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カナリア諸島の謎、グイマーのピラミッドへ。太陽と星、そしてフリーメイソンの影を追う旅

大西洋に浮かぶ永遠の春の島、スペイン領カナリア諸島。その中でも最大の面積を誇るテネリフェ島に、旅人の知的好奇心を激しく揺さぶる、謎に満ちた遺跡があることをご存知でしょうか。その名は「グイマーのピラミッド」。エジプトの壮大な王墓でもなければ、マヤ文明の神殿とも違う、黒い火山岩で築かれた六つの階段状ピラミッド群です。

それは一体誰が、何のために造ったのか。近代の農民が積み上げたただの石垣なのか、それとも大洋を越えた古代文明の交流を示すミッシングリンクなのか。夏至と冬至の太陽と完璧に連携する天文台としての顔、そして背後にちらつく秘密結社フリーメイソンの影。無数の仮説が絡み合い、訪れる者を壮大な歴史の迷宮へと誘います。

こんにちは、亜美です。普段はアパレルの世界で流行の最前線を追いかけていますが、長期休暇にはリュック一つで世界の片隅にある歴史の断片を探す旅に出ています。今回は、教科書には載っていない、けれど確かにそこに存在する謎を解き明かすべく、テネリフェ島の東海岸、グイマーの町へと飛びました。この記事が、あなたの次なる旅のインスピレーションとなり、そして実際にその地を踏み出すための一助となれば幸いです。

さあ、一緒に謎解きの旅を始めましょう。まずは、この物語の舞台となる場所を地図で確認してみてください。

この謎多きピラミッドがある場所は、実は他にも魅力が満載の島です。さらに深くこの地の魅力を知るために、テネリフェ島完全ガイドも合わせてご覧ください。

目次

グイマーのピラミッドとは? – 謎に満ちた石の建造物群

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テネリフェ島の東部、バナナ農園が広がるのどかな町グイマーに、そのピラミッド群は静かに佇んでいます。私たちが「ピラミッド」と聞いて思い浮かべる、エジプト・ギザの滑らかな四角錐や、メキシコ・チチェンイッツァの壮麗な神殿とは、その趣を大きく異にします。

グイマーのピラミッドは、現地で採取された火山岩を加工し、モルタルなどの接着剤を一切使わずに積み上げられた階段状の構造物です。最も高いものでも高さは約12メートルほどしかありません。一見すると、畑の境界を示す石垣のようにも見えなくもありません。実際、長い間、このピラミッドは地元の人々に「マハーノス(Majanos)」と呼ばれ、農作業の際に出てきた石をただ積み上げただけのものと認識されていました。景観に溶け込みすぎて、その独特な存在に誰も気づかなかったのです。

この「ただの石垣」に、歴史を揺るがすほどの価値を見いだしたのは、20世紀を代表する偉大な探検家の一人でした。彼の登場により、グイマーのピラミッドをめぐる物語は劇的に動き出すことになります。

考古学的視点 – 古代グアンチェ族の遺産か、それとも近代の産物か

この奇妙な石の塔の正体については、正反対の二つの説が存在しています。一つは科学的根拠に基づく「近代に作られたもの」という見解。もう一つは、古代の文化交流という壮大なロマンを秘めた「古代遺跡」であるという説です。

公式見解と農民の石積み説

1991年、スペインのラ・ラグーナ大学の研究者チームがこの場所を調査しました。彼らの発掘の結果、ピラミッドの最下層から19世紀後半の陶器の破片が発見されました。また、19世紀の土地売買契約書には、この地が石の多い扱いにくい土地であったと記されていました。これらの情報から彼らは、「これらの構造物は19世紀に農地開墾の際に農民が邪魔な火山岩を集めて積み上げたものに過ぎない」と結論付けたのです。

確かにカナリア諸島の他の島でも似た石垣が確認されており、考古学的証拠に基づくとこの説は十分に説得力を持っています。この発見によって、グイマーのピラミッドは一時、学術的には「近代の農業遺構」として片付けられそうになりました。しかしながら、この結論に異を唱える人物が現れたのです。

トール・ヘイエルダールの反論―大洋を越えた文化交流の証明

その人物はノルウェー出身の探検家であり人類学者でもあるトール・ヘイエルダールです。彼は1947年に古代ペルーのインカ族が使用したのと同じバルサ材のいかだ「コンティキ号」に乗り、南米からポリネシアまで約8000キロの航海に成功し世界的に知られました。彼の理論は「拡散主義」と呼ばれ、古代の人々は我々が考える以上に高度な航海技術を持ち、海を渡って文化や技術を伝え合っていたと主張しています。

テネリフェ島に移住していたヘイエルダールはグイマーのピラミッドの存在を知ると、すぐさま現地に向かいました。彼は一目で、これが単なる石垣ではないと直感します。

彼の指摘は非常に鋭く以下の点を挙げています。

  • 石の加工技術:農民が無造作に積んだだけならもっと粗雑なはずだが、グイマーのピラミッドの角石には明らかに加工された跡が見られる。
  • 構造:西側には階段が設けられており、これは儀式的な意味合いを強く示している。
  • 平らな頂上:全てのピラミッドの頂上は意図的に平らに整えられており、儀式や天文観測の空間だった可能性がある。
  • 方位:ピラミッドの配置は偶然とは思えないほど正確に天文現象、特に夏至と冬至の太陽の動きに合わせられている。

さらにヘイエルダールはこのピラミッドの形状が、彼が調査してきたペルーやメソポタミアのジッグラト、シチリア島やメキシコの階段状ピラミッドに非常によく似ていることを指摘しました。彼はこれが古代エジプトやメソポタミアを起点とした文化が大西洋を越えてアメリカ大陸に伝わった証であり、その中継地がカナリア諸島だったのではないかと考えたのです。

ヘイエルダールのこの情熱的な主張は一人の有力な支援者を動かしました。彼の同郷であるノルウェーの著名な海運実業家フレッド・オルセンです。二人は私財を投じてこの地を購入し、ピラミッドを保存して謎を後世に伝える民族学公園「Pirámides de Güímar Ethnographic Park & Botanical Garden」を設立しました。現在私たちは彼らの努力によって安全にこの遺跡を見学できるのです。

考古学的に見ると年代は19世紀を指し示し、一方で構造と配置は古代の高度な知恵を感じさせます。一体、どちらが真実なのでしょうか。その答えを解き明かす鍵は、天空の動きに隠されているのです。

天文学的視点 – 太陽を崇拝した古代人の天文台

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グイマーのピラミッドが単なる石の積み重ねにとどまらないことを最も雄弁に示しているのは、その卓越した天文学との結びつきです。建設者たちは太陽の動きを綿密に把握し、その動きを石造りの構造物を通じて「記録」しようとしたとしか考えられません。

夏至と冬至の神秘 – 太陽とピラミッドが織り成す光の演出

グイマーのピラミッドが示す天文的な特徴は、偶然の産物とは到底思えないほど緻密です。

  • 夏至の二重日没: 一年で最も昼が長い夏至の日、主な大ピラミッドの頂上から西の空を見渡すと、太陽は一度山の峰に沈みます。しかし、これが終わりではありません。太陽はその山の稜線を滑るように再び現れ、さらに少し離れた別の山の頂で二度目の日没を迎えます。この「二重日没」という劇的な現象を、ピラミッドは完璧な観測ポイントとして捉えています。まるで太陽の力が最高潮に達する特別な日を讃えるための、壮大な舞台装置のようです。
  • 冬至の日の出: 一年で最も昼が短い冬至の朝、主ピラミッドの西側の階段に注目すると、昇る太陽の光が階段の側面を正確に二分するかのように差し込みます。暗闇と光が鮮やかに分かたれるこの光景は、死と再生、闇から光への移り変わりを象徴し、見る者に深い感動と畏敬の念を呼び起こします。

カナリア諸島天体物理学研究所(IAC)の研究者たちもこの現象に着目し調査を行いました。彼らの研究によって、これらの天文現象とピラミッドの配列が数学的に極めて高い精度で整合していることが裏付けられています。なお、カナリア諸島天体物理学研究所(IAC)は世界有数の天文観測拠点であり、その研究は非常に信頼されています。

古代の天文学と信仰

では、このような天文台を築いたのは誰だったのでしょうか。ヘイエルダールはカナリア諸島の先住民族である「グアンチェ族」の手によるものと推測しました。金髪碧眼の高身長な民族であったとされるグアンチェ族は、15世紀にスペイン人による征服を受けるまで独自の文化を育んでいました。彼らの起源は謎に包まれていますが、北アフリカのベルベル人との繋がりが指摘されています。

グアンチェ族が太陽や星を崇拝していたことは史料にも記されており、夏至や冬至は農耕や生活のリズムを定めるうえで非常に重要な日に位置づけられていたはずです。ピラミッドは、彼らが神聖な儀式を執り行い、宇宙との繋がりを確かめるための場であったのかもしれません。

世界を見渡せば、イギリスのストーンヘンジやアイルランドのニューグレンジ、エジプトのカルナック神殿など、古代遺跡の多くが天文観測の役割を果たしてきました。グイマーのピラミッドもまた、この「天文考古学」の流れに連なる、大西洋の孤島に刻まれた壮大なカレンダーだったのではないでしょうか。

しかし、物語はここで終わるわけではありません。この遺跡には、さらにもう一つの、謎めいた層が存在しているのです。

フリーメイソンの影 – 謎を深めるシンボリズム

グイマーのピラミッドにまつわる話題で避けて通れないのが、「フリーメイソン」との関連性です。このテーマは陰謀論のように語られがちですが、ここでは事実とそこから導かれる興味深い仮説を区別して考えてみたいと思います。

公園内に散りばめられたシンボルたち

まず確かな事実として押さえておくべきは、この民族学公園設立に深く関わったトール・ヘイエルダールの盟友、フレッド・オルセンが上級のフリーメイソンであったという点です。このことは公園の案内板にも明記されています。

公園をじっくりと歩いてみると、フリーメイソンの象徴を思わせるデザインが多く散見されるという指摘もあります。具体的には以下のようなものです。

  • ピラミッドと目のモチーフ:フリーメイソンを象徴する最も有名なシンボルの一つに「プロビデンスの目(全能の目)」があり、これは多くの場合ピラミッドとセットで描かれます。グイマーの公園のロゴや案内板には、ピラミッドと目が組み合わされたデザインが頻繁に用いられています。
  • 二本の対の柱:ヘイエルダールを讃える展示室入口には、対になった二本の柱が立っています。これは古代イスラエルのソロモン神殿の入り口にあったとされる「ヤキンとボアズ」を象徴し、フリーメイソンのロッジには必ず置かれる重要なシンボルです。
  • 西向きの階段:ピラミッドの階段が太陽が沈む方向、つまり「西」を向いていることにも注目されます。フリーメイソンの思想では、西は死と再生、そして啓蒙の光を求めて進むべき方向とされています。

これらのシンボルは単なる偶然でしょうか。それとも、フレッド・オルセンが自身の信念を反映させ、公園の設計に意図的に取り入れたものなのでしょうか。

さらに、ヘイエルダールの探検自体がフリーメイソンの思想と共鳴しているという見方もあります。フリーメイソンは、失われた古代の叡智を探求することを重要な主題の一つとしています。ヘイエルダールが提唱した「大洋を越えた古代文明の交流」という壮大な仮説は、まさにこの思想と重なります。もしかすると、グイマーのピラミッドは彼らにとって、自らの信条を象徴的に表現する特別な場所だったのかもしれません。

謎は謎のままに―解釈の自由と旅の魅力

もちろん、これらはあくまで状況証拠を基にした一つの仮説に過ぎず、決定的な証拠は存在しません。しかし、考古学、天文学、フリーメイソンという三つの異なる視点が複雑に絡み合うことで、グイマーのピラミッドは他に類を見ない奥深く魅力的なミステリースポットとなっています。

真実は一つに限定されないのかもしれません。19世紀の農民が積み上げた石垣に、ヘイエルダールとオルセンが古代のロマンや自身の思想を重ね合わせて、新たな意味を付与した…そんな多層的な歴史を秘めた場所とも考えられるでしょう。

この地を訪れる醍醐味は、明確な答えを提示されることではなく、自分自身の目で見て歩き、考えることにあります。目の前に広がる石の山が発する語りかけに耳を澄まし、自分だけの解釈を紡ぎだす――それこそが、知的探究の旅の最高の喜びではないでしょうか。

グイマーのピラミッドへの旅 – 計画から実践まで

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さて、この謎めいたピラミッドに興味を抱き、実際に訪れてみたくなった方も多いことでしょう。ここからは、グイマーのピラミッド民族学公園への訪問に役立つ具体的な情報をご紹介します。しっかり準備を整え、知的好奇心に満ちた素晴らしい旅に出かけましょう。

アクセス方法と基本情報

グイマーのピラミッドは、テネリフェ島東海岸のグイマーという町に位置しています。テネリフェ島には北(TFN)と南(TFS)という2つの空港があり、どちらからもアクセス可能です。

  • レンタカーを利用する場合

島内を自由に移動したいならレンタカーが最適です。主要な街からは案内標識も整備されており、ナビゲーションを利用すれば迷う心配はほとんどありません。公園には無料駐車場も完備されています。所要時間は、北部の主要都市サンタ・クルス・デ・テネリフェから約30分、南の観光名所プラヤ・デ・ラス・アメリカスからは約40分が目安です。

  • 公共バスを利用する場合

島内の公共バスはTITSA社が運行しています。サンタ・クルス・デ・テネリフェのバスターミナルからは、120番、121番、126番などグイマー行きのバスが運行中です。「Güímar」というバス停で降り、そこからピラミッドまでは徒歩で15〜20分ほどかかります。少し坂道がありますが、町の景色を楽しみながら歩くのもおすすめです。

  • 施設名: Pirámides de Güímar Ethnographic Park & Botanical Garden
  • 営業時間: 毎日 10:00〜18:00
  • 休園日: 12月25日、1月1日
  • 住所: Calle Chacona, s/n, 38500 Güímar, Santa Cruz de Tenerife, Spain

最新の情報については、必ず公式サイトを確認してください。季節によって営業時間が変わることもあります。

チケット購入と園内の巡り方

チケットは現地でも購入可能ですが、混雑を避けるため事前に公式サイトで予約することをおすすめします。

  • チケットの種類
  • 通常チケット: ピラミッド、博物館、屋外散策ルートへ入場できます。
  • プレミアムチケット: 通常チケットに加え、園内の「毒草園(Poison Garden)」と、ヘイエルダール監督のドキュメンタリー映画を上映するオーディトリアムにも入場可能。ミステリーを深く楽しみたい方に特におすすめです。
  • 購入手順:
  1. 公式サイトのチケット購入ページにアクセス。
  2. 訪問日、人数、チケットの種類を選択。
  3. 個人情報とクレジットカード情報を入力して決済。
  4. 購入完了後、Eチケットがメールで届きます。当日はメールに添付されたQRコードをスマートフォンで表示するか印刷して持参し、入口で提示してください。

園内はよく整備されており歩きやすい環境です。じっくり見学するには最低でも3時間は確保するとゆとりがあります。おすすめの見学ルートは以下の通りです。

  1. ピラミッド群

まずはメインのピラミッド群を訪れ、多角的な視点からその構造や石の積み方、階段の配置を詳しく観察しましょう。夏至・冬至の太陽の動きを解説した案内板もあり、それを参考にするとさらなる理解が得られます。

  1. 博物館

博物館では、ヘイエルダールの探検の足跡、世界中のピラミッド文化との比較、グアンチェ族に関する展示など、非常に充実した資料が展示されています。彼の航海を記録した「Kon-Tiki Museum」のウェブサイトも彼の偉業を知る上で役立ちます。

  1. オーディトリアム

プレミアムチケットをお持ちの方は、ヘイエルダール監督の情熱が伝わるドキュメンタリー映像を鑑賞可能。彼の視点を知ることで、ピラミッドの見方がより深まるでしょう。

  1. 毒草園

やや異色のスポットですが、世界各地から集められた80種類以上の有毒植物が展示されており、歴史の暗殺事件で使われた植物などのスリリングな解説が楽しめます。

  1. 屋外散策路と庭園

持続可能な庭園や輸出産品のルートなど、カナリア諸島の自然や文化に触れる散策路が整備されています。時間に余裕があればゆったり歩いてみてください。

旅の準備と持ち物リスト

謎解きを快適に楽しむために、しっかり準備をして出かけましょう。テネリフェの強い日差しや風には特に注意が必要です。

  • 服装:
  • 歩きやすい靴: 園内は広く砂利や坂道もあります。スニーカーやウォーキングシューズが必須です。おしゃれも大切ですが、石畳にヒールは避けましょう。デザイン性の高いフラットシューズやきれいめスニーカーが適しています。
  • 羽織れるもの: 「常春」と称されるカナリア諸島ですが、風が強く場所によっては肌寒く感じることもあります。カーディガンや薄手のウインドブレーカーなど脱ぎ着しやすい上着を持っていると便利です。
  • 帽子・サングラス: 日差しが強いため、帽子は必須。つば広のものだと日焼け対策も兼ねられます。
  • 持ち物:
  • 日焼け止め: SPFが高いものを用意し、こまめに塗り直しましょう。
  • : 園内にカフェはありますが、散策中の水分補給用に持参がおすすめです。
  • カメラ: 神秘的な景観は写真に収めたくなること間違いなし。
  • モバイルバッテリー: スマートフォンのバッテリーは地図や写真撮影で思いのほか消耗します。
  • 禁止事項・ルール:
  • ピラミッドへの登頂は厳禁です。遺跡の保護のため、決して登らないでください。
  • ドローンの飛行は禁止されています。
  • 園内での飲食は指定のカフェやピクニックエリアで行いましょう。
  • ゴミは必ず持ち帰るか、指定のゴミ箱へ捨ててください。

トラブルへの対処法

旅ではトラブルも起こりうるものですが、事前に知っておけば慌てずに対応可能です。

  • チケットのキャンセル・変更

基本的に自己都合によるチケットのキャンセルや返金は難しいことが多いです。訪問日をよく確認してから購入しましょう。ただし、悪天候など施設側の都合による閉園の場合は、公式サイトで対応が案内されますので確認してください。

  • 交通機関の遅延

バス利用時は遅延や運休が起こる可能性があります。出発前にバス会社のウェブサイトで運行状況を確認し、余裕を持った計画を立てることが大切です。また、念のためタクシー配車アプリをスマホにインストールしておくと安心です。

これらの情報を踏まえておけば、安心してグイマーのピラミッドを楽しむ旅が実現できるでしょう。

テネリフェ島のもう一つの顔 – ピラミッド以外の魅力

グイマーのピラミッドの神秘に浸るのも素敵ですが、せっかくテネリフェ島まで足を運んだなら、その多彩な魅力を存分に楽しむべきでしょう。

  • テイデ国立公園: スペイン最高峰のテイデ山(3,718m)がそびえ立つ、まるで月面のような風景が広がる世界自然遺産です。ロープウェイで山頂付近まで登れば、雲海を眼下に望む絶景が一望できます。さらに、世界屈指の星空観測スポットとしても名高く、夜には満天の星を体感できるでしょう。
  • サン・クリストバル・デ・ラ・ラグーナ: かつての首都としての歴史をもつ町で、美しいコロニアル様式の街並みがそのまま保存されている世界文化遺産です。色とりどりの建物が連なる石畳の道を歩けば、大航海時代にタイムスリップしたかのような気分に浸れます。おしゃれなカフェやバル、個性豊かなセレクトショップも多く、街歩きがいっそう楽しく感じられるエリアです。
  • サンタ・クルス・デ・テネリフェ: 現在の州都で、モダンな魅力にあふれる街です。特に、建築家サンティアゴ・カラトラヴァが手掛けた、波や帆を連想させる斬新なデザインのオペラハウス「アウディトリオ・デ・テネリフェ」は見逃せません。ショッピングやグルメも充実しており、洗練された都会の雰囲気を楽しめます。

火山が生み出す迫力ある自然景観、歴史が息づく古都、そして近代的なアート。テネリフェ島は訪れるたびに新しい顔を見せてくれる、実に奥深い島なのです。

旅の終わりに想うこと – 未解明の歴史に心を寄せて

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グイマーのピラミッドを後にする際、私の心には一つの答えではなく、数多くの疑問が浮かんでいました。

それは19世紀の農民たちの汗と努力の結晶なのか。あるいは古代グアンチェ族の祈りの場だったのか。または、大洋を越えた文化交流を夢見た探検家の情熱が、石の山に新たな息吹を与えたのか。あるいは秘密結社が後世に遺した壮大なメッセージなのでしょうか。

おそらく、それらすべてが少しずつ真実に近いのかもしれません。歴史とは単一の事実で成り立つものではなく、さまざまな人々の営みや想い、そして後世の解釈が紡ぎ出す無数の糸が織りなす、美しいタペストリーのようなものなのかもしれません。

グイマーのピラミッドは、私たちに教えてくれます。世の中には白黒はっきりしない、グレーゾーンの奥深い魅力が存在することを。未解明であるがゆえに、私たちの想像力はどこまでも広がり、古代の人々や偉大な探検家たちに思いを馳せることができるのです。

この旅は単なる観光ではありません。過去と現在が交差するミステリーの舞台に立ち、自らの頭で考え、心で感じる、知的な冒険なのです。

もしあなたが日常から少し離れて、壮大な時の流れと謎に満ちた物語に身を委ねたいと思ったなら、ぜひ大西洋のこの島を訪れてみてください。黒い火山岩でできたピラミッドは、きっとあなた自身の問いかけに応え、答えを探す手がかりを静かに示してくれることでしょう。

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この記事を書いたトラベルライター

アパレル企業で培ったセンスを活かして、ヨーロッパの街角を歩き回っています。初めての海外旅行でも安心できるよう、ちょっとお洒落で実用的な旅のヒントをお届け。アートとファッション好きな方、一緒に旅しましょう!

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