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米国、ビザ申請料を442ドルへ大幅引き上げー国際観光への影響は必至か

米国務省は、非移民ビザの申請料金を世界でも類を見ない水準である442ドル(約6万5000円)に引き上げることを発表しました。この決定は、ビザ処理コストの上昇を理由としていますが、コロナ禍からの回復を目指す世界の国際観光市場に大きな衝撃を与えています。特に、ビザ免除プログラム(VWP)の対象外となっている国々からの旅行者にとっては、米国旅行のハードルがさらに高まることになり、観光客の減少が懸念されています。

目次

世界最高水準となる新たなビザ申請料

今回の改定により、観光や短期商用を目的とする多くの旅行者が申請するB1/B2ビザなどの申請料が、一律442ドルに設定されます。この金額は、他の主要観光国と比較しても突出して高額です。

これまでもビザ申請料は渡航への障壁の一つと見なされてきましたが、この大幅な引き上げは、特に予算を重視する個人旅行者や家族連れに深刻な影響を与えると考えられます。例えば、4人家族で米国旅行を計画する場合、ビザ申請だけで1,768ドル(約26万円)もの費用が発生することになり、航空券や宿泊費に加えて大きな経済的負担となります。

なぜ今、大幅な値上げなのか?

米国務省は、今回の料金引き上げの主な理由として、ビザ発給に関わる行政コストの増大を挙げています。これには、近年のセキュリティ強化策に伴う審査プロセスの複雑化、ITインフラの維持・更新費用、そして人件費の上昇などが含まれているとみられます。

つまり、申請料はビザ審査という行政サービスの実費を賄うために設定されており、そのコストがインフレなどの経済情勢を反映して上昇した結果、今回の改定に至ったという背景があります。しかし、その上げ幅の大きさから、多くの国で観光業界を中心に戸惑いの声が広がっています。

予測される国際観光への影響

この決定が米国の観光業に与える影響は甚大であると予測されています。

観光客の目的地変更と米国の競争力低下

最も懸念されるのは、旅行者が高額なビザ費用を嫌い、米国以外の国を旅行先として選択するようになることです。タイ旅行代理店協会(TTAA)は、「タイ人観光客は、ビザが不要、あるいはより安価なヨーロッパ、日本、韓国などを選ぶようになるだろう」と強い懸念を表明しています。

タイから米国への渡航者数は、パンデミック前の2019年と比較して未だ70%の水準に留まっており、今回の措置が回復の勢いをさらに鈍化させる可能性があります。これはタイに限らず、ビザが必要な多くの国々に共通する課題です。

観光収入の減少という経済的打撃

国際観光は、米国経済にとって重要な収入源の一つです。旅行者の減少は、航空会社、ホテル、レストラン、小売店、テーマパークといった幅広い分野に直接的な打撃を与えます。特に、これまで多くの観光客を受け入れてきた主要都市の観光業は、客足の伸び悩みに直面するかもしれません。

米国への旅行の魅力が、高額なビザ申請料という「参入障壁」を上回れるかどうかが、今後の観光客数を左右する重要な鍵となるでしょう。

今回のビザ申請料引き上げは、安全保障や行政コストの観点から見ればやむを得ない措置と捉えることもできます。しかし、世界中の人々が再び自由な往来を取り戻そうとしている今、この決定が国際交流や観光業の未来にどのような影響を及ぼすのか、その動向を注意深く見守る必要があります。

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この記事を書いたトラベルライター

SimVoyage編集部は、世界を旅しながら現地の暮らしや食文化を体感し、スマホひとつで快適に旅する術を研究する旅のプロ集団です。今が旬の情報から穴場スポットまで、読者の「次の一歩」を後押しするリアルで役立つ記事をお届けします。

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