カナダから米国へ空路で向かう旅行者にとって、渡航手続きがこれまで以上に複雑化する見通しです。両国間で新たに導入される規制により、これまでスムーズだった空の旅に大きな変化が訪れる可能性が報じられています。ビジネスや観光で頻繁に国境を越える人々にとって、この変更は無視できないものとなるでしょう。
背景:緊密な関係と強化されるセキュリティ
カナダと米国は、世界で最も長い国境を共有し、経済的・人的交流が非常に活発なことで知られています。特に航空路は両国を結ぶ大動脈であり、年間を通じて数百万人が利用しています。
カナダ統計局によると、新型コロナウイルス感染症のパンデミック以前の2019年には、カナダから米国への航空旅客数は年間1,500万人を超えていました。パンデミック後の旅行需要の回復に伴い、この数字は再び増加傾向にあります。
このような活発な交流を支えてきたのが、カナダの主要8空港に設置されている米国の「事前入国審査(Preclearance)」施設です。これにより、旅行者はカナダ出発時に米国の入国・税関審査を済ませることができ、米国到着後は国内線と同様にスムーズな移動が可能でした。
しかし、近年の国際情勢の変化とセキュリティ強化の世界的な潮流を受け、米国政府は国境管理体制の見直しを進めています。今回の新規制は、その一環として導入されるものと見られています。
新規制がもたらす具体的な変更点
報道によると、新規制の核心は、これまでビザなし渡航が認められていたカナダ国籍者に対し、新たな「電子渡航認証システム」の事前申請を義務付けることにあるとされています。これは、欧州諸国からの渡航者に適用されているESTA(電子渡航認証システム)に類似した制度になる可能性があります。
旅行者は出発の72時間前までにオンラインで個人情報や渡航目的などを申請し、承認を得る必要が出てくるかもしれません。これにより、米国当局は入国者をより事前にスクリーニングすることが可能になります。
予測される影響と未来
旅行者への直接的な影響
この規制変更は、カナダからの旅行者にいくつかの直接的な影響を与えることが予測されます。
- 手続きの増加と時間的制約: 事前申請という新たなステップが加わることで、旅行の準備にかかる手間が増えます。特に、急な出張や旅行を計画する際には、申請と承認にかかる時間を考慮に入れる必要があります。
- コストの発生: 新たな認証システムの導入に伴い、申請手数料が発生する可能性があります。家族旅行などでは、その負担は無視できない金額になるかもしれません。
- 空港での混乱: 制度導入の初期段階では、新システムを認知していない旅行者による混乱が予想されます。航空会社のチェックインカウンターや事前入国審査場での待ち時間が長くなる可能性があります。
航空・観光業界への波及効果
旅行者の負担増は、航空・観光業界にも影響を及ぼすでしょう。手続きの煩雑化が旅行意欲を減退させ、特に短期の観光やショッピングを目的とした渡航需要が一時的に落ち込む可能性があります。
航空会社は、乗客への事前告知を徹底するとともに、チェックインプロセスに新たな確認項目を追加する必要に迫られます。円滑な運用が定着するまで、遅延やスケジュールの見直しが発生するケースも考えられます。
今後の見通しと旅行者が取るべき対策
短期的には混乱が予想されるものの、長期的にはデジタル化された手続きが定着し、セキュリティが向上した上で、再び円滑な人の往来が実現されることが期待されます。
カナダから米国への渡航を計画している方は、以下の点に注意してください。
- 最新情報の確認: 出発前に、米国国土安全保障省(DHS)や在カナダ米国大使館、利用する航空会社の公式サイトで、渡航要件に関する最新情報を必ず確認してください。
- 早めの準備: 旅行計画を立てる際は、新たな申請手続きにかかる時間を考慮し、余裕を持って準備を進めることをお勧めします。
- 空港には余裕を持って到着: 新制度の導入直後は特に、空港での手続きに通常より時間がかかることが予想されます。時間に余裕を持って空港に到着するようにしましょう。
simvoyageでは、今後もこの新規制に関する詳細な情報や、旅行者への影響について速報をお届けしていきます。

