米国連邦航空局(FAA)は、米国政府機関の閉鎖(シャットダウン)の可能性に備え、全米の主要40空港でフライトを大幅に削減する緊急対応計画を発表しました。この措置は、航空交通の安全を確保するための予防的なものであり、現実となれば米国の航空網に深刻な影響を及ぼす可能性があります。
なぜフライトが削減されるのか? – 背景にある「政府閉鎖」と「人員不足」
政府閉鎖の脅威
米国では、議会が新年度の予算案を可決できない場合、政府機関の活動が一時的に停止する「政府閉鎖」が発生します。FAAも連邦政府機関の一つであるため、閉鎖が起きると予算が停止し、多くの職員が一時帰休(無給での自宅待機)を命じられます。
深刻化する航空管制官不足
航空機の安全な運航に不可欠な航空管制官は、閉鎖期間中も無給で勤務を続けることが求められます。しかし、FAAはすでに深刻な人員不足に直面しており、過去10年間で航空管制官の数は10%も減少しています。
このような状況下で政府閉鎖が起これば、以下の事態が懸念されます。
- 約17,500人のFAA職員が一時帰休となる。
- 約1,000人の新人航空管制官の訓練が完全に停止される。
- 無給勤務による現役管制官の士気低下や離職が加速する。
FAAは、人員がさらに減少した状態で米国の複雑な空域の安全を維持することは困難と判断し、予防措置としてフライト数自体を減らすことを決定しました。
どの空港が影響を受けるのか?
このフライト削減計画の対象となるのは、全米で最も混雑する40の空港です。具体的には、ニューヨークのジョン・F・ケネディ国際空港(JFK)やラガーディア空港(LGA)、シカゴ・オヘア国際空港(ORD)、ロサンゼルス国際空港(LAX)といった主要なハブ空港が含まれています。
これらの空港では、フライトの遅延や欠航が大幅に増加することが予想されます。ピート・ブティジェッジ運輸長官は、政府閉鎖が航空旅行に「甚大な混乱」を引き起こすと警告しており、その影響は米国内線だけでなく、国際線にも及ぶ可能性があります。
旅行者への影響と今後の見通し
予測される影響
- フライトの遅延・欠航の多発: 航空会社のスケジュールに大幅な乱れが生じ、乗り継ぎ便への影響も懸念されます。
- 空港の混乱: フライトの変更やキャンセル手続きで空港カウンターが混雑し、保安検査場なども通常以上の時間がかかる可能性があります。
- 経済的損失: 航空業界全体が打撃を受け、その影響はホテルや観光業にも波及する恐れがあります。
旅行者が今すべきこと
- 最新情報の確認: 米国への渡航や米国内での移動を予定している方は、利用する航空会社のウェブサイトやアプリで、運航状況をこまめに確認してください。
- スケジュールに余裕を持つ: 空港には通常より早く到着し、乗り継ぎ時間にも十分な余裕を持たせることをお勧めします。
- 旅行保険の確認: フライトの遅延や欠航をカバーする旅行保険に加入しているか、補償内容を再確認しておきましょう。
政府閉鎖が回避されれば、このフライト削減計画は実行されずに済みますが、もし現実となれば、その影響は数週間から数カ月にわたって続く可能性があります。根本的な原因である航空管制官の人員不足問題が解決されない限り、今後も同様のリスクが再燃する可能性があるため、引き続き米国の政治・航空関連のニュースに注意が必要です。

