フランスの空の玄関口に再び暗雲
2025年9月18日に予定されていたフランスの航空管制官によるストライキは、直前になって回避されました。しかし、旅行者が安堵のため息をつくのはまだ早いかもしれません。労働組合は、ストライキを10月初旬に延期し、さらに期間を3日間に拡大する計画を発表しました。これにより、来月にはフランスを発着、あるいは上空を通過する数千のフライトに深刻な影響が及ぶ可能性があります。
なぜストライキは延期されたのか?
今回のストライキ延期の決定は、フランス最大の航空管制官労働組合であるSNCTAによって下されました。SNCTAは、航空会社やフランス民間航空総局(DGAC)に対し、ストライキによる影響を最小限に抑えるための準備期間を与えることを延期の主な理由として挙げています。
また、9月18日にはフランスで開催中のラグビーワールドカップで南アフリカ対アイルランドという注目カードが組まれており、多くの観戦客の移動に混乱が生じることを避ける狙いもあったと見られています。SNCTAは、この延期期間を利用して当局との「建設的な対話」を再開したいとの意向も示していますが、交渉が決裂すれば、より大規模なストライキに踏み切る構えです。
ストライキの根本的な原因
この対立の背景には、フランスの航空管制システムの近代化計画に対する航空管制官の強い懸念があります。特に、2028年から2035年にかけて計画されているシステムの全面的な刷新に伴い、管制官の数が大幅に削減されることへの反発が強まっています。
SNCTAは、技術革新そのものに反対しているわけではありません。しかし、システムの自動化が進んでも、予期せぬ事態に対応し、空の安全を最終的に担保するのは人間の管制官であると主張。十分な人員を確保せずにシステムの近代化を進めることは、乗客と乗員の安全を危険に晒すことになりかねないと警鐘を鳴らしています。
予測される影響:10月のストライキがもたらす混乱
もし10月初旬に3日間のストライキが実行された場合、その影響は計り知れません。フランスはヨーロッパの航空交通の要衝であり、その影響は国内線にとどまらず、ヨーロッパ全域に波及します。
広範囲に及ぶフライトキャンセルと遅延
過去のストライキでは、フランスの主要空港で大規模な欠航が発生しました。例えば、2023年春に実施されたストライキでは、パリ・オルリー空港でフライトの約3分の1、マルセイユやボルドーといった地方空港でも20〜25%のフライトがキャンセルされる事態となりました。
今回は3日間にわたるため、影響はさらに甚大になることが予想されます。パリのシャルル・ド・ゴール空港やオルリー空港はもちろん、ニース、リヨン、マルセイユなどの主要空港を発着する便は、大幅な遅延やキャンセルに見舞われるでしょう。さらに、イギリスからスペインへ、あるいはドイツからイタリアへ向かう便など、フランス上空を通過するだけの国際線も、ルート変更を余儀なくされるか、キャンセルとなる可能性があります。
旅行者が直面する困難
この期間にフランスへの渡航や、フランス経由のフライトを予定している旅行者は、以下のような事態に備える必要があります。
- フライトの突然のキャンセル: 航空会社から直前にフライトキャンセルの通知が届く可能性があります。
- 大幅な遅延: 運航される便も、出発・到着が数時間単位で遅れることが予想されます。
- 代替便の確保難: 多くの乗客が一斉に代替便を探すため、空席を見つけるのが困難になり、運賃も高騰する可能性があります。
- 乗り継ぎへの影響: フランスでの乗り継ぎを予定している場合、最初の便の遅延やキャンセルにより、その後のフライトに搭乗できなくなるリスクが高まります。
今後の見通しと旅行者へのアドバイス
10月初旬までにSNCTAとDGACの間で合意に至れば、ストライキは回避される可能性も残されています。しかし、交渉の先行きは不透明であり、旅行者は最悪の事態を想定して準備を進めるべきです。
渡航前に確認すべきこと
- 航空会社の情報を常にチェック: ご利用予定の航空会社の公式ウェブサイトやアプリを頻繁に確認し、運航状況に関する最新情報を入手してください。フライトに関する通知を受け取れるよう設定しておくことを強く推奨します。
- 柔軟な旅程を検討: 可能であれば、日程の変更が可能な航空券や宿泊プランを予約することを検討しましょう。
- 旅行保険の確認: ご加入の海外旅行保険が、ストライキによるフライトのキャンセルや遅延に伴う費用(宿泊費、交通費など)を補償対象としているか、事前に契約内容を確認してください。
simvoyageは、今後もこの問題に関する最新情報を提供していきます。フランスへのご旅行を計画中の方は、引き続き関連ニュースにご注意ください。

