2025年11月11日、米国で続く政府機関の一部閉鎖(シャットダウン)の影響が、全米の航空網に深刻な混乱を引き起こしています。主要な空港では保安検査官や航空管制官の不足が顕著となり、過去5日間で合計1,000便を超えるフライトが欠航する異常事態となっています。感謝祭の旅行シーズンを前に、多くの旅行者が空港で足止めされるなど、影響は拡大の一途をたどっています。
なぜシャットダウンが空の便を直撃するのか
米国では、連邦政府の予算案が議会で可決されない場合、政府機関の一部が閉鎖されます。このシャットダウンの直接的な影響を受けているのが、空港の安全を担う運輸保安庁(TSA)の保安検査官や、空の交通整理を行う連邦航空局(FAA)の航空管制官です。
彼らは「必要不可欠な職員」と見なされ、シャットダウン期間中も無給での勤務を強いられます。この状況が職員の士気を著しく低下させ、抗議の意味合いを含む病欠(シックアウト)の増加につながっています。結果として、空港では保安検査場を通過するための長蛇の列が発生し、一部のターミナルでは検査場自体が閉鎖されるケースも報告されています。
また、航空管制業務においても人員不足が深刻化しており、安全な運航間隔を確保するために、やむを得ずフライト数を制限する措置が取られています。これが、航空会社による大規模な遅延や欠航の主な原因となっています。
旅行者が直面する影響と自己防衛策
現在、米国への旅行や米国内での移動を計画している方は、深刻な影響を受ける可能性があります。
- 空港での大混雑と長時間の待ち時間: 保安検査の人員不足により、チェックインから搭乗ゲートにたどり着くまで通常よりもはるかに長い時間が見込まれます。
- 突然のフライトキャンセルと遅延: 航空管制の制限により、出発直前にフライトがキャンセルされたり、大幅な遅延が発生したりするリスクが高まっています。
- 代替便の確保が困難に: 多くの便が欠航しているため、代替便の空席を見つけることは非常に困難な状況です。
これから旅行を予定している方は、以下の対策を強く推奨します。
- 運航状況の確認: 出発前に必ず利用する航空会社のウェブサイトや公式アプリで最新の運航情報を確認してください。
- 時間に余裕を持った行動: 通常の倍以上の時間を想定し、早めに空港へ向かうことをお勧めします。
- 旅行保険の確認: ご加入の海外旅行保険が、フライトの遅延やキャンセルによって生じる追加の宿泊費や交通費をカバーしているか、契約内容を再確認しておきましょう。
経済への打撃と今後の見通し
この混乱は、旅行者個人だけでなく、航空業界全体、ひいては米国経済にも大きな打撃を与えています。航空会社は燃料費や人件費、顧客への補償などで莫大な損失を被っており、観光業や関連ビジネスへの波及も避けられません。
シャットダウンが長引けば、状況はさらに悪化することが予測されます。特に、一年で最も混雑する感謝祭やクリスマス休暇シーズンに突入すれば、混乱は制御不能なレベルに達する恐れがあります。
根本的な解決には、ホワイトハウスと議会が予算案で合意し、政府機関を正常化させることが不可欠です。しかし、政治的な対立は根深く、早期解決の見通しは立っていません。当面の間、米国を発着する空の便は、不安定な状況が続くものと見られます。旅行を計画される際には、最新のニュースに細心の注意を払うようにしてください。

