 在リヨン領事事務所
リヨンの食をさらに深く知るために

美食の町リヨン。その食文化は非常に奥深く、知れば知るほど惹かれてしまいます。旅をさらに充実させるための、食に関する豆知識をご紹介します。
「ブション・リヨネ」という称号について
ヴュー・リヨン周辺を歩いていると、「Bouchon Lyonnais」と記されたプレートを掲げるレストランをよく見かけます。これはリヨン商工会議所が認定し、本場のリヨン郷土料理と伝統的なおもてなしを提供する店だけに贈られる称号です。
この認証制度は、観光客向けの質の低い飲食店と伝統を守り続ける本物のブションを区別する目的で設けられました。プレートにはリヨン発祥の人形劇の主人公、ギニョールが描かれています。確実に美味しいリヨン料理を堪能したいなら、このプレートのある店を選ぶのが安心です。ただし、人気店は予約が必須。特にディナー時には数日前からの予約をおすすめします。
子どもから大人まで楽しめるリヨンのお菓子とパン
リヨンの街を歩くと、パティスリーやブーランジェリーの店先に並ぶ鮮やかなピンク色のお菓子が目を引きます。これは「プラリーヌ・ローズ」と呼ばれる、アーモンドを真っ赤な砂糖で包んだリヨン名物です。
このプラリーヌ・ローズを使ったお菓子で特に有名なのは「ブリオッシュ・ア・ラ・プラリーヌ」。ふわふわのブリオッシュ生地に砕いたプラリーヌがたっぷり練り込まれており、甘みとカリカリした食感が絶妙にマッチします。また、タルト生地の上にプラリーヌフィリングを流し込んだ「タルト・ア・ラ・プラリーヌ」も格別の味わいです。
街のパン屋で一切れ購入し、公園のベンチで味わう。そんな何気ないひとときも、リヨンならではの特別な思い出になるでしょう。
旅の記憶を形に – リヨンで買うべきお土産
楽しい旅の思い出をお土産とともに日本へ持ち帰りましょう。リヨンには、食通の友人から家族まで、どなたにも喜ばれる魅力的なお土産が豊富に揃っています。
グルメ好きも納得の味わい土産
- ソシソン・ド・リヨン: リヨンを代表する乾燥ソーセージです。ピスタチオ入りやハーブを効かせたものなど種類が多彩で、真空パックのものを選べば日本への持ち帰りも安心。ポール・ボキューズ市場や専門店で手に入ります。
- サン・マルセラン: リヨン周辺で生産される小ぶりでクリーミーなチーズ。濃厚な味わいはワイン愛好家にとって嬉しいお土産です。
- ショコラ: リヨンにはベルナシオン(Bernachon)やヴォワザン(Voisin)といった名高いショコラティエがあります。とくに、緑色のマジパンで作られた「リヨンのクッション(Coussin de Lyon)」は見た目も愛らしく、定番のリヨン土産として人気です。
伝統が息づく工芸品
- 絹製品: かつて絹織物産業が盛んだったリヨンでは、今も高品質なシルクスカーフが製造されています。ヴュー・リヨンやクロワ・ルースの専門店には美しいデザインのスカーフが並び、大切な方へのギフトにぴったりです。
- ギニョール人形: リヨン発祥の人形劇のキャラクター、ギニョール。様々なサイズの人形があり、子どもへのお土産に最適です。愛嬌のある表情に見ているだけでほっと心が和みます。
リヨンは訪れるたびに新たな発見をもたらしてくれる、まるで万華鏡のような街です。古代ローマの遺跡が静かに佇む丘、中世の風情を残す石畳の小路、美食家たちの笑い声が響く市場、そしてスタジアムを揺るがすファンの熱狂的な歓声。
それぞれの多彩な魅力が、二つの川の流れのように自然に融合し、リヨンという唯一無二の魅力を形作っています。家族でトラブールを探検した記憶、はじめて味わう郷土料理に舌鼓を打った体験、そしてスタジアムで声を枯らして応援した思い出。その一つひとつが、私たちの胸に深く刻まれたかけがえのない宝物となりました。
この記事が、あなたの次の家族旅行のヒントとなればこれ以上の喜びはありません。さあ、地図を広げて、自分だけの物語を探しにリヨンへの旅へと踏み出してみませんか。

