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白銀の絶景に抱かれて。カナダ・ウィスラー ブラッコムで過ごす、心ときめくスキーバカンス

息をのむほどに広がる、真っ白な世界。空の青と雪の白、そのコントラストが目に焼き付いて離れない。ここは、カナダ・ブリティッシュコロンビア州が誇る世界最大級のスノーリゾート、ウィスラー ブラッコム。アパレルの仕事で世界中を飛び回る私ですが、長期休暇が取れると決まった時、真っ先に頭に浮かんだのがこの場所でした。ファッションの世界が常に新しいインスピレーションを求めるように、私の旅もまた、心を揺さぶるような圧倒的な美しさを求めています。

ウィスラー ブラッコムは、単なるスキー場ではありません。それは、雄大な自然と洗練されたカルチャーが融合した、一つの完成された世界。きらめくパウダースノーの上を滑り降りる高揚感、山頂を結ぶゴンドラから見下ろす絶景、そして暖炉の火が揺れるロッジで過ごす穏やかな時間。そのすべてが、日常の喧騒を忘れさせ、心を解き放ってくれる特別な体験でした。

この記事では、私が実際に体験したウィスラー ブラッコムの魅力を、ファッションやアートを愛する視点も交えながら、余すところなくお伝えしたいと思います。これからこの地を訪れるあなたが、最高の旅を計画できるよう、リフト券の購入方法から、おすすめのコース、そして女性一人でも安心して楽しめる安全対策まで、具体的な情報をたくさん詰め込みました。さあ、一緒に白銀の世界への扉を開きましょう。

そして、この素晴らしい旅が、あなたにとってカナダでの人生を変える1年へと繋がる第一歩となるかもしれません。

目次

ウィスラー ブラッコムってどんな場所? – 世界が恋するスノーリゾートの肖像

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ウィスラー ブラッコムについて語るうえで、まず押さえておきたいのは、このリゾートが「ウィスラー マウンテン」と「ブラッコム マウンテン」という隣接する二つの壮大な山から成り立っているという点です。これら二つの山が一体となることで、広大な滑走エリアが実現し、その面積は8,171エーカー(東京ドーム約700個分に相当)にものぼります。200を超えるコース、3つの氷河、そして数え切れないほどのボウル状の地形が広がり、訪れるすべてのスキーヤーやスノーボーダーを飽きさせることがありません。

このリゾートの名声を世界に知らしめたのは、2010年に行われたバンクーバー冬季オリンピックです。アルペンスキー競技の舞台として選ばれ、そのトップクラスの設備と雪質の高さが証明されました。特にウィスラー ブラッコムで体感できる雪は「シャンパンパウダー」と呼ばれ、軽やかで乾燥した極上のパウダースノーです。その浮遊感はまさに雲の上を滑っているかのようで、一度体験すると忘れがたい感覚を味わえます。

バンクーバー国際空港から車で約2時間という好アクセスも、このリゾートが世界中の旅行者に愛される理由のひとつです。美しい海岸線と山々が織りなす「シー・トゥ・スカイ・ハイウェイ」をドライブする時間は、旅の序章としても最高のひとときと言えるでしょう。

また、このリゾートの中心地ともいえるのが、山麓に広がる「ウィスラービレッジ」です。ヨーロッパの山岳リゾートを彷彿とさせる石畳の街並みには、レストランやショップ、ホテルが軒を連ね、スキーをしていない時間さえ充実した楽しみを提供してくれます。滑走を終えたスキーヤーたちが板を抱えて賑やかに語り合う光景や、カフェから漂う香ばしいコーヒーの香りが漂い、ビレッジ全体には温かく活気あふれる空気が満ちています。

初心者向けの緩やかなコースから、上級者が挑戦したくなるような険しい斜面まで、多彩なレベルに対応できる懐の深さ。それこそが、ウィスラー ブラッコムがただの巨大リゾートではなく、訪れる誰もが「自分だけの居場所」と感じられる特別な場所である理由なのでしょう。

旅の計画をはじめよう! – チケットから滞在先まで完全ガイド

素晴らしい旅は、周到な準備から始まります。特にウィスラー ブラッコムのような人気のリゾート地では、計画段階が旅の満足度を大きく左右します。ここでは、リフト券の購入方法から快適な宿泊先の選び方、そして現地へのアクセス方法まで、私の体験をもとにした実用的なアドバイスをお伝えします。

まずはリフト券(Epic Pass)を確保しよう

ゲレンデを楽しむためにはリフト券が必須です。これをどう手に入れるかが、ウィスラーでの滞在をスムーズに始める第1歩となります。選択肢は主に1日券、複数日券、そしてシーズンパスの「Epic Pass」の3種類です。

私が最もおすすめするのは、オンラインでの事前購入です。というのも、当日に窓口で購入するよりも大幅に割安になることが多いからです。特に数日間滑る予定があるなら、割引効果はさらに大きくなります。公式ウェブサイトから購入すれば、現地のチケットカウンターの長い列を避け、スムーズにゲレンデに向かうことが可能です。旅に使える時間は貴重ですから、列に並んで無駄にするのはもったいないですね。

購入プロセスは非常に簡単で、ウィスラーブラッコム公式サイトにアクセスし、滑走予定の日数と日付を選択、クレジットカードで決済するだけです。購入後に届く確認メール(バウチャー)を、現地のチケットカウンターやピックアップボックスで提示・スキャンすると、リフトカードが発行されます。このカードはリチャージ可能なので、滞在中に滑走日数を追加したい場合も、オンラインで手軽に追加購入できます。

また、もしあなたが一シーズンに何度もスキー旅行を計画していたり、アメリカのベイルやパークシティ、さらにはヨーロッパのスキーリゾートにも興味があるなら、「Epic Pass」の入手は非常に価値があります。ウィスラー ブラッコムをはじめ世界中の提携リゾートで利用できるこのシーズンパスは、早期購入すれば数日の滞在でも元が取れるほどお得です。旅のスタイルに合わせて最適なチケットを選んでください。

滞在拠点の選択 – ウィスラービレッジの魅力を探る

宿泊先の選択は、旅の質を決める大切なポイントです。ウィスラーには、目的や予算に応じて選べる魅力的なエリアが複数あります。

  • ウィスラービレッジ: リゾートの中心地で、ゴンドラ乗り場やレストラン、ショップが徒歩圏内に揃い、利便性が抜群です。夜遅くまで賑わうため、アフタースキーも満喫したい活動的な方にぴったり。多彩なホテルやコンドミニアムが集まっています。
  • アッパービレッジ: ブラッコムマウンテン側の麓に位置し、ウィスラービレッジからやや離れた静かなエリア。フェアモントやフォーシーズンズといった高級ホテルが点在し、上質な滞在を望む方に最適です。ゴンドラへのアクセスも良好です。
  • ウィスラークリークサイド: ウィスラービレッジの南に位置し、リゾート発祥の地でもあります。落ち着いたファミリー向けの雰囲気が魅力的で、専用のゴンドラでウィスラーマウンテンへ直接アクセス可能。賑やかなビレッジを離れてゆっくり過ごしたい方におすすめのロケーションです。

私が選んだのは、ウィスラービレッジ内のコンドミニアムでした。キッチンが完備されているため、朝食は地元のスーパーで買ったパンやフルーツで手軽に済ませ、夜は新鮮な地元の食材を使って料理を楽しむことができます。長期滞在では外食が続きがちですが、こうした自由な食生活が心地よいリズムを生み出してくれます。

特におすすめなのは「スキーイン/スキーアウト」が可能な宿泊施設です。このタイプの宿は、宿の玄関から直接滑り出してリフトまで行けるため、重いスキーブーツを履いて長い距離を歩く必要がありません。体力を温存できるので、ホテル選びの際はこの点をぜひチェックしてください。

バンクーバーからのアクセス方法

バンクーバーからウィスラーまで約120kmの道のりは、その景観も含めて旅の楽しみの一つです。最も一般的で便利な方法は、空港や市内から出ているシャトルバスを利用することです。

  • シャトルバス: 「Whistler Connection」や「Skylynx」などが多くの便を運行しています。オンラインで事前予約が可能で、フライト到着時間に合わせた予約をしておけば、空港で迷わずスムーズにバスに乗れます。座席は快適で、大きな荷物の預け入れも可能なので、長旅の疲れを癒しつつ車窓の美景を楽しめます。ウィスラー内の主要ホテルまでの送迎サービスがあるのも嬉しいポイントです。
  • レンタカー: より自由な旅を希望する場合はレンタカーも選択肢です。途中でスコーミッシュの街に立ち寄ったり、絶景スポットで写真を撮ったりしながら、自分たちのペースで移動できます。ただし、冬のシー・トゥ・スカイ・ハイウェイは天候が変わりやすく、積雪や路面凍結のおそれがあります。カナダ・ブリティッシュコロンビア州では毎年10月1日から4月30日まで、この道路を走行する車両に対して冬用タイヤ(マッド&スノータイヤやスノーフレークマーク付きタイヤ)の装着義務があります。レンタカー利用の際は、必ず冬用タイヤが装着されているかを確認しましょう。運転に自信がなければシャトルバスの利用が無難です。
  • 水上飛行機: 少し変わった体験を求めるなら、ハーバー・エアの水上飛行機を検討してみてはいかがでしょうか。バンクーバーのダウンタウンからウィスラー近郊のグリーンレイクまで約45分のフライトで、空から望むコーストマウンテンズの壮麗なパノラマは一生忘れられない感動を与えてくれます。予算やスケジュールに余裕があれば、ぜひ体験してみてください。

いざ、白銀の世界へ! – ゲレンデを120%楽しむための実践テクニック

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旅の準備が完了したら、いよいよ白銀の世界へと足を踏み入れます。ふわふわのパウダースノーと果てしなく広がるゲレンデ。そのすべてを心ゆくまで味わうために、知っておきたい持ち物やルール、そしてレベル別のおすすめコースをご案内します。

完璧な一日を迎えるための必携アイテムリスト

アパレル業界に携わる私にとって、機能性とデザイン性を兼ね備えたウェア選びはスキー旅行の醍醐味の一つです。極寒の環境で快適に過ごす秘訣は「レイヤリング(重ね着)」。これが何よりの基本となります。

  • ベースレイヤー: 肌に直接触れる最下層。汗を素早く吸収し外部に逃がすことが重要です。メリノウールや高機能合成繊維製のものがおすすめ。コットンは汗を吸って身体を冷やすため、避けるのが賢明です。
  • ミッドレイヤー: 保温を担う中間層。フリースや軽量ダウンジャケットが一般的で、気温や運動量に応じて厚みを調整、脱ぎ着します。私は軽くて動きやすいインナーダウンを必ず持参します。
  • アウターレイヤー: 雪や風を防ぐ一番外側の層。防水性・防風性に加え、内部の湿気を逃がす透湿性を備えたジャケットとパンツを選びましょう。GORE-TEX®などの高機能素材製品が安心です。最近はアースカラーやくすみ色など洗練されたデザインのものも増え、自分らしいスタイルで街中でも着映えします。

欠かせない小物たち

  • ゴーグル: 紫外線や雪、風から目を守る必需品。天候に応じてレンズカラーを使い分けると、視界が驚くほどクリアになります。晴れの日用のミラーレンズと、吹雪や曇天用のイエローやピンクなど明るめのレンズがあると安心です。
  • ヘルメット: 安全確保のため、現在では着用が常識です。頭にぴったり合うものを選びましょう。レンタルもできます。
  • グローブ: 防水と保温に優れたスキー・スノーボード仕様のものを。濡れたときのため、予備を一つ持っておくと快適です。
  • ネックウォーマー/バラクラバ: 首や顔を寒さから守るアイテム。特に吹雪の際、そのありがたさを感じるでしょう。
  • 日焼け止め&リップクリーム: 高地の雪山は、雪面の照り返しで予想以上に日焼けしやすいです。高SPFの日焼け止めと、唇の乾燥を防ぐリップクリームは男女問わずマストアイテムです。
  • スマートフォン/アクションカメラ: 素晴らしい景色を残すために。低温下ではバッテリー消耗が早いため、モバイルバッテリーをポケットに忍ばせておくと安心です。

これらのアイテムをバックパックにしっかり詰め、準備は万端。ゲレンデに出る前には、リフト券をジャケットのポケット(ICチップ読み取りに反応しやすい左腕のポケットがおすすめ)に入れたことを必ず確認してください。

ゲレンデで守るべきルールとマナー — 安全に楽しむために

広大なゲレンデをすべての人が安全に楽しむためには、共通のルールとマナーを守ることが不可欠です。ウィスラー・ブラッコムでは、「アルパイン・レスポンシビリティ・コード」というスキーヤー・スノーボーダーの責任を定めた行動規範があり、特に重要な点を押さえておきましょう。

  • 常に自分のコントロール下で滑る: スピードの出し過ぎは控え、いつでも止まれる、また人を避けられる速度を維持しましょう。
  • 前方の人に優先権あり: 先に滑っている方が進路を選べます。追い越す際は十分な間隔をとり、相手の動きを妨げないよう心掛けてください。
  • コースの合流地点は慎重に: 合流場所で立ち止まる際は、上から滑ってくる方がいないか必ず確認を。リフト乗り場周辺や見通しの悪い合流ポイントは特に注意が必要です。
  • 立ち止まる時はコース端で: 休憩などで止まるときは、他の利用者の妨げにならないよう必ずコースの端に寄ってください。コース中央や視界の悪い斜面上で座るのは非常に危険です。
  • 標識やロープに従う: 「SLOW(減速)」の標識がある場所は速度を落とし、「CLOSED(閉鎖)」のロープが張られた区域には絶対に入らないでください。雪崩の危険や積雪不足など、危険が伴うエリアです。

これらのルールは、自身の安全を守り、周囲に迷惑をかけないための大切な約束事。少し意識するだけで、ゲレンデはより快適で安全な空間になります。

初心者から上級者まで!レベル別おすすめコースガイド

ウィスラー・ブラッコムには200を超えるコースがあり、どこを滑るか迷ってしまいがち。そこで、私の独断と偏見で選んだレベル別のおすすめコースとエリアを紹介します。ゲレンデマップを手に入れて、自分だけのプランを練ってみてください。最新の公式ゲレンデマップでコース名をチェックしながら読むと、イメージがより鮮明になるでしょう。

  • 初心者向け: まずは自信を養うことが重要です。ウィスラーマウンテンの中腹にある「オリンピック・ステーション」周辺は広々として緩やかな斜面が広がり、練習にぴったりです。「Ego Bowl」と呼ばれるエリアも、その名の通り気持ちよく滑れます。ブラッコムマウンテンなら、麓付近の「Magic Chair」リフト周辺が基本的なターン習得に適しています。慣れたら少し長めのグリーン(初級者)コースにチャレンジしてみましょう。
  • 中級者向け: 滑りにある程度慣れたら、山頂からのロングクルージングに挑戦してみてください。ブラッコムマウンテンの「7th Heaven Express」リフト上部は、まさに天国のような絶景スポットです。そこから続くブルー(中級者)コースは、適度な斜度と広い滑走路が爽快なカービングを楽しませてくれます。ウィスラーマウンテンでは「Harmony 6 Express」リフトからの景色が格別。眼下に広がるウィスラービレッジを望みながら、多様な地形を滑り降りる醍醐味は格別です。
  • 上級者向け: ウィスラー・ブラッコムの真骨頂は、未踏の自然が残る広大なオフピステ(非圧雪)エリアにあります。ブラッコムの山頂からアクセスできる「ブラッコム氷河」や、ウィスラーの「シンフォニー・エクスプレス」先にあるボウルエリアは、パウダー好きにはまさに聖地です。ただし、これらの場所は天候や雪の状況によって閉鎖されることも多く、雪崩の危険性も伴います。滑る際は必ずビーコン、ショベル、プローブといった雪崩対策装備を携帯し、複数人で行動することを心掛けてください。自身の技術を過信せず、安全を最優先にして挑みましょう。

ウィスラー ブラッコムの象徴 – PEAK 2 PEAK ゴンドラに乗って

ウィスラー ブラッコムを訪れた際は、スキーを楽しむかどうかに関わらず、ぜひ体験してほしいのが「PEAK 2 PEAK ゴンドラ」です。これはウィスラーマウンテンのラウンドハウス・ロッジとブラッコムマウンテンのランデブー・ロッジという、二つの山頂駅を約11分でつなぐ驚異のゴンドラです。

このゴンドラは単なる移動手段ではなく、それ自体がアトラクションのひとつとなっています。全長4.4kmにわたり、最も高い地点では地上から436mもの高さを走ります。支柱間の距離は3.024kmと世界最長記録を誇り、乗車中はまるで空を飛んでいるかのような不思議な感覚に包まれます。

ゴンドラは数分おきに次々と運行していますが、ぜひ乗ってみてほしいのが、数十台に一台の割合で現れる、床の一部がガラス張りの「グラスボトム・ゴンドラ」です。乗り場のレーンは分かれているため、多少待ってでもこちらに乗る価値は十分にあります。足元に広がるフィッツシモンズクリークの谷を見下ろすスリルは格別で、遥か下方に小さな点のように見える木のてっぺんを眺めると、自分がどれだけ高い場所にいるかを実感して思わず足がすくんでしまいます。

しかし、このゴンドラの真の魅力は、360度どこを見渡しても遮るものがない息を呑むようなパノラマビューにあります。雪を冠した鋭い稜線の山々、果てしなく続く針葉樹の森、そして遠くにはターコイズブルーに輝く氷河が広がり、まるで一幅の風景画の中に入り込んだかのような壮大な景色が目の前に広がります。私自身、このゴンドラに乗るたび、自然が作り出す美しさに心奪われ、何度もシャッターを切っています。

このPEAK 2 PEAK ゴンドラのおかげで、午前中はウィスラーマウンテン、午後はブラッコムマウンテンと、一日の間に両方の山を効率良く楽しめます。天候や雪質の良い方の山に気軽に移動できるため、スキーヤーやスノーボーダーにとってこれ以上ない贅沢な体験と言えるでしょう。

スキーだけじゃない!アフタースキーの過ごし方

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ウィスラーの魅力は、ゲレンデだけにとどまりません。滑走を終えた後の「アフタースキー」の時間こそ、このリゾートのもうひとつの顔と言えるでしょう。冷えた体を温め、一日滑った仲間たちと語り合うそのひとときが、旅の思い出をより一層深く豊かなものにしてくれます。

ウィスラービレッジで味わうグルメとショッピング

夕暮れが訪れると、ウィスラービレッジは温かな光に包まれ、街全体が活気にあふれます。スキーブーツを脱ぎ、おしゃれに着替えて街へ繰り出す時間は、私にとって格別のリラックスタイムです。

  • グルメ: ビレッジ内には、気軽なパブから格式高いレストランまで多彩な飲食店が軒を連ね、世界各地の味覚を楽しめます。スキーヤーに特に支持されているのが、ゴンドラ乗り場からほど近い「Garibaldi Lift Co. Bar & Grill(通称GLC)」。暖炉のそばにあるテラス席でゲレンデの景色を眺めつつ、地ビールを味わうのは格別の贅沢です。もっと本格的なディナーを満喫したい方には、繊細なイタリア料理を提供する「Il Caminetto」や、西海岸の新鮮な食材をふんだんに使った「Araxi Restaurant + Oyster Bar」が特におすすめ。人気が高いため、予約は早めに済ませておくのが賢明です。朝食やランチには、焼きたてのパンやペイストリーが評判の「Purebread」にぜひ立ち寄ってみてください。ショーケースにずらりと並ぶパンの数々を見るだけで、心が満たされます。
  • ショッピング: ウィスラーはアウトドアブランドの聖地としても知られています。カナダ発の「Arc’teryx」や「Patagonia」「The North Face」などの大手ブランドが旗艦店を構え、最新のウェアやギアが手に入るほか、日本未発売の商品に出会えることもあります。また、ビレッジには個性的なブティックやアートギャラリーも点在しており、先住民アートに触れたり、地元作家の風景画を鑑賞するのも魅力的な過ごし方です。お土産探しには、カナダらしさあふれるメープルシロップやスモークサーモンが揃うスーパーマーケットもおすすめです。

心と体を癒す、極上のリラクゼーション体験

一日中滑って疲れた筋肉をしっかり癒すには、スパが最適です。ウィスラーには、心身のリフレッシュにぴったりな素晴らしいスパ施設が点在しています。

私が特に推したいのは、「スカンジナビアン・スパ・ウィスラー」。ビレッジから少し離れた森の中に静かに佇む屋外スパで、落ち着いた環境が魅力です。ここでは、暖かい浴槽やサウナで体を温めたあと、冷たい滝や水風呂で冷やす温冷交代浴を繰り返します。最後は暖炉のあるリラクゼーションルームや屋外ハンモックでゆったりと休息をとります。このサイクルを重ねることで血行が促進され、体が驚くほど軽くなるのを感じるでしょう。このスパには「静けさ」がルールとしてあり、携帯電話の使用はもちろん、会話も控えられています。耳に届くのは、水音と鳥のさえずりのみ。まさにデジタルデトックスに最適な、大人のための癒しの空間と言えます。

冬の夜を彩る多彩なアクティビティ

夜になってもウィスラーの楽しみは尽きません。家族連れやカップルに人気の「Vallea Lumina(バレア・ルミナ)」は、森の中を歩きながら光と音の演出を楽しむナイトウォークです。雪明かりに照らされた幻想的な森は、まるで別世界に迷い込んだような体験をもたらし、心に残る夜の思い出になるでしょう。

また、ビレッジ内には屋外のアイススケートリンクもあり、誰でも気軽にスケートを楽しめます。そのほか、専用コースをタイヤ型チューブで滑り降りるスノーチュービングなど、スキーとは異なる冬のアクティビティも豊富に用意されています。

知っておきたい、旅のTIPSと安全対策

最高の旅行にするためには、少しの知識と準備が重要です。ここでは、万が一トラブルが起きた際の対処法や、費用を節約するポイントなど、快適で安全な滞在を実現するためのヒントをご紹介します。

トラブル発生時の対処法

旅ではトラブルは避けられませんが、事前に対応方法を把握しておけば、慌てず冷静に行動できます。

  • スキー中のケガ: ゲレンデで自分や他の人が怪我をした場合は、まず落ち着いて周囲の安全を確保し、近くの人に助けを求めましょう。各リフト乗り場にはスタッフが常駐し、ゲレンデを巡回しているスキーパトロール(赤いジャケットに白い十字マークが目印)もいます。現在いる場所(リフト名やコース名など)を伝えれば、迅速に救助が来ます。リフト会社の緊急連絡先をスマホに登録しておくと、さらに安心です。
  • 道具のトラブル: スキー用品のビンディングが破損したり、ブーツのバックルが閉まらなくなったときは、麓や中腹にあるレンタルショップやリペアショップに持ち込みましょう。簡単な修理ならその場で対応してもらえます。
  • リフト券の紛失: リフトカードをうっかり失くしても慌てないでください。購入時のレシートや確認メールなどを持ってチケットオフィスへ行けば、ほとんどの場合再発行が可能です。カードには個別番号が割り振られているため、紛失したカードを無効化して新しいカードを発行してくれます。
  • 天候による運休: 強風や吹雪でリフトやゴンドラが運休することはよくあります。運行状況は公式サイトや公式アプリ「EpicMix」でリアルタイムに確認可能です。山頂付近のリフトが止まっていても、麓近くのリフトは動いている場合が多いので、プランを調整して楽しみましょう。滑走が難しい悪天候時は、前述のスパやビレッジでのショッピングに切り替えるなど、柔軟に楽しむ心構えが大切です。

持ち物に関する注意点と禁止事項

ウィスラー ブラッコムの自然環境保護および安全な滞在のため、いくつかの規則があります。

  • ドローンの使用禁止: 個人利用のドローン飛行はリゾート敷地内では原則禁止です。美しい空撮をしたい気持ちは理解できますが、他のゲストやリフトの安全に影響を与える恐れがあるため、ルール厳守が求められます。
  • アルコールの持ち込み制限: ゲレンデへのアルコールの持ち込みや、指定場所以外での飲酒は禁止されています。リフト乗車前の一杯は、麓のパブなど指定された場所で楽しみましょう。

費用を賢く節約するポイント

世界屈指のリゾートだけあり、出費が心配な方もいるかもしれません。しかし、少し工夫すれば費用を大幅に抑えられます。

  • 早期予約の活用: リフト券や宿泊先、航空券は、早めに予約するほど割引率が高くなる「早割(Early Bird)」が適用されることが多いです。旅行計画はできるだけ早くスタートするのがおすすめです。
  • コンドミニアムでの自炊: 先述の通り、キッチン付きコンドミニアムに宿泊すれば、食費を大きく節約できます。ウィスラービレッジ内には「IGA」や「Fresh St. Market」といった大型スーパーマーケットがあり、新鮮な食材や惣菜、お酒などが揃っています。Tourism Whistler公式サイトでビレッジの施設マップを確認しておくと便利です。
  • ハッピーアワーを狙う: ビレッジ内の多くの飲食店やパブは午後から夕方にかけて「ハッピーアワー」を実施しており、ビールやアペタイザーを割引価格で楽しめます。賢く活用して、お得にアフタースキータイムを満喫しましょう。

季節を超えて愛されるリゾートの素顔

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私がウィスラー ブラッコムを訪れたのは、もちろん雪が輝く冬の季節でした。しかし、地元の人々と話をしたりビレッジを歩いたりするうちに、ここが冬だけの場所ではないことに気づかされました。雪が溶け、山々が緑に染まる夏には、ウィスラーはまったく異なる表情を見せるのです。

夏になると、世界中からマウンテンバイカーが集まる「マウンテンバイクの聖地」としての顔を持ちます。スキーリフトは自転車を山頂へ運ぶ「バイクゴンドラ」に変わり、冬のスキーコースは刺激的なダウンヒルコースへと様変わりします。

さらに、PEAK 2 PEAK ゴンドラも夏季に運行しており、山頂からのハイキングを楽しむことができます。高山植物が咲き乱れるトレイルを歩きながら、氷河湖の鮮やかな青色を眺める。想像しただけで心が弾みます。そのほか、湖でのカヌーやSUP、森の中を駆け抜けるジップラインなど、夏ならではのアクティビティが豊富に用意されています。

一度冬に訪れた人は、その緑あふれる季節の美しさにも魅了されて再び訪れたくなります。そして夏に訪れた人は、この壮大な山々が雪に覆われる姿を思い描き、冬の再訪を誓うのです。こうした季節を超えて人々を惹きつけ続ける循環こそが、このリゾートの根本的な魅力なのかもしれません。

心に刻む、白銀の記憶

ウィスラー ブラッコムで過ごした日々を振り返ると、今でも胸が高鳴ります。誰の滑走跡もない朝一番の圧雪バーンに、自分だけのシュプールを刻むその音。7th Heavenの山頂でゴーグルを外し、冷たく肌を撫でる風とともに果てしなく続く山並みを静かに見つめたあの時間。PEAK 2 PEAKゴンドラの窓越しに見下ろした、谷底を煌めく川の流れ。そして滑走を終え、ビレッジに戻って暖炉の火で冷えた指先を温めながら味わったホットチョコレートの甘み。

その一瞬一瞬が、鮮明な記憶となって心に深く刻まれています。

これは単にスキー技術の向上や絶景の目撃体験だけではありません。雄大な自然の中に立つことで、自分の小ささを実感し、同時にその自然の一部であることを肌で感じた、不思議な一体感の体験でした。日々の重圧や煩わしさが、壮大な風景のなかで溶け去り、心が浄化されるような感覚。これこそが、旅がもたらす最高の贈り物だと改めて感じます。

もし日常から少し距離を置き、心を揺さぶる体験を求めているのなら。もし単に美しいだけでなく、魂に響く絶景に出会いたいと願うのなら、ぜひウィスラー ブラッコムを訪れてみてください。

そこには、想像をはるかに超える白銀の絶景と、忘れがたい冒険が待っています。次はあなたの番です。あなただけのシュプールを、あの真っ白なキャンバスに描きにいきませんか。

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この記事を書いたトラベルライター

アパレル企業で培ったセンスを活かして、ヨーロッパの街角を歩き回っています。初めての海外旅行でも安心できるよう、ちょっとお洒落で実用的な旅のヒントをお届け。アートとファッション好きな方、一緒に旅しましょう!

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